年金ふわふわ

年金についての執筆やセミナー講師を生業とするFP・社労士が
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被用者年金一元化・その27

2016年04月26日 | 被用者年金一元化
「1963さん」、コメントと貴重な情報をありがとうございます。

一元化後の期間は老齢厚生年金として支給されるのではないかという予想…、予想じゃないか、条文からいってそうなるのではないかという考えが当たって、嬉しいです(笑)。

ただ、その受発日が退職日というのはなぜでしょうね。一元化経過措置令79条は、退職するまでは(正しくは、退職改定の規定と同じように、退職して1月経過するまでは、ですが)、2号期間を「額に反映しない」といっているだけで、受給権を発生させないといっているわけではありません。

一元化前に退職共済年金が受発し、以後継続して共済組合員であった者が、一元後に退職したケースについての老厚の受発日は、一元化施行日の平成27年10月1日だと思うのですが。

この者は一元化前は厚年期間を有していませんでしたが、一元化によって一元化前の共済期間が厚年期間とみなされ、平成27年10月1日、厚年期間を有する者となります(改附7条)。既に支給開始年齢は過ぎているのですから、その時点、すなわち平成27年10月1日に老厚が受発するのではないでしょうか。

ただしこの場合、みなし厚年期間のうち退共の額に反映されている期間、すなわち一元化前の期間は老厚の額には反映されません(改附11条)。ですから、受発はするけれども年金額は0円。

0円年金が受発するのはおかしいという考え方もありますが、もしこれが正しいとすると、一元化後の厚年期間は退職改定によってこの老厚に反映されることになります。3月31日に退職すると、改定後の年金額が支給されるのは、一元化前は喪失日から1月経過した5月分からでしたが、一元化後は退職日から1月経過した4月分からとなります(厚43条)。

被用者年金一元化・その26

2016年04月22日 | 被用者年金一元化
一元化施行前後に頭をひねっていた次の設例について、「1963」さんから『結論はどうなったのでしょうか?』というコメントをいただきました。すいませんねえ問題を投げかけただけで放りっぱなしにしといて。

<設例>
・ある国家公務員共済組合員が一元化前に65歳に達し、65歳前の組合員期間(A)に基づく退職共済年金の受給権を取得したとする。
・この者はその後も継続して組合員であり続け、一元化後に退職した。
・65歳から一元化までの組合員期間を(B)、一元化から退職までの組合員期間を(C)とする。
・さて、(B)および(C)の期間は、どのように給付されるか?

結局のところ…答えは見つかっていないのですが、一元化の経過措置令に次のような意味の規定があります。かなり要約してありますし、私の個人的な要約ですから鵜呑みにしないでくださいね。

<厚年法の一元化経過措置令79条>
一元化前に受発した退職共済年金の受給権者であって、厚年2号資格を取得したものに支給する2号期間に基づく老齢厚生年金の額については、その者がその2号資格を喪失するまでの間、2号期間を、その計算の基礎としない。

これは、設例の(C)期間については、この者が2号資格を喪失するまでは老厚の額に反映しない。逆に言うと、2号資格を喪失したら老厚として支給するよ…ということでしょうか。

<国共済法の一元化経過措置令18条の読み替え規定を反映した厚43条3項(退職改定)>
厚年被保険者である一元化前に受発した退職共済年金の受給権者(一元化によって施行時に厚年資格を取得した組合員に限る。)がその厚年資格を喪失ししたときは、なお効力を有する一元化改正前国共済法77条3項(受発以後の期間は計算の基礎としない)の規定にかかわらず、その厚年資格を喪失した月前における旧国共済施行日前期間を一元化前に受発した退職共済年金の額の計算の基礎として、その退職共済年金の額を改定する。

これは「1963」さんもコメントで指摘された規定ですね。設例でいうと、(B)期間は厚年資格を喪失したら退職改定によって退職共済年金に含めますよ…ということでしょうか。

これらを総合的に考えると、資格喪失するまでは(B・C)期間に基づく年金は支給されず、資格喪失すると…

・(B)期間=それまで支給されていた(A)期間に基づく退職共済年金に付け加わる。以後、(A+B)期間に基づく退職共済年金が支給される。
・(C)期間=老齢厚生年金として支給される。

ということかなあ、と今は思っています。ちなみに、(C)期間に基づく老厚は国共済組合から支給されるので、退職共済年金と別にして支給される(振り込まれる)かどうかアヤしいな、とも思っています。退職共済年金という名前で、一つにして振り込まれてしまうのではないかと。