@新宿ピカデリー
原作は読んでいません。
漫画家になるためのサクセスストーリー、てのは分かっていたので、
結末は読める気がして敬遠していました。
でも、本作は、王道ながらも、
1本の映画として、とても面白かったです。
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優れた画力を持ちながら将来の展望もなく
毎日を過ごしていた高校生の真城最高(佐藤健)は、
漫画原作家を志す高木秋人(神木隆之介)から
一緒に漫画家になろうと誘われる。
当初は拒否していたものの
声優志望のクラスメート亜豆美保への恋心をきっかけに、
最高はプロの漫画家になることを決意。
コンビを組んだ最高と秋人は週刊少年ジャンプ連載を目標に日々奮闘するが……。
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「モテキ」が余りハマらなかった私にとって
大根監督はちょっとどうだろうと不安でしたが、
王道のストーリーに、特殊な演出を加えるやり方はとても上手くて、
全編飽きずに観れました。
奇をてらっている、と言えなくもないけど、
この位ポップな感じも、個人的には好き。
印象としては、曽利文彦監督の「ピンポン」を観た時の感覚に似てました。
作風は特に似ているわけではないんだけれど。
ただ、演出としては悪くないんだけど、
音楽とか映像の斬新さをアピールしたいがために、
各所、ちょっと長いかなあ、と思うことがあったのが残念。
筆使った戦い表現のシーンとか、悪くないのに、長回しが過ぎた気がしました。勿体ない。
ちなみに音楽について追記しておくと、主題歌のサカナクション最高でした。
他も映画音楽としてBGM類すべて作品の雰囲気と合ってました。
オシャレに、スマートに、でも泥臭い要素も残しつつ、ていう感じ。
俳優陣に関しては、逆じゃないか、という話も出ているようですが、
鑑賞後は、これで間違っていないと実感します。
ただ、主演の佐藤健は、悪くはないんだけど所謂"普通"の演技力なので、
周りを実力派で固めて来た分、ちょっと可哀想だったかも。
でも彼にはそれを補って余りあるビジュアルと華があるから、作品として成立させる力がありました。
固められた脇、すなわち、神木隆之介、山田孝之、クドカン、の他、
新井浩文、桐谷健太、皆川猿時、リリー・フランキー、誰をとってもナイスキャストでしたが、
やはり特筆すべきは、染谷将太でしょう。最高でした。あますところなく魅力全開。
話題の人を登用するのは仕方ないんだと思うけど、
しっかりと練られたキャスティングで臨む布陣は、
一瞬の隙も無い程に、作品にハマるものだなと実感しました。
総じて素晴らしい出来だったので、あまりつつくところがないです。
物語的なカタルシスもあるし、爽快感も感じられる。
ちょっと狙いすぎな感じはするけど、このくらいならご愛敬です。
万人受けするエンターテインメント映画です。
迷ったら、これを選んで正解だと思います。
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