kouzi_2007~

発火村塾 established 2007

ゴジラ対エヴァノートととと姉ちゃんぽい万年筆

2016-07-04 08:10:50 | 連続小説


ゴジラ対エヴァノートととと姉ちゃんぽい万年筆

 
とと姉ちゃんぽい万年筆買った。プラチナ スタンダード 18k。国産万年筆くらい新品買えよ、とおっしゃるかもしれないが、中古。
ネットを巡回中におっ!とと姉ちゃん!安い!と思ってついポチってしまった。

実際テレビに映っているのは、コレじゃなくって、プラチナ バランスという製品名でペン先は単なる金メッキの虚飾を拝した実用モデル。実売価格三千円くらいだといいます。現行品だそうで、ドラマの時代設定とはちょっとずれるが、OPとEDに”写真はイメージです”的に映っているだけなので無問題。

俺の18金ペンスタンダードだが、届いてみたらほぼ新品だった。真っ黒ボディに金のリングがピッカピカだが、年寄り臭いなにかを有している。
なんか線香臭いなあ、と思ってじっと見ると、お仏壇だ!お仏壇のイメージだ!とと姉ちゃんの万年筆はボデイ色がブルーなのでまだ良いが、黒はお仏壇ぽいです。EDは視聴者様のお写真が映し出されるので仏壇イメージの万年筆じゃアレなのでブルーを選んだのかな?




日本むかしばなし お尻を出した子一等賞。

2016-02-26 08:58:38 | 連続小説
むかしむかし、ある村に大阪のオカンとJKが住んでいました。

大阪のオカンがJKに言いました。「あそこを歩いている露出狂にパンツを穿かせたほうの勝ちとしよう」
JK「おk」

大阪のオカンは露出狂を捕まえて言いました。「あんた!なんでパンツぬいどるの!はよ穿き!」露出狂はびっくりしました。「なっ!なに勝手に入ってくるんだよ!ノックしろって言ってんだろくそばばあ!」「あんた、お父ちゃんの若いころそっくりになってきたなあ。あんたが出来たときのお父ちゃんもそんなやったんで」「ウゼえよババアア!」露出狂は反抗期になってカイロレン状態。ますます手が付けられなくなりました。

JKはスマホをかざして言いました。「ちょ、マジうける。うpするから出して。」露出狂はびっくりしました。「なんで勝手に撮ってんだよ!やめれ!やめれて!おねがいイヤ…」露出狂は泣きました。JKはオラつきました。「オラオラ出せってんだよ!うっわマジ無理きもいわー」JKはシャメ撮って裏垢でうpしました。瞬く間に炎上して露出狂は特定されてしまいました。インターネットで本名から住所からマイナンバーも卒アルの文集まで晒されて文字どおり素っ裸にされてしまったのです。「自分の価値が無くなってしまった。」そういってパンツを穿いた露出狂は、芸人になってテレビにでる様になったそうな。めでたしめでたし。




大宇宙の大怪魔 第三話

2015-02-14 09:36:34 | 連続小説
これまでのお話
第一話
第二話
ネタ元は小松左京「明日泥棒」です。タイトルは藤子不二雄の「ドラえもん」よりそのまんま拝借しました。その他いろいろ模倣です。ごめんなさい。


第三話
エヌ氏の十畳の居間兼応接間でにぎやかな酒宴がはじまった。その仙人めいた珍客は自らを旅人のゴエモンだと名乗った。
エム子はチーズやら生ハムやら冷凍の餃子などを出したが、ゴエモンは白い飯ばかりを食った。白飯をつまみにビールを飲むのである。エス子は高校生なので酒は飲めないが、注げば注ぐだけ飲み、また口一杯に白飯を搔きこむゴエモンが面白いらしく、「ゴエモンちゃんゴエモンちゃん」と言って積極的に酌をし、飯をよそった。息子のエル男は普段は引き篭もりで自室を出てこないのだが、今日はいっしょに酒を飲み、その有様を携帯端末を通してインターネットで実況した。ビールの買い置きを飲みつくしたのでエヌ氏はウイスキーを開けた。エム子は飯をまた五合炊くことになった。
ゴエモンは顔中のヒゲで表情こそは解らなかったが、禿げ頭が血行良く火照りだしていた。
「あはは。頭、テラッテラだよ!」
エス子が気安く禿げを撫でると、ゴエモンはフゴーと猛烈な音を立てて鼻から息を噴出した。エル男は爆笑しながら携帯端末で写真を撮る。
「予言を授ける!」
ゴエモンは立ち上がった。全身を力ませながら仰け反り、禿げ頭は真っ赤に充血して血管が浮き出ている。ヒゲの下から鼻の穴を露出させシュウシュウと湯気を噴き出す。その異様な様に一瞬、全員が息を呑んだが、エヌ氏が笑い始めた。
「さっきの電車も何も無かったじゃないですか!あはははは。」
それをきっかけに爆笑が起こり、エス子が笑いながら禿げをポンポンと叩いた。
「極楽を見よ!」
そう叫んでゴエモンは大きなクシャミをした。途方も無く大きなクシャミで、大量の鼻水を吹き出した。
エス子は「ギャッ!」と言って避けたが間に合わずその鼻水を浴びてしまった。「ぎぇええええ!」と叫び半狂乱になる娘にエム子は駆け寄り、ティッシュペーパーで不浄を拭った。何枚も何枚もティッシュペーパーを引っ張り出して拭ったが拭いきれず、エム子の手のひらからあふれて垂れて落ちるほどである。エヌ氏はエム子を押しのけエス子を抱きかかえて風呂場に連れて行きシャワーの湯で娘が浴びた粘性の液体を洗い流した。そのあいだエル男は夢中で写真を撮り、実況を続けた。ゴエモンは力尽きたようにフニャりと倒れ、自らも鼻水にまみれたまま、寝てしまったのである。





大宇宙の大怪魔 第二話

2015-02-14 09:22:27 | 連続小説
これまでのお話
第一話


第二話
電話はエヌ氏からであった。
「今から仙人様を連れてく。お酒となにかおつまみを用意しておいてくれ。」
「仙人様?仙人様ってどなた様なの?え?なに?・・・!?」

果たしてエヌ氏は珍妙な老人を連れて帰ってきた。白髪で両眉と鼻ヒゲと顎ヒゲがつながって耳の穴からも毛が出ている。ヒゲだらけで顔がまったく見えなかったが、頭の天辺は禿げあがって見事な光沢があった。大層な厚着で、毛糸のセーターの上に厚手の生地のジャケットを着て前ボタンを全部留めている。その上に女物の着物をすそを引きずりながら羽織り、半ズボンで黒いニーソックスを履き、靴はくたびれたローファーである。そのうえパンパンに膨れた大きな紙袋を両手に抱えているのだ。
出迎えたエス子とエム子は仰天した。どう対応して良いのかわからないし、むしろ関わりたくないと思った。だが、エヌ氏がどうぞどうぞとスリッパを差し出すと、エヌ氏、エス子、エム子と順番に時代劇のような大袈裟なお辞儀をしてスリッパを使い、上がりかまちでいちど振り返り脱いだ履物をそろえ、向き直って「お頼み申す」と一礼したその堂々とした態度に気圧され、つくり笑いで迎えてしまったのである。


大宇宙の第怪魔 第一話

2015-02-11 11:07:19 | 連続小説
エヌ氏は電車を待っていた。ホームの時計をみて、腕時計でも確認した。あと2分で快速が来る。上り方面の線路の先をみつめる。
「もしもし」背後から声をかけられエヌ氏はふりむいた。そこにはみすぼらしい服を着て両手にたくさんの荷物をぶら下げた小柄な老人が立っていた。
「次の電車に乗るのはよしなさい。」
白髪で眉もヒゲも長く伸び、耳の穴からも白い毛が豪快に出ている。
エヌ氏は老人の真意をはかろうとしてその目をのぞきこんだ。厚い眉毛の下のその目は、開いているのか閉じているのか、それほどに細い。
「遠回りが吉であることもあるのだ。」
老人の口元は奔放なヒゲだけが上下して声を発しているかの様だ。エヌ氏はなぜ無視しなかったのかと後悔したが、もはや手遅れである。
「たとえば・・・事故とか?」
老人はなにも答えなかった。エヌ氏は平静さを失った。目玉がキョロキョロ動き、冷たい汗が噴きだし体が硬直した。足が、足が動かない。脳内でいくつものパルスが交錯して目の前がチカチカした。眩い光が近づいて来る。電車だ。電車が到着したのだ。突然警笛が鳴り轟いた。エヌ氏は腰を抜かしよろめき尻餅をついた。



エヌ氏の妻エス子はテレビを見ていた。息子と娘は先に夕食を済ませ、息子は自室に入り、娘はエス子と共にテレビを見ていた。固定電話のベルが鳴る。エス子と娘は顔を見合わせた。エス子が手のひらを軽くあげて娘を制して立ち上がり受話器を取った。
「こちらは世界平和推進協会の者でございます。いま世界は未曾有の危機に直面しております。戦争、環境破壊、差別や貧富の差、その他解決の難しいさまざまな問題がございます。当協会ではキャンペーンを行い寄付をつのっております。特典といたしましては通常の半額から寄付を受け付けてございます。便利なコンビニ払いもご利用いただけま」
エス子は電話を切った。心配そうな顔の娘に笑顔を作ってみせた。
「勧誘だったわ」
「そう・・・お父さん遅いわね。」
その瞬間、また電話が鳴った。エス子はさっき作った笑顔をおどけた表情変えてみせ、受話器を取った。