それで、私がバイオリンレッスンに遅れそうになった原因(電車降りそこない…)は、表題の本なんだけど。
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←ゴミは集積所に捨ててそこで終わりじゃないのだ
これは、清掃作業員、つまり、ゴミ収集車に乗っている人が書いた本。その仕事についた成り行き、その仕事のきつさ(悪臭、危険含む)、その仕事についている人々の様子、お役所の体質、ゴミの問題、住民の意識、妻となる人の意識にいたるまで、詳細に赤裸々に語られている。
この仕事、絶対必要とされていることは明らかで、しかも非常にきつい仕事であることも容易に想像できるわけで、ならその仕事に従事している人がどう見られているかというと…??
結婚するといえば相手の親に反対され、道端の子どもたちにも蔑まれ、なにより作業員たち自身が自分たちのことを、あるいは仕事を、卑下している様子が身も蓋もなく描写されているのだけれど、特にやはり、自分たちが自嘲的気分に陥っているところがとても読んでいてつらい部分である。
たとえば、自分のことを、そのうち事務職に移らせてもらうつもりの仮の姿、ほかの作業員とは違うんです、という気持ちをこめて他作業員を「ゴミ屋だからしょうがない」みたいに侮蔑したり、あるいは自分は運転手をするから助手とは違う、というように作業員内部の階級差にしがみついたり。
著者は、そういった状況に疑問を感じつつも、作業も下手で、雰囲気的にも浮いており、事態をよくするために何ができるでもなく、肉体的にも精神的にも、もみくちゃになりながら、そして何度も「やめてやる」と思いながら結局その仕事を長く続けることになる。
その中で、ときどきはよい上司が回ってきて、作業環境の改善、安全性の向上、職場のコミュニケーションも良好になりかかるのだけれど、それが「心無い」異動で水泡に帰していく様子がまたまた非常につらい、もったいない。
まぁ役所の異動なんて「心無い」に決まってるんだけど、特に、劇的な改善が見込めそうな課長-係長の組み合わせになったときに、通常の異動よりめちゃくちゃ早いタイミングで常識外れの「課長・係長をいっぺんに挿げ替える」という暴挙に出られたりしたときは、読んでいてもえーーーっと思ってしまったものだ。
これは、役所の側が民間委託の話を進めようとしているところ、課長以下作業員までのコミュニケーションが円滑でうまく団結されたら面倒だということで異例の人事をしたもので、そうやって上が取り除かれると、せっかくうまくいきかかっていた関係がほんとうに脆く崩れていくのだ。
日々、使えるもの、食べられるものが大量に捨てられていく状況も「もったいない」。
生産的な職場になりかかっているものが、政治的理由(?)でつぶされる状況も「もったいない」。
この本はほんとうに、「もったいない」の塊なのだ。どこをどうとっても。
でもそんな状況の中で翻弄されながらも、著者が徐々にいろいろなことを学び、住民と協調してゴミ資源化(減量)に尽力したり、心ある同僚と団結して交渉したり、徐々に前向きに仕事と向き合えるようになってきて、そして自分と、自分の仕事に対するイメージも少しずつ上向いてくる。
その様子にじんとくる。機会があったらぜひ読んでみて!! この日本という国のあり方を考えるときには外せない一冊ですよ(大きく出たな)。
(著者は、大学を出たあと映画の仕事をしたくて四年ほど…そして芽が出ず挫折して清掃作業員になった人。だからなおのこと作業員の中で浮きやすかったということがあるわけだけど、こうやって語るべき言葉を持つ人が、この仕事をしたからこそ生まれた佳作である)
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これは、清掃作業員、つまり、ゴミ収集車に乗っている人が書いた本。その仕事についた成り行き、その仕事のきつさ(悪臭、危険含む)、その仕事についている人々の様子、お役所の体質、ゴミの問題、住民の意識、妻となる人の意識にいたるまで、詳細に赤裸々に語られている。
この仕事、絶対必要とされていることは明らかで、しかも非常にきつい仕事であることも容易に想像できるわけで、ならその仕事に従事している人がどう見られているかというと…??
結婚するといえば相手の親に反対され、道端の子どもたちにも蔑まれ、なにより作業員たち自身が自分たちのことを、あるいは仕事を、卑下している様子が身も蓋もなく描写されているのだけれど、特にやはり、自分たちが自嘲的気分に陥っているところがとても読んでいてつらい部分である。
たとえば、自分のことを、そのうち事務職に移らせてもらうつもりの仮の姿、ほかの作業員とは違うんです、という気持ちをこめて他作業員を「ゴミ屋だからしょうがない」みたいに侮蔑したり、あるいは自分は運転手をするから助手とは違う、というように作業員内部の階級差にしがみついたり。
著者は、そういった状況に疑問を感じつつも、作業も下手で、雰囲気的にも浮いており、事態をよくするために何ができるでもなく、肉体的にも精神的にも、もみくちゃになりながら、そして何度も「やめてやる」と思いながら結局その仕事を長く続けることになる。
その中で、ときどきはよい上司が回ってきて、作業環境の改善、安全性の向上、職場のコミュニケーションも良好になりかかるのだけれど、それが「心無い」異動で水泡に帰していく様子がまたまた非常につらい、もったいない。
まぁ役所の異動なんて「心無い」に決まってるんだけど、特に、劇的な改善が見込めそうな課長-係長の組み合わせになったときに、通常の異動よりめちゃくちゃ早いタイミングで常識外れの「課長・係長をいっぺんに挿げ替える」という暴挙に出られたりしたときは、読んでいてもえーーーっと思ってしまったものだ。
これは、役所の側が民間委託の話を進めようとしているところ、課長以下作業員までのコミュニケーションが円滑でうまく団結されたら面倒だということで異例の人事をしたもので、そうやって上が取り除かれると、せっかくうまくいきかかっていた関係がほんとうに脆く崩れていくのだ。
日々、使えるもの、食べられるものが大量に捨てられていく状況も「もったいない」。
生産的な職場になりかかっているものが、政治的理由(?)でつぶされる状況も「もったいない」。
この本はほんとうに、「もったいない」の塊なのだ。どこをどうとっても。
でもそんな状況の中で翻弄されながらも、著者が徐々にいろいろなことを学び、住民と協調してゴミ資源化(減量)に尽力したり、心ある同僚と団結して交渉したり、徐々に前向きに仕事と向き合えるようになってきて、そして自分と、自分の仕事に対するイメージも少しずつ上向いてくる。
その様子にじんとくる。機会があったらぜひ読んでみて!! この日本という国のあり方を考えるときには外せない一冊ですよ(大きく出たな)。
(著者は、大学を出たあと映画の仕事をしたくて四年ほど…そして芽が出ず挫折して清掃作業員になった人。だからなおのこと作業員の中で浮きやすかったということがあるわけだけど、こうやって語るべき言葉を持つ人が、この仕事をしたからこそ生まれた佳作である)
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こちらのブログや自分でもちょこっと書いたりするようになるまで、自分がここまで社会的なことに感心があるとは思ってませんでしたが、どうやらそんな感じのようで。
読んでみたいと思います。
少なくとも、ゴミを捨てるとき危なくないようにしようとか…
読んでいてやはりいちばんしんどいのは人と人の関係というか、差別の構造ですね。
ま、いろんな意味でお奨めです。
上にいる社員の人間が2人変わったら、「新体制になるので」とパート職員全員が解雇。
「また働きたい人は、現在 大量募集を行っているので、また履歴書を提出してそちらから応募して下さい」です。
かなり不当ではありますが、戦う気力を使うほどの会社ではないので私自身はもういいのですが、経済的に精神的にそうは思えない人ももちろんたくさんいます。
そんなわけで、パート アルバイトがたくさんいる職場(←そうでないと回らない職場)についてぐるぐる考えているこの頃です。
こちらの本、読んでみますね。
それにしても、
> また履歴書を提出してそちらから応募して下さい
変な話ですねぇ…会社が別の会社になるならともかく。
本当に久しぶりに自分の名を検索してみてトップにヒットしたものが、こんなにも私を元気付けてくれて、神様に贈り物を頂いた気分です。
16年も前に書いたものが、今も読んでくださる方がいて、しっかりとメッセージを受け取っていてくれて、改めて出版できて良かったなあと、感慨ひとしおです。
現在も現役で27年目の53歳です。
近年職場の縮小化・高齢化が進み意気が上がるどころか下がる一方で、昨年の猛暑もあり定年までもつかどうか不安というか嫌気がさしていました。
アンダンテさんに救って頂いきました。明日もゴミ収集作業に気持を新たに精を出します。
ありがとうございました。
この本を書かれてからもうそんな年月が経っているのですね。27年間!! 続けてこられたこと自体、ほんとうにすばらしいです。大変なことだったと思います…
この本を読んでから、ゴミを捨てるときに安全に気をつけたり、ものを買うときに「ほんとにいるかな??」と考えたり、「少し」してます。ほんの「少し」なので申し訳ないですけど。
ぜひ、定年まで続けられて、そしてできれば続編を書いていただければ、うれしく存じます。どうぞお体大切に。