昨日、興味深い記事が新聞に載っていた。”二重の指揮系統 混乱拍車”という見出し。
三菱重工の国産旅客機”スペースジェット”の話。自分には”MRJ”の方が分かりやすいが。
MRJは、2008年に事業化が決定し、当初予定では2013年に初号機が納入出来る計画だったらしい。
そうだったかな、もうそんなになるのか・・と素人でも既に過ぎ去った年月を思うよ。
だったら当事者たちの胸の内は?と思ってあげる。
新聞によると、スペースジェットの延期は今回で6度目だそうだ。私も延期のニュースを観るにつけ、今度こそは
大丈夫よね?これだけ遅れたんだもの、もう遅れられないよねと、その都度思ったことよ。
なんでも、遅れている原因は2つあって、
ひとつは組織の指揮系統の乱れだって。
簡単に言うと会長ラインと社長ラインがあって、夫々の指揮系統が並列する形と。そして意思疎通は停滞し
外国人エンジニアと日本人社員との情報共有不足と。
複数のスケジュールが提示され、かたや開発への楽観的な見通しで、こなたそれに対して業を煮やしたチーム。
それだけ読んでも『こりゃアカンわ』と思うよ。
三菱重工は組織が大き過ぎて、小回りは聞かない(と思う)。そして同じ会社なのに工場ごとの縄張り意識が
すごい(と思う)。多分”別の会社”位の意識なのでは無いだろうか。
同じ会社で張り合ってどうするんだろ?良いものを造りたいと言う思いは皆一緒じゃないの?
エンジニアなら尚更よ。自分の見栄や権力の為に飛行機を作る訳では無かろうに。
基本的に会長は出しゃ張らん方が良いよ。それでなくても今の会長は任期5年と言う不文律を破ってまで
6年社長を続けたんでしょ?いくら我が子可愛さでも、後の人に任せてあげないと、やり難くって仕方ないと
思うが。
はたから見たら、”未練たらしい会長”にしか見えない。トップは引き際が肝心。それで後の評価が変わる。
そしてもう一つの遅れた原因は技術的なハードルだそうだ。配線の設計変更の問題と。
航空業界ではテロ対策などを背景に基準が厳格化して行ってると。配線の再設計は飛行機の作り直しとほぼ同義
らしい。
しかしね、2017年~2019年の間だけで900件の設計変更があったと言うが、もし当初計画通りにモノ造りが
進んでいたら、2013年に初号機を出せていたら、その段階ではそんなややこしい話に巻き込まれずに済んだと
言うことでは無いの?と素人がえらそーに思います。
『型式証明』の審査に国交省の力不足も関係はしているらしいが。役人、しっかりせーよ!
そんなこんなで、いつ完成するか全く目途が立っていない状況みたいだ。
これ、政府のお金もつぎ込まれているんだよ。500億円も。政府のお金=国民の税金です。
勿論、三菱重工はもっとお金を使っているだろう。湯水のごとく?
日本株式会社と言われて来たほどの日本の超大企業だからこそやれるプロジェクトなのだろうが、考え甘くない?
と思ったりする。足元が見えてない。
関係者のお怒りを覚悟で言うと、ここまで人と時間とお金を掛けてまだ出来上がらないなんて、結局のところ
一言でいえば”実力が無かった”んじゃないの?と思えて仕方ない。
”否、そんなことないっ!!”と反論するならば、さっさと仕上げてみな。やりあげてみな。と言ってあげる。
ここまで頑張って来たんだもの、諦めずに良いものを早く造り上げてよ。私たちだって楽しみにしているんだよ、
国産のジェット機。
大体がモノ作りで納期遅れるなんて有り得ない。規模は違っても皆同じだ。大きい小さい簡単難しい。
内容は違っても遅れてはいけないと言うのはどれも同じのはず。納期守れない会社からは顧客は離れて行く。
もし、小物と一緒にするなと言うならば、それこそ奢りだと思うよ。
良いもの作って見惚れるだけじゃないよね?満足して終わりじゃないよね?出来上がって飾っておく訳じゃ
ないでしょ?売るんでしょ?相手居るんでしょ?そして会社儲けるんでしょ?それこそが最終の目標でしょ?
夢も大事。でもエンジニアは夢を現実にしなくっちゃ。それこそがエンジニアの矜持ってものじゃないのかな。