ヘコまされた被害者&その家族を盛り上げる委員会弁護士の日記

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医療過誤事件の難しさ

2014年05月31日 06時27分43秒 | 相続
 昨日は,ある公立大学の医学部付属病院で,左目に異物が入っているということで処置を受けたところ,快復不可能となって,結局,その日に,その左目の眼球摘出手術をされた人からの相談がありました。
 相談者としては,その手術へ移行する際の説明が不十分だったということで,その病院を訴えたいそうです。
 ところが,相談者が持参された,病院から開示された医療記録一式のなかには、手術およびそれに関連する医療行為への同意書があり,その同意書には,その相談者のサイン(署名)があったのです。このような場合,患者(相談者)は,医師から説明を聞いた上で納得して署名したとみなされるため,よほどのことがない限り,説明の不十分な点をとらえて病院の責任を追及することは困難です。
 そこで,仮に,最初の医師の処置にミスがあり,そのために,眼球を摘出せざるを得なくなったという事情があれば,病院の責任を追及できますと,相談者には説明しました。
 この件もそうですが,治療行為は密室で行われるために,事後の検証が難しく,そのため,医師や病院の責任も不明のままであることが多いのです。
 患者の立場からすると,すべて治療行為の可視化を法律で義務付けるようするしかないのでしょう。

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