本日、快晴。

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酔いがさめたら、うちに帰ろう。【映画】

2010年12月20日 | 【映画】
漫画家 西原理恵子さんの家族の話。
何だか連続で映画化されていますが、
これを2日連続で観る、という贅沢をしました。
片方は劇場で、片方は試写会です。
こんな贅沢出来たの、あたし位だろう。超得した気分です。

そんな訳で1本め。
「酔いがさめたら、うち帰ろう。」は、
西原さんの元夫、鴨志田穣さんの著書を原作とした作品。

この方は、戦場カメラマン→アルコール依存症→腎臓癌と、
だいぶ波乱万丈な人生を送っていたようですが、
でもずっと一緒にいたのが西原さんと子供達だったようで。
鴨志田さんの人生の後半を、ご本人目線で描いているのが本作です。

離婚後、アルコール依存症がどうしようもなくなって、
病院への通院、そして強制施設入院中に腎臓癌が発覚し、その後闘病。
短い期間ではありますが、この流れが丁寧に描かれています。

本人目線だから、その時その時の心情が非常に繊細で、
鴨志田さんから見た元妻の西原さんと、
子供達の存在がかえがえのないものだったということが、
雰囲気で表現されている映画だと思います。

言葉は少ないんだけど、
空気感で伝わってくる愛情。

「俺達は家族だよ。」という長男君のセリフと、
「生きてる方がいいに決まってるよ。」という永作演じる西原さんのセリフ。
本当にさりげないんだけど、
鴨志田さんにとって、大事な言葉だったんだろうなと思いました。


この映画は、際立って悪役というのが出てこないです。
皆、どうしようもないと言えばそうなんだけど、
全員人間味があって、とても優しい。
それは晩年の鴨志田さんが、そう思っていたのかもしれないけれど。
その空気感を表現するのに絶妙なキャストが揃っていたと思います。


ただまぁ、本当に淡々としているので、
良い映画なんだけど、時間の割には長く感じるかも。
わかりやすい起承転結はありません。
その辺は、映画としての評価が分かれそうなとこだなー。

でも、一人の人生を描くのに、
誇張とか、脚色とかはいらないんだという思いと、
製作者が本人の気持ちを丁寧に描こうとしているのはよくわかるので、
これはこれでありかなとも思いました。

家族愛がとても良く表現されている、良質な映画でした。



ちなみに、
来年公開の「毎日かあさん」は、
西原さんが描いた同時期のお話。

これとの比較は、後の「毎日かあさん」の記事の方で書きます。

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