年金ふわふわ

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「15日以上」の月を算定対象とすることの根拠

2016年06月20日 | 年金ワンポイント
前回のアップの続きです。

被用者保険の「定時決定」において、法律上は報酬支払基礎日数「17日以上」の月が算定対象とされるところ(厚21、健41)、パートについては17日以上の月がない場合に「15日以上」の月が算定対象とされていますが、この取り扱いの法的根拠は?…という問題です。

これは、どうも「保険者算定」によるようです(厚24、健44)。勉強仲間のSさんから教えていただきました。上記取扱いを示した、平成18年5月12日発出の「庁保険発0512001号」に付随した「事務連絡」文書に、次の一文があります。ちと長いですが引用します。

さて、標記につきましては、「標準報酬月額の定時決定等における支払基礎日数の取扱いについて」(平成18年5月12日庁保険発第0512001号)をもって通知したところでありますが、短時間就労者に係る標準報酬月額の算定における支払基礎日数については、次のことから15日を全国的な運用基準とし、統一的な取扱いとすることといたしましたので、御了知願います。
1 短時間就労者独自の支払基礎日数を設けることについて
 標準報酬月額の定時決定では、支払基礎日数が4月、5月、6月のいずれもが17日未満の場合は保険者算定を行うこととなります。しかしながら、短時間就労者については、勤務日数が通常の就労者よりも少ないことが一般的なため、多くの者について保険者算定となることが見込まれます。そのため、事務の効率化と実態に即した標準報酬月額とするため、短時間就労者の標準報酬月額の保険者算定については、支払基礎日数が15日以上ある月の報酬により機械的に決定する取扱いが広く行われていました。今般、支払基礎日数が『17日』と改正されましたが、短時間就労者における『15日』を基準とする取扱いは、磁気媒体による届出システム等によりすでに多くの社会保険事務局又は社会保険事務所において運用されており、また、多くの事業所においてもこの取扱いが定着していること、さらに、就労形態の多様化により短時間就労者が従来に増して増加していると見込まれることや、現在社会保険事務の取扱いの統一化を進めていること等を踏まえ、 短時間就労者の保険者算定については、引き続き支払基礎日数15日以上の月の報酬をもって算定することとしたものです。
2 『15日』の算出根拠について
 短時間就労者の適用基準となる就労日数が通常の就労者の所定労働日数等のおおむね4分の3以上であることから、通常の支払基礎日数『20日』の4分の3の日数『15日』を用いていたことによるものです。なお、今回の改正後の支払基礎日数『17日』の4分の3とした場合には、極めて短い支払基礎日数となること及び短時間就労者も含め『15日』を基準とする取扱いが定着していることから用いないこととしたものです。

ということで、15日以上とする取扱いは、法律上「保険者算定」を根拠とするようですね。通知自体は確認したのですが、付随文書までは見落としました。前回アップの「ひょっとしたら保険者算定かしら」というあてずっぽうがまぐれ当たりして、ちょっと嬉しい気分。Sさんありがとうございました。

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