本日、快晴。

映画中心雑記。後ろ向きなポジティブが売りです。

鑑定士と顔のない依頼人【映画】

2013年12月30日 | 【映画】
@新宿武蔵野館

2013年の映画館納めの作品としては、
これ以上ない傑作でした。
ただ、年末のおまけ休日出勤後の眠気との闘いで。。、
相方に起こしてもらったおかげで、ちゃんと評価もできます。感謝。

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天才的な審美眼を誇る美術鑑定士ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は、
資産家の両親が遺した美術品を査定してほしいという依頼を受ける。
屋敷を訪ねるも依頼人の女性クレア(シルヴィア・フークス)は
決して姿を現さず
不信感を抱くヴァージルだったが、
歴史的価値を持つ美術品の一部を見つける。
その調査と共に依頼人の身辺を探る彼は……。
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何を書いてもネタバレになるので、
なるべく控えめにしますが、
とりあえず、傑作です。
ただまあ、痛々しい話ですが。。。


「鑑定士と顔のない依頼人」というのは邦題で、
原題は「The best offer」(最高の出品物?)だったはず。

観ているうちに、この言葉がどう使われているか理解しつつ、
観終わった後に、この言葉の真の意味に気づく、という
巧妙なつくりになっています。
なので、邦題では他の言葉に置き換えられなかったんでしょうね。

観た人は分かるでしょうが、
秘書のセリフの中で使われたこの言葉が持つ意味が、
この原題の真のテーマかなと、私は理解しました。


また、題名だけでなく、
この映画は、ラストにかけての伏線回収が見事です。

ただ、伏線が回収されていくなかで、
これだけは違って欲しい、とか、
こと人だけは違って欲しい、とか、
些細な希望を願いながら、私は観てしまいましたが、叶わず。

ラストは恐らく、非常に救いのないものになっています。
伏線回収が見事なだけに、その救いの無さが、より哀しく映ります。

結末だけネタバレすると、
バッドエンドと言えるかもしれないですね。

ただ、そこに至るまでの、
上昇と下降、栄光と転落、とも言い換えられますが、
その流れの描き方が秀逸で、
映画としてとても出来が良いと思います。

監督の作品は実は初見で、
「ニューシネマパラダイス」とか、
名作だ名作だと言われながら敬遠していたのですが、
さすが巨匠、どんなジャンルも傑作として仕上げて来るんですね。


年末のランキングに向けて、急ぎ足で書いたので、
まだまだ書きたいことがあり、
公開後、落ち着いた頃に、ネタバレありきで書き直したいと思います。


文句なくオススメの傑作です。
どうぞ劇場で。

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