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仕事から帰って俺のスペースコロニー(俺ISS)を覗き込む。今日はきゅうりを盗られていない。小振りの曲がったきゅうりがキュンキュンマイナスイオンを発している(様な気がする)。まだ若いナ、明日採ろう。と、思っていると盗られてしまうので今日は心を鬼にし、伊代はまだ十六のうちに食べちゃうことにする。
いちど部屋に戻って冷蔵庫からモルツを一本もって戻る。タブを開けるとプシュっという音がけっこう響いてびっくりする。
俺の伊予ちゃんは先っちょにはまだお花がついているし、肌にうっすらと粉を吹いてうぶ毛がチクチクしている。乱暴に手でちぎると汁が垂れた。
洗車用の水道で洗うとぱんぱんに充実した素肌が現れた。俺はぐいとモルツを飲んでから何もつけないで生でがぶりついた。期待したより青っぽい味がして旨いとはいえないが、歯ごたえがきつくギュンギュン締め付けてくる。あっとゆう間に食べ終わった。俺は残ったモルツを飲み干した。すでに温くなっていた。
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ヘタの部分をぽいと捨て、モルツの缶をさかさまにしてしずくを吸っていたら、通りがかりの知らないばあちゃんが話しかけてきた。「このメダカはあんたが飼っているのかい?」
俺はめんどくさかったが、そうですよ俺が飼っているんですよ。と答えると、ばあちゃんは「ここを通る度にメダカを見ていくんだよ。いいねえ。」と言ってズヴェズダを覗き込んでいる。そして「人間をあいてにするよりメダカのほうがずっといいねえ」と言う。じゃ俺に話しかけるんじゃねェババア。と思ったがばあちゃんは続けて「団地の人は他人の不幸が蜜の味だから云々カンヌン」と長い話を始めた。ばあちゃんはこんなアパートに住みたいと言った。ご近所との人間関係に疲れているらしい。だが俺はババアと同棲などまっぴらごめんなので、ゴキブリが出るだとか夏は珍走団がうるさいだとか棺桶が入らないからと言ってやんわりと断った。
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俺ISSに曝露パレットを増設して睡蓮を沈めた。ズヴェズダのホテイ草を移した。根に卵がついているので、ここで産まれた赤ちゃんは大人に食べられないですむ。じきに曝露パレットはガキ帝国になる。