父が亡くなって、もうずいぶんになる。
若いころ親父のようには生きない!親父のようにはなりたくない!と面と向かって暴言を吐いた自分がその頃の父の歳になって、
父と同じ職業を継いで、父のように生きたけど、とうとう父のようにはなれなかった。
あのときあなたは何故、あんな暴言を黙って聞いていたのだろう。
誰より喧嘩っぱやくて、すぐに怒りだす人間だったのに。
亡くなった夜に自分の幼い娘がそばに居るのも忘れて号泣しながら、あなたの巻き爪をニッパーで切りました。
僕が親孝行らしいことをしたのは、いつも巻き爪に苦しんでいたあなたの爪を切ってあげることくらいだった。
亡くなって5時間も経っていたのに、少しも冷たくなくていつもの大きな柔らかな足でした。
10本の巻き爪は相当に手強く、しばらく切ってあげていなかったことがいっそう涙を強くした。
切った爪は49日の納骨までティッシュに包んでいつも肌身につけていました。
お墓に骨を戻したとき、その爪もぱらぱらと土に還しました。
最後まで父の思いを分らないままの馬鹿な息子でした。
この日曜は前日までの雨が嘘のように上がり、久しぶりの梅雨の晴れ間だった。
一日を公園の緑に癒されて気持ちの良いまま、食事をとろうと繁華街で降りたとき、歩道の車止めに足を止めて一時間ちかくもかかって、すべてのシールを撮っていた。
剥がされても貼り直して、上から重ねられても又、貼り直して目立つ場所に必ずそれは貼られていた。
何年も経っているのもあれば真新しいのもある。
これを見た本人が万にひとつでも気づいて連絡をしてあげてほしいものだ。
若いころ親父のようには生きない!親父のようにはなりたくない!と面と向かって暴言を吐いた自分がその頃の父の歳になって、
父と同じ職業を継いで、父のように生きたけど、とうとう父のようにはなれなかった。
あのときあなたは何故、あんな暴言を黙って聞いていたのだろう。
誰より喧嘩っぱやくて、すぐに怒りだす人間だったのに。
亡くなった夜に自分の幼い娘がそばに居るのも忘れて号泣しながら、あなたの巻き爪をニッパーで切りました。
僕が親孝行らしいことをしたのは、いつも巻き爪に苦しんでいたあなたの爪を切ってあげることくらいだった。
亡くなって5時間も経っていたのに、少しも冷たくなくていつもの大きな柔らかな足でした。
10本の巻き爪は相当に手強く、しばらく切ってあげていなかったことがいっそう涙を強くした。
切った爪は49日の納骨までティッシュに包んでいつも肌身につけていました。
お墓に骨を戻したとき、その爪もぱらぱらと土に還しました。
最後まで父の思いを分らないままの馬鹿な息子でした。
この日曜は前日までの雨が嘘のように上がり、久しぶりの梅雨の晴れ間だった。
一日を公園の緑に癒されて気持ちの良いまま、食事をとろうと繁華街で降りたとき、歩道の車止めに足を止めて一時間ちかくもかかって、すべてのシールを撮っていた。
剥がされても貼り直して、上から重ねられても又、貼り直して目立つ場所に必ずそれは貼られていた。
何年も経っているのもあれば真新しいのもある。
これを見た本人が万にひとつでも気づいて連絡をしてあげてほしいものだ。