年金ふわふわ

年金についての執筆やセミナー講師を生業とするFP・社労士が
風の吹くまま気の向くまま 日々の出来事をつづる

事実婚による遺族年金の請求取り下げと再提出

2011年07月27日 | 年金相談あれこれ
遺族年金ネタその1。あ、もちろんフィクションね。

30年ほど結婚生活をおくり、いまから30年ほどまえに別居し、20年ほど前に離婚した夫婦があります。あると思ってください。

その夫が最近亡くなりまして、妻が遺族共済年金の請求をしました。別居、離婚後もつながりがあったので、事実婚による遺族年金の請求ですね。

で、そんなころ夫が大昔、厚生年金に2年ちょっと加入していたことがわかりました。夫はこれを請求も受給もせずに死んだわけですね。

当然、厚生年金のほうも老齢厚生年金の未支給と、遺族厚生年金の請求をしました。

その後、共済のほうから追加の申立書を求められたため、ウチに相談にきました。

申立書は、私が上手く…じゃない、適当に…違う違う、あくまでも事実に即して作ってあげましたが、問題は厚生年金の請求だと思いました。

この件については、あくまでも共済がメインで、厚生年金はおまけみたいなもんです。おそらく、そんな感じで請求したのではないかと感じました。請求の精度が、厚生年金は劣るのではないかと危惧したのです。

その厚生年金が不支給になったら困るなと。一回不支給になったものをひっくり返すのは容易ではないので、厚生年金のほうの請求を取り下げてもらいました。共済の結果が出てから、あらためて戦略を考えようと。


さて、その遺族共済が支給されることとなりました。よかったですねえ。べつに私が書いた申出書のおかげとはいいませんが、私も嬉しいです。

さてさて、では次は厚生年金だ。ここで問題なのは、取り下げた書類がそのまんま使えるのか、あるいはぜ~んぶ新たに書き直さなきゃいけないのか。書き直すのは面倒だぞっと。

で、年金事務所に行ったところ、取り下げた書類でOKとのことで、やれやれ助かった。ただし、前の請求、取り下げから6カ月以上たっているので、請求者(妻)の住民票だけお願いしますといわれましたが、そんなんぜんぜんOKです。

なお、取り下げた書類一式に加えて、もちろん遺族共済の年金証書と、共済に出した申立書を提出しました。

ちなみに、共済が認めてくれたからといって、必ず厚生年金(国)も認めてくれるとは限りません。限りませんが、まあ、おそらく大丈夫でしょう。


はあ~~~~~ひと段落

2011年07月23日 | コーヒーブレイク
ようやっと仕事がひと段落したわ。

  くたびれた。

昨年末からず~っと、法令から出す(今月出た)「繰上げ下げ」の本を書いてきて。

それが終わりかけるころに、こう書房の「おいしい定年後…」の増刷の話がきて。
今回は新刊扱いの改定版。全面リニューアルなので、本文も図もぜんぶ書き直して。

講座パート3のテキストも、なんとか来週、受講生の皆さんに渡せるメドがついて。

はあ~~やれやれ、ですの。

8月に入ったら、ビジネスガイドの原稿と、研修やセミナーのレジュメを作らにゃならん。

ようやく1週間の余裕ができたので、この間に、依頼を受けている3件の遺族年金の
手続きに動こうかと。3件とも普通の請求じゃないので、ちと気を使う案件。

でも、明日は3週間ぶりに休むもんね。体もたんもんね。

ということで、ブログも久しぶりのアップでした。

振替加算・さらに続き

2011年07月12日 | 年金ワンポイント
かじさん、いつもコメントありがとうございます。

65歳を過ぎて振替加算がついた老齢基礎年金をもらっている妻が離婚し、年の若い男性と再婚したとき、振替加算は消えてなくなるわけではなく、そのまま加算され続けることは、かじさんのおっしゃるとおりだと思います。

さて、再婚後、その再婚した夫が老齢厚生年金に配偶者加給が加算される年齢をむかえました。このとき妻はすでに65歳を超えているので、夫の年金には加給はつかず、その時点から妻の老齢基礎年金に振替加算額が加算されます。

ふつうは。

ところがこの妻の老齢基礎年金には、すでに、分かれた前の夫の加給から振り替わった振替加算がついています。今回、再婚した夫との関係でも振替加算が加算される状況となったわけですが、はてさて、振替加算がもう一つつくのでしょうか? 私はつかないと思うのですが、ではつかない根拠はどこにあるのでしょうか。

「振替加算その1」は、一人の夫が老齢厚生年金と障害厚生年金という、振替加算の元となる年金を2つもらっているという設定でした。

この場合には、振替加算はふだん私たちがイメージしているような、「夫の年金の加給が振り替わるもの」ではなく、妻が65歳になったときに夫の老厚・障厚の加給の対象になっているという、「一定の状況にあること」によって加算されるものなので、夫が2つの年金をもらっていても「状況」は1つだから振替加算は1つしかつかない、と整理できます。

ところが今回は、離婚・再婚によって「状況」が別々のタイミングで2回起きたという設定です。

今回のケースで、前の夫との「状況」によって既についている振替加算が消えるようなことはないと思います。問題は、再婚した夫との「状況」による今回の振替加算は加算されるのか、加算されないのか。加算されないとしたら、それは条文をどう読めば加算されないとなるのか。

はてさて、皆さまはどう思われるでしょうか。

振替加算の続き

2011年07月09日 | 年金ワンポイント
かじさん、すばらしい!

私もいままで、妻の振替加算は、夫の年金の加給が振り替わるもの…というイメージでいました。

なので、夫が老齢厚生と障害厚生という2つの年金を持っていたら、どうなるんじゃ??と疑問に思ったわけで。

でも、かじさんがおっしゃるとおり、振替加算は1個1個の年金の加給が振り替わるものではなく、妻がコレコレの状況にあるときにほわーんと生じるものなんだなあと、このたび気づきました。

条文はどこまでも考えて作ってあるのですねえ。


では、ここで問題です。

ある妻が振替加算をもらった後に離婚しました。離婚しても振替加算に影響はないので、そのまんまですね。

この妻…じゃない女性か、が10歳年下の男性と再婚しました。

その後、再婚した新しい夫が、老齢厚生年金に加給が加算される年齢をむかえました。

その時点で妻はとうに65歳を超えているので、夫の年金に加給はつきませんが、直ちに妻の老齢基礎に振替加算が行われる…

のが普通ですが、この妻の老齢基礎には既に振替加算がついています。

さて???


前回の問題は、夫が2つの年金を持っていたけれども、コレコレの状況が同じ1回のタイミングで起こったから、振替加算は1つしかつかないでしょってことで整理ができます。

ところが今回は、コレコレの状況が別のタイミングで2回起こったわけです。

皆さまのご意見をお聞かせください。

夫に老厚と障厚の受給権があるとき、振替加算は2つもらえるか?

2011年07月06日 | 年金ワンポイント
夫が受給する老齢厚生年金の加給の対象になっていた、昭和41年4月1日以前生まれの妻の老齢基礎年金には、「振替加算」がつくことは皆さまもご承知のとおり。ちなみに、夫が2級以上の障害厚生年金の受給権者の場合にも、妻に振替加算があります。

さて、夫が、20年以上の加入期間に基づく老齢厚生年金と2級の障害厚生年金という2つの年金の受給権者だった場合、妻の振替加算ってどうなるのでしょうか。

まさか振替加算を2つもらえるとは思えませんが…どっちかが支給停止になるとか?

もちろん、老齢厚生年金と障害厚生年金はどちらか1つしかもらえないので、この場合、夫はどちらか1つをもらっているはず。じゃあ、そのもらっているほうの加給が振替加算されて、もらってないほうの加給は振替加算されない? というような条文あります?