年金ふわふわ

年金についての執筆やセミナー講師を生業とするFP・社労士が
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公務員の年金どう変わる?

2015年04月30日 | 新聞連載記事
今年10月、共済年金が廃止され、公務員と会社員の年金は厚生年金に一元化(統合)されます。国がいうその目的は、給与が同じであれば同じ保険料を負担し、同じ年金額を受給するという公平性を確保するとともに、年金財政の安定性を高めるため…とのことです。

これまで公務員は共済年金に加入し、老後は退職共済年金を受給していました。公務員を退職した後、民間会社に勤めて厚生年金に加入した場合は、その期間については別途、老齢厚生年金を受給していました。

共済年金と厚生年金はいずれも、加入中の給与(報酬)の一定率を保険料として負担し、給与の平均額と加入期間に応じた年金額を受給する、報酬比例の年金です。一元化されても、公務員の年金の基本的な仕組みは変わりません。

今年10月から公務員は厚生年金の加入者となり、10月以降は厚生年金の加入期間となります。また、9月以前の公務員期間は厚生年金の加入期間とみなされます。一元化後も各共済組合は存続し、公務員に関する厚生年金の適用と給付を受け持ちます。10月以降に受給年齢に達する公務員は老齢厚生年金を受給しますが、その年金は国ではなく共済組合から受給します。

公務員と会社員の加入期間がある人は、同じ厚生年金でも異なる種別の加入者とされ、老齢厚生年金は加入者の種別期間ごとに支給されます。公務員期間については共済組合から、会社員期間については国から、別々の老齢厚生年金を受け取ることになるのです。

1号加入者の免除と年金額

2015年04月23日 | 新聞連載記事
非正規労働者や自営業者など、国民年金の1号加入者が保険料をある期間納めなかった場合、老齢基礎年金の年金額がどうなるか確認してみましょう。

20歳から60歳になるまでの40年間、保険料を納めたときの年金額は780,100円です(平成27年度の年額、以下同じ)。これがいわゆる満額です。

この40年のうち、保険料を納めなかった未納期間が5年あると、年金額は10万円ほど少なくなって682,600円になります。1号加入者は保険料免除制度を利用できます。この5年間(平成21年4月以降とする)が全額免除であったとすると、年金額は731,300円です。

未納も全額免除も、保険料を納めなかったことは同じ。それなのに免除を受けた方が未納より年金額が多いのは、基礎年金の2分の1(平成21年3月以前は3分の1)が税金でまかなわれており、税金分の年金額が支給されるからです。

免除は本来、1号加入者が受給権を確保するための制度といえますが、年金額でも未納よりメリットがあるのです。なお、所得基準によって一部免除とされた場合は、免除されなかった部分の保険料を納めないと、税金分の年金額も支給されません。

経済的理由による免除は申請手続きが必要です。また、過去10年以内の免除期間は、保険料を追納できます。この例の5年の免除期間を全て追納すれば、年金額は満額の780,100円になります。

被用者年金一元化・その17

2015年04月21日 | 被用者年金一元化
被用者年金一元化に伴う共済法・厚年法の改正事項を、アトランダムに取り上げています。ほんとにアトランダムでごめんなさいね。

ある公務員さんがいるとします。他の共済、厚年の加入期間はありません。ずっと一つの公務員共済組合員の人です。
この人は一元化前に65歳に達し、65歳前の組合員期間(A)に基づく退職共済の受給権を得ました。その後も継続して組合員であり続けました。65歳以後の組合員なんかいないだろうとは言わないでくださいね。あくまでも一元化を考えるための仮定の話です。

65歳から一元化までの期間を(B)とし、一元化から退職までの期間を(C)とします。

さてさて。この(B)と(C)の期間は、どういう年金で、どのように支給されるのでしょうか?

(1)退職時に、(A)に基づく退職共済に(B)と(C)が付け加わる。

(2)一元化時に、(A)に基づく退職共済に(B)が付け加わる。(C)については一元化から1月経過後、1月の期間に基づく老齢厚生の受給権が発生し、退職時に、その後の(C)が付け加わる。

(3)一元化時に、(B)に基づく老齢厚生の受給権が発生する。退職時に、(B)に基づく老齢厚生に(C)が付け加わる。

(4)その他

その他は、1~3以外のお考えがあれば、ぜひお聞かくださいということです。う~ん、どうなんでしょう??

国民年金保険料の免除制度

2015年04月16日 | 新聞連載記事
厚生年金の保険料は月給や賞与の「一定率」。保険料が給与の額を超えることはないので、保険料が払えないということはないはずです。あくまでも理屈からいえば、です。私も事業主のはしくれですから、社会保険料負担が重いことは承知しております。

また、厚生年金保険料の納付義務者は事業主、つまり「会社」。加入者は給与を受け取る前に保険料を天引きされるので、未納となることはありません。あくまでも理屈からいえば。

一方、非正規で働いている人や自営業の人など、国民年金1号加入者は、「定額」の保険料を「自分」で納付します。病気によって働けず、収入がなくても保険料を納めなければなりません。納めないと将来の年金額が少なくなり、ときには年金が受給できなくなります。

強制的に加入者とされ、収入の有無にかかわらず定額の保険料納付を義務付けられた1号が、本人の責任でなく無年金に陥ることを防ぐのが「免除制度」です。

生活保護を受けている人、障害基礎年金を受給している人などは、法律上当然に免除されます(法定免除)。経済的に納付が難しい人は、申請により、所得基準に該当すれば保険料の全額、4分の3、半額、4分の1が免除されます(申請免除)。

免除期間は年金を受給するために必要とされる期間に含まれます。老齢年金の受給資格期間、障害・遺族年金の保険料納付要件においては、納付済期間と同じ力を持っている。これが免除の最大の効果です。

年金額については、障害基礎年金と遺族基礎年金は免除中であっても、また過去に免除期間があっても影響はありません。老齢基礎年金は、免除期間と免除割合に応じて年金額が少なくなります。

過去10年以内の免除期間は、保険料を追納することができます。追納すれば、その期間に基づく年金は通常額です。追納は、老齢基礎年金額を本来の額に戻すためということですね。なお、3年度以前にある免除期間の追納額は、当時の保険料額に利息相当額が上乗せされます。

腰が…

2015年04月13日 | コーヒーブレイク
昨日は「年金スキルアップ研修in東京」。今回も熱心な皆さまにお集まりいただき、中身の濃い勉強ができました。ご出席の皆さまお疲れさまでした。

昨日はご存知のとおり、東京のJR線は事故で混乱。私も東京駅から山手線で秋葉原、中央総武線(というのですか?)に乗り換えて、会場がある浅草橋に行く予定だったのですが、ちょうどその神田~秋葉原間で事故不通。あわてて代わりの足を検索し、東京駅から総武本線で馬喰町まで行って、少し歩いて会場に到着しました。

受講者の皆さんは大丈夫かしらと心配しましたが、全員、無事ご出席いただきました。なんだかんだといっても東京は、代わりの交通手段がいっぱいあるのですね。

昨日のテーマは「スライド」だったのですが、テレビの取材が入りました。ある情報番組で近々マクロ経済スライドを取り上げるとかで、その関連取材だそうです。撮影はしていきましたが、実際に放映されるかどうかはわかりません。

今日は腰が重いです。伸ばすとグギッ!ときそうな感じ。年相応にこわごわ腰をかがめて歩いています。