年金額のスライド改定その2は「なぜ賃金スライドできるのか」です。
民間保険の個人年金やDCなどの企業年金には、公的年金の賃金スライドに相当する仕組みはありません…たぶん…ないっすよね。
個人年金や企業年金は「事前積み立て方式」の年金です。ごく単純にいうと、将来自分がもらう年金額を先に決め、それに必要なお金を自分で保険料として積み立てるわけです。現役世代の平均賃金や物価がこの先どう動くかなんて誰にも分りません。そんな不確定な要素を組み込みにくい仕組みなのでしょう。
これに対して公的年金は「賦課方式」の年金です。今年は全受給者…まあ、おおむね高齢者のことですが…に対して総額〇〇円の年金を支給しなければならない。それを今年の加入者つまり現役世代に「保険料として払ってくださいね」と賦課しちゃう仕組みです。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/2f/91/3cf5f50d9765ff29d984f9ec9766bb62.png)
たとえば平均賃金が10%上昇すると、すべての受給者の年金額が賃金スライドによって10%引き上げられ、支給総額が10%増えます。でも大丈夫。それを現役世代に賦課すればよいのです。「去年より保険料10%多く払ってね」と。ひどい仕組み?
いえいえ。このとき現役世代の保険料負担は増えません。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/4d/f8/8c819b5771acc550e7ade8d44ada26f2.png)
年金額はなぜ10%増えたのでしょう。現役世代の平均賃金が10%上がったからです。国民年金も同じことですが、より分かりやすいので厚生年金をイメージしてください。厚生年金の保険料は給与…厚生年金においては報酬といいますが…に保険料率を掛けた額。たとえば今だと18.3%です。平均賃金が10%上がったということは、全加入者の賃金総額が10%増えたということです。であれば、それまでと同じ保険料率で保険料総額が10%増えます。これにより、すべての受給者の年金額を10%引き上げることができます。
保険料「率」が上がると、それは保険料負担の増加です。でもこの場合、保険料率は上がっていません。保険料「額」は10%増えていますが、それは賃金が10%増えたからです。保険料負担を増やさず年金額を賃金スライドできる。まあなんというすばらしい仕組みでしょうか。![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/hiyo_en2.gif)
ただし、これには条件があります。「受給者数と加入者数の比率が一定であれば」という条件付きの話です。ここに少子高齢化が影響します。それはまた次回で。
民間保険の個人年金やDCなどの企業年金には、公的年金の賃金スライドに相当する仕組みはありません…たぶん…ないっすよね。
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これに対して公的年金は「賦課方式」の年金です。今年は全受給者…まあ、おおむね高齢者のことですが…に対して総額〇〇円の年金を支給しなければならない。それを今年の加入者つまり現役世代に「保険料として払ってくださいね」と賦課しちゃう仕組みです。
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たとえば平均賃金が10%上昇すると、すべての受給者の年金額が賃金スライドによって10%引き上げられ、支給総額が10%増えます。でも大丈夫。それを現役世代に賦課すればよいのです。「去年より保険料10%多く払ってね」と。ひどい仕組み?
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年金額はなぜ10%増えたのでしょう。現役世代の平均賃金が10%上がったからです。国民年金も同じことですが、より分かりやすいので厚生年金をイメージしてください。厚生年金の保険料は給与…厚生年金においては報酬といいますが…に保険料率を掛けた額。たとえば今だと18.3%です。平均賃金が10%上がったということは、全加入者の賃金総額が10%増えたということです。であれば、それまでと同じ保険料率で保険料総額が10%増えます。これにより、すべての受給者の年金額を10%引き上げることができます。
保険料「率」が上がると、それは保険料負担の増加です。でもこの場合、保険料率は上がっていません。保険料「額」は10%増えていますが、それは賃金が10%増えたからです。保険料負担を増やさず年金額を賃金スライドできる。まあなんというすばらしい仕組みでしょうか。
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ただし、これには条件があります。「受給者数と加入者数の比率が一定であれば」という条件付きの話です。ここに少子高齢化が影響します。それはまた次回で。