年金ふわふわ

年金についての執筆やセミナー講師を生業とするFP・社労士が
風の吹くまま気の向くまま 日々の出来事をつづる

3号の特例届出

2010年03月20日 | 年金相談あれこれ
本日もフィクションです。

ある男性の60代前半の老齢厚生年金の裁定請求手続きをすることになりました。この方は、日本に帰化された方です。帰化前の無年金だった期間がカラになって受発するのですが、加入期間があんまり長くないので、年金額はそう多くありません。

それはさておき、この方の奥さんですが、旦那さんが初めて厚生年金に加入した以降、10年以上ずっと3号という記録になっています。あたりまえじゃんと思われるでしょうが、その間、夫は10回近く転職をしておりまして、しかも退職から再就職までの間が、すべて数カ月の空白期間があるのですよ。まあ、見事に。

もう、おわかりですね。本来であれば、夫が転職をするたびに、夫は2号→1号→2号、妻は3号→1号→3号という手続きをすべきものを、いっさいほってあったわけです。

夫はまあいいとして、問題は奥さん。3号の特例届出をしないと、ほとんどの3号期間が未納となってしまいます。で、3号特例届出をするのですが、そのためには10カ所近くの夫の昔の勤め先に証明をもらわなくてはいけない。1~2カ所ならまだしも、う~ん10カ所もかあ…

…と困っていたら、そのうちの8カ所は政管健保で、奥さんが被扶養者であった記録があったので会社の証明はいらないとのこと。ああ、やれやれ。残る2カ所の組合健保の会社に証明をもらえば、なんとかキレイにできそう。

いやはや

2010年03月15日 | 年金相談あれこれ
久々のフィクションです。

あるご高齢の女性が、「結婚前に勤めていた会社での厚生年金加入記録が1カ月しかない。私はこの会社に3年ぐらい勤めていたのにぃ!?」といって相談にみえました。今から40年以上前の話です。

その方、何も持たずに相談に来たので、社保へ行って記録を確認したら、確かに1カ月。その方は「3年ほど勤めて、その間(健康)保険証を使って、どこそこの目医者に通っていた」とも言っておられて、あながち勘違いとも思えないんですが。

これ、第三者委員会ですね。ただし、こういう問題で第三者委員会が「あっせん」を出してくれるには、勤めていたかどうかが問題ではなく、その間の厚生年金保険料が本人の給料から天引きされていたかどうかで決まっちゃいますので、申し立ててもまあ難しいでしょうねえ。

それは、さておき。この方が勤めていた問題の会社。洋品の卸と小売の会社で、今も商売をやっているんですが、当時の会社名は『小林三郎商店』(仮名)という、いかにも古臭い名前。ところが、その後社名が変わりまして、現在は『サブロー』(仮名)というカタカナ名になっております。

で、この『サブロー』。なんと、ウチの家人ご用達の店で、私も荷物持ちで何回か行ったことがある店なんですよ。な~んだ、あのサブローか、って感じ。世の中狭いですねえ。

国民年金保険料事後納付制度

2010年03月10日 | 年金ワンポイント
国民年金の保険料は、2年経つと時効によって納めることができなくなります。これを、「10年以内のものだったら納めることができるようにしよう」という法律(年金改善法案)が、間もなく国会に上程されます。なお、施行は1~2年後。

たとえば、老齢年金を受けるには、2号・3号期間を含む国年納付済期間が25年以上いります。60歳時点で25年ない人は、65歳になるまで任意加入することができ、さらに65歳になってなお25年に満たない人は、70歳になるまで(特例)任意加入することもできます。

ただ、任意加入の場合は1カ月ずつしか期間は伸びていきません。これに対して、今回の事後納付の場合は、もし10年以内に未納期間があったら、それをど~んと納めていっぺんに期間を作ることができるわけです。また、この事後納付は、すでに25年はあって年金自体は受給できるけど満額ではない…という人が年金額を増やす目的でも利用できます。ただし、この場合は65歳になるまでですが。

このようにして、年金がもらえるようになったり、年金額を増やすことができるようになるわけですが、良い悪いは別にして社会保険方式、つまり加入者たるべきときに保険料を負担することによって受給権が決まり、その期間に基づいて年金額が決まるという、原理原則に反することになりませんかね?

保険料はいま払わんでも、この先10年以内に払えばええんじゃ…なんて空気が広がることにでもなったら、それってどうよって感じ。事後納付を利用することによって受給権が得られる、他に方法がない…という人だけに限ったらイカンのかしら。

厚年未納期間と第三者委員会

2010年03月04日 | 年金ワンポイント
2/22&25の「厚年未納期間」の続きです。厚年未納期間って何やねんという人は、2/22と2/25の記事を読んでね。

この期間を「年金給付につながる加入期間に訂正してくれ」と、第三者委員会に申し立てたとします。とくに、今回の場合は、加入届出が遅れたことを会社が認めているんだから、申し立てが認められるかというと、たぶん難しいでしょうねえ。

厚生年金の加入期間について、たとえば記録上は○○年10月からになっているものを、実際には3月から勤めていたんだから、3月から加入ということに訂正するかどうかの判断基準は、その3月~9月についての保険料が本人の給与から天引きされていたかどうか、という一点にかかっています。

第三者委員会は、たとえ3月から勤めていたことが事実であろうがなかろうが、またその人が3月から法律上加入者とされるべき人であろうがなかろうが、さらには会社が認めていようがいまいが、すべては「本人の給与から保険料が天引きされていたかどうか」で判断するのよ。

これは、わたしゃおかしいと思うのですがね。私はまったく逆に思います。3月から勤めていたことが事実であったら、また法律上加入者とされるべき人であったら、加入届出が遅れていようがいまいが、また保険料が天引きされていようがいまいが、記録を訂正し給付につなげるべきだと思います。

それが当然だと思うんですが、残念ながら現実はそうはいかない。

ひょっとして…?

2010年03月03日 | コーヒーブレイク
わたしってば、ひょっとして本格的にボケ始めてる?

またもや携帯忘れた。以前は忘れたことなどなかったのに、ついこないだに続けて昨日も忘れた。その前日には、自分の家を間違えたし。

マンションという名のアパートに帰って鍵を開けようとしたら、鍵は入ったけど回らない。んん? おかしいなあ…とガチャガチャやっても開かない。ピンポン押したら「どちらさまですか?」と女性の声。何気どった声出してんだよ、「わたし、わたし」と…

そこでフと気が付いた。1階上の部屋じゃん。ウチじゃないじゃん。あわてて逃げた。

やばいなあ。もともとボケてることは認めるけど、これはちょっと病的ではないかえ? マズいんではないかえ?と。