@新宿ピカデリー
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東西冷戦の最中の1960年代前半。
CIAエージェントのナポレオン・ソロ(ヘンリー・カヴィル)と
KGBエージェントのイリヤ・クリヤキン(アーミー・ハマー)は
核兵器拡散をたくらむ謎多き国際犯罪組織を制圧するために、
長年の政治的対立を超えて手を組むことに。
思考や方法論も真逆の二人は、
組織につながる手掛かりである行方をくらました科学者の娘を守り、
核兵器の大量生産を阻止すべく奔走する。
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ここ最近の邦画と比較したら、割と面白く見れます。
しかしながら、「シャーロック・ホームズ」と比べてみると、
何かが、足りない印象。
どちらかと言うと、
メジャー大作に寄せた「ホームズ」よりも
本作の方が初期のリッチー作品的な映像や演出をしている気がするのに、
何というか、初期作品のエッジが、それほど感じられない、というか。
端的に言ってしまうと
"ガイ・リッチーっぽい"映画です。
"ガイ・リッチーらしい"、ではなくね。
「ロック・ストック」とか「スナッチ」とかで感じた個性は
映像とか音楽の使い方には垣間見えるのですが、
話のテンポが悪く、全体的に、長くて退屈な印象でした。
・・・スパイアクションなのに。
更に。
冒頭の駆引きありきのアクションシーンは
良いテンポに、良い引きで、
面白くなりそうな予感があったのに。のに。。。
クライマックスのアクションシーンが、とっても微妙。
突入シーンでの画面割は、勢いを殺していて盛り上がりに欠けるし、
車とバイクのチェイスシーンは、
(山道だからかもしれないけど)視界が悪くスピード感も出てない。
挙句、同じような構図・シーンが続くことにより、
観客の緊張感も削がれているような気がしました。
色々と、とても勿体なかったです。
ちなみにボロクソに書いているようですが、
私は、話自体は好きなんです。
敵対しつつも同じ目的を遂行するために共闘し、
いつしか友情(+愛情)が芽生える、という展開は
ラブ込みで、ものすごく好みなんです。
なんです、が。
これは仕方ないのかもしれないけれど、
一見、属する国の違いを、それぞれの個性にて表しているようでいて、
意外とそうでもない。
米ソですから、そりゃあ仲悪いしうまくいかないに決まってる。
だったら、もっとコメディ要素もしっかり入れれば面白いのに、
ちょっとスベッてるようにさえ見える。
設定が巧く活かしきれていない、というか。
これまた、非常に勿体ない。
ガイ・リッチー作品は、私よりも相方の方が好きで、
彼は言わずもがな、私もそれなりに楽しみにしていたので、
ちょっと勿体ない、何でかなあ、という感想でした。
本編見ている時はそうでも無かったんだけど、
見終わった後に残る、そこはかとない物足りなさ。
監督が狙った、個性とメジャー感のバランスが、
私にはしっくり来なかったんだと思います。
ただし。
この映画は、好きな人は凄く好きな気がするので、
私個人の感想はあてにせず、
たくさんの人に観てほしい作品ではあります。
ガイ・リッチー最新作として、観る価値はあるかなと。
恐らく続編も作るだろうし、
私も観ると思うので。