kouzi_2007~

発火村塾 established 2007

押井守と映像の魔術師たち

2010-07-17 14:24:20 | Weblog
天気が良くてもう夏!あがりっぱなしのテンションだが、展覧会を見に行った。
ここんちはタツノコだとか大河原だとかアニメの企画に力を入れているのはいいのだが、展覧会の内容が空虚で毎回がっかりさせらられる。今回も真夏にがっかりしに行った。

押井守監督の「鉄人28号」で使われたというタペストリーの前で。記者写す。めがねがゆがんでるなあ。俺。

美術館の能書きでは監督みずから熱心に監修したみたいなことを書いていたので、心の隅でもしかして期待を裏切ってくれるのでは、という思いもあった。
でも、まあ、想像どうりである。
だいたい、タイトルの魔術師たちがどの人たちなのかわからない。
あとは設定資料などの印刷物と作品関連の小道具や衣装などがただただ芸も無く並べてあるだけである。これではわざわざ見に行くほどのものではない。

リーフレットによるとどうやら、『押井監督と現場スタッフ(=映像の魔術師たち)による世界観の共有』これを実現するため作られた資料の各種を展示したかった様であるが、まったく伝わらないし。てかそのための設定資料なので、そのまんまじゃん、と全員思ったはずである。

恥ずかしながら俺は知らなかったのだがガルム戦記なるお蔵入りになった映画があるらしく、その資料も展示されていた。むしろこれを目玉にしてもっと多量の資料を展示すれば見所のある濃い展覧会になったのに。


良くなる要素はあった。押井氏がアマチュア時代に使った16mmカメラが無造作に展示されていたのだが、ここからドラマをひねり出して展示品に説得力を持たせることは出来なかったか?

ゴーストインザシェルのセル画が展示されていた。デジタルでの製作が当たり前の今日、皆、ほう、と思ったはずである。こういった驚きをアニメ、実写、CGと幅広く技術を使いこなしてきた押井氏の仕事を見せる切り口に出来なかったか?そう、切り口である。俺今いいことを言った。ただお行儀よく並べるだけじゃ、いまどきの目の肥えたアニメファンは納得できないので、八王子夢美術館の人はもっと勉強するべきである。「ならお前やってみろ!」というならやってあげてもいいので連絡するように。俺の回顧展をそろそろやってもいい頃だと思っているし。