公的年金の年金額は、67歳までは現役世代の平均賃金の動きに応じて「賃金スライド」され、68歳からは物価の動きに応じて「物価スライド」されます。
賃金上昇は物価上昇を上回るという前提からいうと、68歳以上の者の年金額の引き上げは、67歳以下の者の引き上げを下回ります。
たとえば、2005年度(平成17年度)の年金額は、67歳以下の者は0.3%引き上げられましたが、68歳以上の者は前年度額に据え置かれました。
2004年(平成16年)の改正で導入されたこの仕組みを、「賃金スライドの凍結」といいます。少子高齢化の下で年金制度を維持するために導入されたもので、現役世代の保険料負担が増えることから、受給者世代も年金額の引き上げを少し辛抱してください、というわけです。
最近はデフレで、賃金と物価が前提と逆の動きをすることがあります。09年度(平成21年度)の年金額のスライドに反映される賃金は0.9%の上昇ですが、物価はこれを上回る1.4%の上昇でした。
これを単純に当てはめると、67歳以下の者の年金額は0.9%の引き上げ、68歳以上の者はそれを上回る1.4%の引き上げです。これでは「賃金スライドの凍結」のねらいと逆の結果となるので、この年は68歳以上の者も、物価より低い賃金に応じた0.9%の引き上げとされました。
なお、以上は「本来水準」の年金額についてのことです。04年(平成16年)改正以後、実際に支給されてきたのは、本来水準を上回る「特例水準」の年金額です。特例水準の年金額は、05年度も09年度も前年度額と同額でしたが、特例水準は本年度で廃止されます。
来年度からは本来水準の年金額が支給されます。賃金や物価の動きに応じてスライドされ、さらにマクロ経済スライドでその引き上げが抑制されます。
賃金上昇は物価上昇を上回るという前提からいうと、68歳以上の者の年金額の引き上げは、67歳以下の者の引き上げを下回ります。
たとえば、2005年度(平成17年度)の年金額は、67歳以下の者は0.3%引き上げられましたが、68歳以上の者は前年度額に据え置かれました。
2004年(平成16年)の改正で導入されたこの仕組みを、「賃金スライドの凍結」といいます。少子高齢化の下で年金制度を維持するために導入されたもので、現役世代の保険料負担が増えることから、受給者世代も年金額の引き上げを少し辛抱してください、というわけです。
最近はデフレで、賃金と物価が前提と逆の動きをすることがあります。09年度(平成21年度)の年金額のスライドに反映される賃金は0.9%の上昇ですが、物価はこれを上回る1.4%の上昇でした。
これを単純に当てはめると、67歳以下の者の年金額は0.9%の引き上げ、68歳以上の者はそれを上回る1.4%の引き上げです。これでは「賃金スライドの凍結」のねらいと逆の結果となるので、この年は68歳以上の者も、物価より低い賃金に応じた0.9%の引き上げとされました。
なお、以上は「本来水準」の年金額についてのことです。04年(平成16年)改正以後、実際に支給されてきたのは、本来水準を上回る「特例水準」の年金額です。特例水準の年金額は、05年度も09年度も前年度額と同額でしたが、特例水準は本年度で廃止されます。
来年度からは本来水準の年金額が支給されます。賃金や物価の動きに応じてスライドされ、さらにマクロ経済スライドでその引き上げが抑制されます。