本日、快晴。

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ゴーン・ガール【映画】

2014年12月05日 | 【映画】


@試写会

公開前ですが、試写会で観て来ましたので覚書。


デヴィッド・フィンチャー監督作品は全部観れていませんが、
その評価は非常に高いですよね。
私は、大学生の時に友人に薦められて観賞した
「ゲーム」の衝撃度を超える映画に、いまだに出会えていません。


そういえば、「ドラゴンタトゥーの女」の続編はいつやるんだろう・・・。


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ニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)は
誰もがうらやむ夫婦のはずだったが、
結婚5周年の記念日に突然エイミーが行方をくらましてしまう。
警察に嫌疑を掛けられ、日々続報を流すため取材を続けるメディアによって、
ニックが話す幸せに満ちあふれた結婚生活にほころびが生じていく。
うそをつき理解不能な行動を続けるニックに、
次第に世間はエイミー殺害疑惑の目を向け……。
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ちなみにどうでもよい与太話なのですが、
1997年のベン・アフレック主演映画で、
「チェイシング・エイミー」(=エイミーを追う)という作品があり、
作品同士は全く関係ないけれど、本作のあらすじとリンクしててちょっと面白い。



上映時間は長いです。
然しながら、見る価値は十分にある作品だと思います。

内容について詳細書こうとするには、
どうしても、ネタバレ的なところが問題になってしまう類の作品なので迷いますが、
公開直前ということもあり、なるべくネタバレ排除で書いておきます。


(注) ちなみに、原作ありきの作品のためか、
wikipediaには、オチを含め詳細あらすじが漏れなく掲載されています。
原作を知らない人、これから観に行く人は、絶対に読まない方がよいかと思います。



本作での「起承転結」はちょっと複雑だと思います。
「起承」は結構さくっと進み、その後、「転結」の占める割合が多い。
特に「転」部分で、大半の物語が進行する、と言っても過言ではないです。

「転」での展開がある1つのネタバレで、
その後の「結」で、観客に後味の悪さを与えます。
そして問うわけですよ、『貴方達は大丈夫ですか?』と。

或る意味、非常に怖い。

多分、このままの事件が身に起こりえることはないだろうけど、
この事件を通して、夫婦の在り方について暗に色々と訴えている。
なかなか上手い作りです。


サスペンス・ミステリーは、その真相を追いかけ、推理する楽しみがありますが、
本作は、割と予想がつかない方だと思います。
私はビックリはしなかったけど、予想もしていなかった。
時間軸をずらす描写もなかなか秀逸です。

あとは、登場人物の描写が非常に上手いです。

夫・ニックと、妻・エイミーのキャラクター性が不安定で、
物語が進むにつれて、更にどんどん変化していくことで、
ストーリー展開自体も混乱し、観客の予想し得ない方向に進むという感じでしょうか。
加えて、主役夫妻だけでなく、他の登場人物についても同様に、
物語が展開するに従って徐々に別の顔も見えてくる。
そういう意味では、物語が一旦の収束を見せるまでは、疑心暗鬼なまま。
人間の二面性、ならぬ多面性が、
サスペンスを盛り上げる効果的な要素となっています。

あとは、メディアの使い方。
比較するのもどうかと思いますが、
日本映画「白ゆき姫殺人事件」でもこうしたかったんだろうね、という
シンプル且つ丁寧な表現によって、
観客のフラストレーションを煽り、
疑心暗鬼感をより一層募らせているように見えます。

諸々さすがですね、デヴィッド・フィンチャー。

ラストについては、脱帽。
衝撃的ではないけれど、
良くも悪くも、余韻の残る結末になっていると思います。


ホントは全部書いちゃいたいんだけど、
絶対にネタバレしない方がいいと思うので、
楽しみにしている人は、ネット見ずに早めに行った方が賢明ですよ。


キャストについてですが、
やはり今作は、ロザムンド・パイクの圧倒的存在感ありき。
美しい才女(私生活でもオックスフォード大卒らしい。凄。)ですが、
キャリアには恵まれていなかったのか、ボンドガール経験もありながら
ワールズ・エンド」にも出ているという多彩な女優さん。
遅咲きながら本作に賭けたのかな、と個人的には思いました。
そこそこの賞レースには名前が挙がってくるのではないかと思います。
ベン・アフレックも、夫のキャラクターの不安定さを見事に表現していて良かったと思います。
顎を隠すパフォーマンスが、彼ほどハマる俳優も居ないよね(笑)。
タイラー・ペリーとキャリー・クーン(ネタバレに繋がるわけではないけど、一応役名伏せました。)は、
この映画における癒し要素としての側面も含めて、好きでした。



普段あまり気にせずに書き殴るんですが、
さすがの私も、これネタバレた状態で見たら絶対イヤだな、と感じたことと、
私自身の本作への評価が非常に高いので、出来る限りオブラートに包んでみました。
所々分かりにくいですが、多分観賞後に誰かと語るのが楽しくなる作品だと思います。
かなりオススメですので、劇場で是非。

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