たとえば、厚生年金に40年間加入して、その間の平均月給が35万円だった場合の老齢年金は、基礎年金と厚生年金を合わせて月額約16万5,000円です。
また、これが夫だとして、夫が死亡したとき妻に支給される遺族厚生年金は月額約7万5,000円です。いずれもそう多いとはいえません。しかもこれが今後、マクロ経済スライドによって目減りしていきます。
公的年金をはじめとする社会保険は、現役世代の保険料によって、給付の多くを占める高齢者世代を支える仕組みです。少子高齢化によって負担が増え給付が減ることは避けられません。
公的年金の上乗せに当たる自助努力は、以前はより豊かな生活を目指してのものでしたが、今や年金だけでは不足する生活費を補うためのものに変化しています。年金の他に何らかの備えがなければ、生活に窮するのが現実です。
年金制度に対しては多様な意見があります。年金は私たちが安心して生活していくための一つの道具に過ぎません。絶対に守らなければならないものでもなく、また廃止してしまえばよいというものでもありません。それを決めるのは私たちです。決めるためには、年金の本質と仕組みを知らなければなりません。
2005年3月に始まった本コーナー(新聞連載)は、そんな思いで続けてきましたが、本日でいったん終了となります。10年以上に渡るご愛読まことにありがとうございました。またいつかお目にかかれる日を楽しみにしています。
また、これが夫だとして、夫が死亡したとき妻に支給される遺族厚生年金は月額約7万5,000円です。いずれもそう多いとはいえません。しかもこれが今後、マクロ経済スライドによって目減りしていきます。
公的年金をはじめとする社会保険は、現役世代の保険料によって、給付の多くを占める高齢者世代を支える仕組みです。少子高齢化によって負担が増え給付が減ることは避けられません。
公的年金の上乗せに当たる自助努力は、以前はより豊かな生活を目指してのものでしたが、今や年金だけでは不足する生活費を補うためのものに変化しています。年金の他に何らかの備えがなければ、生活に窮するのが現実です。
年金制度に対しては多様な意見があります。年金は私たちが安心して生活していくための一つの道具に過ぎません。絶対に守らなければならないものでもなく、また廃止してしまえばよいというものでもありません。それを決めるのは私たちです。決めるためには、年金の本質と仕組みを知らなければなりません。
2005年3月に始まった本コーナー(新聞連載)は、そんな思いで続けてきましたが、本日でいったん終了となります。10年以上に渡るご愛読まことにありがとうございました。またいつかお目にかかれる日を楽しみにしています。