ありのまま。あむのまま。

次男のあむあむは、知的障害・水頭症・てんかんなどを持つ男の子。わいわいどたばた、賑やかな我が家の日常♪

あやしい電話

2007年06月30日 | あむあむ(次男・障害児):6歳
セールスの電話ってのは、大抵次の言葉で始まる。
「お忙しいところを申し訳ありません。」

でも、そんな殊勝なことを言っときながら、
こちらの都合はおかまいなしに、
ぺらぺらぺらぺらとしゃべってくるのが常だ。

大体、私の自由時間は、短いのだ。
子供達がそれぞれ小学校、保育園にと行っている間は、
大事な、大事な、自由時間。
こころおきなく、自分がやりたいことだけをしたい。

そんな時間中に、
「お忙しいところを・・・。」
なんてやられると、結構腹がたつ。

そしてまた、子供らが帰ってきてからは、
今度はご飯の支度やらなんやらで、なんだかんだと忙しい。


・・・ってな訳で、
私が、セールスの話にゆっくりと耳を傾ける日なんてのは、
ほとんどない。


そんなある日、またしても電話が鳴った。
またセールスかなぁと思いつつも、一応愛想良く受話器を取った。

「はい、○○です。」

「はぁ、はぁ・・・。。」

聞こえてくるのはあやしい息づかい。


ん?んー?
これはもしや、あやしいいたずら電話???

どうしよ、
「やめてください。」とか、きつく言ったほうがいいかしら。

今さら、「いやーん。」だの、「きゃー。」だの、
かわいく言うような歳でもないしなぁ。

うーん、どうしようかなぁ、

と思いながら、何気なく横をみたら、
あむあむが私の携帯を耳にあてている。

よーく見ると、
私の受話器から聞こえてくる変な息づかいと、
あむあむが呼吸する時のお腹の動きが、
ばっちりシンクロしているではないか!
(どうやら、私の携帯の着信履歴かなんかをいじって遊んでいたら、
 たまたまうちにかかったらしい。)


お、お前かよー!!!

・・・なんだかどっと疲れました。



っつーか、あむあむ、
黙って「はぁ、はぁ。」息してないで、

せめて「ママ。」とか言ってください・・・。




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中身は同じ

2007年06月29日 | 障害・福祉・人について
あむあむは、普段は一応、一人で歩いている。
けれど、どたどた、ぱたぱた、おっとっと、とあぶなっかしい。
名付けて、「酔っ払い風歩き」である。


しかも歩き方がもともと危なっかしいのに加えて、

花が咲いていれば花を見る。

トラックが通ればトラックを見る。

急に立ち止まる。

急に進路を変える。


一緒に歩いている私が、ひやひやして
「あむあむ、はじっこ!
 自転車にどっかーんってしたら、痛いよ。」
などと声をかけると、
にやっと笑って端に寄る。

・・・ただし、ほんの数秒間。


というわけで、都心の病院に行く時などは、
あむあむには車いすにお乗りいただく。

車いすで行くようにしてから、
電車の中とか、道を歩いている時の、
周囲の反応が、ずいぶん変わった。

ベビーカーで行っていた頃は、
電車が混んでいる時に乗ると
周りのサラリーマンから、
「じゃまだなぁ」とでもいうような
無言の圧力を感じることがあった。

でも、車いすで行くようにしてからは、
私が電車に乗ろうとした時に手伝ってくれる人とか、
エレベーターに乗る時にすきまを開けてくれたりする人が、
なんだかずいぶん増えた。

それはとてもありがたいし、嬉しいのだけれど、
乗ってるあむあむも、
押してる私も、
ベビーカーの頃と別になんにも変わっちゃいないんだけどなぁ、
と少々複雑な気分になる。

まぁ、子供が車いす乗ってるのって珍しいだろうし、
確かに目立つし、
あむあむの容姿的にも、あきらかに障害児だしね。


でも、

車いすか、ベビーカーか、だとか、
そんな見てくれで判断するんじゃなくて、

困ってるなぁと思ったら、すっと手を貸して、
困ってなければ、すっと通り過ぎる。

そんな風にさりげなく接してもらえると、
もっともっと、
嬉しくなるような気がする。




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手術の日

2007年06月26日 | あむあむの手術や入院、通院のこと
昨日、都内の病院を受診してきた。
あむあむの、頭蓋骨の形成手術の日取りが決まった。

8月17日。
この日に、あむあむは、
現在は陥没している一部の頭蓋骨を、
セラミックの人口骨に置き換える手術を受ける。

先生からは、
「前回の頭蓋骨形成手術に比べれば大ががりではないし、
リスクも小さいですよ。」と言われているけれど、
やはり心配なものは心配なわけで、
このごろいまいち、晩酌がおいしくない。


あむあむは、現在6歳になる。
てんかんの発作や肺炎が落ち着いてきたと思ったら、
今度は、いろいろ他の病気のために、
ここ数年、年に1~2回、手術を受けている。


4歳。
水頭症(すいとうしょう)の診断を受け、シャント手術を受けた。
水頭症とは、髄液という液が脳内にたまってしまう病気。
髄液がたくさんたまって脳内の圧力が高くなると、
失明や、知能低下の危険性がでてくる。
シャント手術により、髄液をお腹の中に流している。


5歳。
シャント手術後、脳内の髄液が順調に抜け、脳内の圧力もさがった。
しかし、脳が小さくなったぶん、おでこと脳の間にすきまがあいたので、
脳内出血を避けるため、頭蓋骨の形成手術を受けた。


同じく5歳。
滲出性中耳炎(しんしゅつせいちゅうじえん:鼓膜の奥に、水がたまる病気)の
治療のため、
鼓膜を切開して、パイプを入れる手術を受けた。


そして、今。
6歳。
前述の、人口骨に置き換える手術の2週間ほど前に、
陰嚢水腫(いんのうすいしゅ)の治療のための手術も受ける。

陰嚢水腫とは、陰嚢(通称たまたまが入っている袋の部分・・・)の中に、
体内の液がたまってふくらむ病気。

ずっと前には鼠径ヘルニア(そけいへるにあ)と言って、
陰嚢内に腸がでてしまう病気だと診断されていたけれど、
穴が小さくて、現在は体内の液だけが通っているらしい。



・・・やらなくてすむもんなら、手術なんてやりたくない。

手術の大小に関わらず、
手術服を着て、ドアの向こうに行ってしまうあむあむを見送るのは、
とてもつらい。


でも、あむあむには、
なんとなく、
とても強い運がついている気がするから、


また今度も、
にこにこのあむあむでうちに戻ってこれますように。


ただ願うだけ。



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おやじギャグ

2007年06月24日 | うーあ(長男・健常児)のこと
長男のうーあは、一時期「怪傑ゾロリ」というテレビアニメが大好きだった。

このアニメのなかでは、おやじギャグが重要な位置を占めている。
なぜなら、主人公のゾロリは、おやじギャグで敵を攻撃するからだ。

「イルカはいるか?」
「布団がふっとんだ」
などのギャグを放つと、敵がふっとぶのだ。

ちなみに、うーあがゾロリのギャグの中で一番好きだったのは、
「プリンは栄養たっぷりん」だった。


あの頃、私とうーあの間にも、おやじギャグの熱い風が吹いた。

プリンを食べれば、
「プリンは栄養たっぷりん」

カニを見れば、
「カニは、いるかに?」

カレーを食べれば
「カレーはかれー(辛い)」

どちらからともなく言い合っては、馬鹿笑いをしていた。

あむあむにはまだ、この手の言葉遊びは理解できない
(言語面の発達年齢は2歳代ぐらい)。
でも、私とうーあが笑っているのを見て、
一緒に、にこにこと笑っていた。


しかし、熱というものは熱狂的であればあるほど、冷めるのも早い。
うーあのおやじギャグへの情熱は、ふいに消えてしまった。

もともとうーあは、
ゾロリが言ったギャグを覚えて、それをただ言っていただけなのだ。
新しくおやじギャグを生み出そうをしていた私とは、情熱の度合いが違う。

そして今も、私だけがこりずに、まだ言っている。

「うーあ、ちょっと聞いて、聞いて。
 羊かんは、よう噛んで食べましょう。」

「ふーん。
 ママ、またおやじギャグかよ。」

・・・撃沈である。

その冷静な言葉は、
何?
あの熱い日々はどこに行ってしまったの?

おーい、うーあ。

こっちに来て、

うまいシャレを言いなしゃれー。



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公園の空

2007年06月23日 | あむあむの受け入れにとまどっていた頃の話
幼稚園に入る前の何年か、長男のうーあは公園にはまりまくっていた。
朝起きたらまっさきに「おーえん(公園)」と騒ぎ出し、
朝ごはんをたいらげると超特急で公園へ。

北風にも負けず、夏の日差しもなんのその。
朝から雨が降っていても窓にぴったり張り付き、
雨がちょっとでも止もうものなら
「あ、雨おしまい。おーえん(公園)!!!」と主張した。

公園から家までは、徒歩3分。
公園からちょっとのぞけば見えるぐらいの所に、マイスイートホームはあるのだ。

しかし、たかが3分。されど3分。
公園中毒のうーあは、自分から「帰る。」と言い出すことなんて、まずなかった。
9時に公園に行き、持参したおにぎりを食べて、
やっと帰るのは17時頃・・・なんて事もざらだった。

「あたしゃ、公園のヌシかい。」ってなもんだ。

夕方に流れる「良い子のみなさん、おうちに帰りましょう」の放送が、
私の唯一の救いの神様だった。


うーあが公園にはまり出したのは、あむあむがまだ生後6ヶ月の頃。
つまり、私も障害児の母になってほやほやの頃である。
あのころはまだ、私の心臓に毛は一本もはえていなかったので、
あむあむを人前に出すのは、正直きつかった。

でも、あむあむ一人を家に残して、公園に行くわけにはいかない。
内心きつかったけれど、
あむあむをベビーカーに乗せて、毎日のようにうーあと公園に向かった。

これだけ行っていれば、自然に一人、二人と顔なじみが増えていく。
それが嬉しかった。


うーあが1歳半の頃にあむあむが産まれた。
そして生後すぐに脳奇形の診断を受け、あむあむは何ヶ月もの間、
血液検査や脳波の検査、CTやMRIなど、実に様々な検査を受けた。

また、生後10ヶ月頃からはてんかんの発作が始まり、
けいれん重積や肺炎のたびに入退院を繰り返した。

そんなこんなで、あむあむが生まれてからの1年間、
正直言って、うーあに関する記憶は、あまりない。

毎日がただ訳もわからずに過ぎていった。


あむあむも一緒に、うーあとの公園通いが始まったのは、
怒涛の検査ラッシュも終わり、
私がようやく少しずつあむあむの障害を受け入れ始め、
あわただしいながらも日々の生活のリズムができてきた頃だった。


今にして思う。
うーあがあんなに公園に行きたがったのも、
私がとことんそれにつきあったのも、
少しでも外の空気を吸いたかったからだったのかもしれないと。

家の中にいれば、あむあむを誰の目に触れさせることもない。
それは、楽だったけれど。
どんどん、息がつまっていった。

思い切って外に出た。

そうしたらこんなにも、空は広かった。


あの頃から、6年あまりが過ぎた。
あんなに公園にはまっていたうーあも、
今ではすっかりニンテンドーDSにはまっている。


代わりに、近頃ではあむあむがすっかり公園好きになってきた。
保育園から帰って車を降りた途端、
「こーえん(公園)。行きたーい。」と歩き出す。

この6年の間に、私の心臓にはだいぶ毛が生えた。
うーあが小学校から帰るまでの1時間程、
あむあむと私だけのデートタイムをゆっくりと楽しむ。

日替わりであちこちの公園に行ったり、
近くの公園にふらっと歩いて行ったりする。


あむあむは、絶好調の笑顔で走っている。

空は、今日も広い。



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親子だなぁ

2007年06月21日 | あむあむ(次男・障害児):6歳
あむあむと一緒にいると、
「おぉ、私の息子だぁ。」と笑っちゃうぐらい、
色んなところが私に似ている。

暗い部屋から、急に明るい屋外に出た時。晴れた日に太陽を見た時。
パパと長男のうーあはけろっとしているのに、
私とあむあむだけが盛大にくしゃみをする。

フリー百科事典「ウィキペディア(Wikipedia)」で調べてみたら、
この現象は、光くしゃみ反射というそうだ。
「光くしゃみ反射とは、光刺激が誘因となって反射的に
くしゃみが起こる現象をいう。
屋内から晴天下の屋外に出た時や太陽の光が直接目に入った時など、
まぶしさを感じると同時に起こる。
この反射は、すべての人に存在するわけではなく、
日本人では、約25%の人にしか存在しない。」

くしゃみがでる人のほうがたくさんいるかと思っていたら、
なんと、くしゃみをする人のほうが少数派だったのか。
全然知らなかった。

お次は、鼻の標高差。
海などで、家族みんなが日に焼けると、
うーあとパパは鼻が赤くなる。
あむあむと私は、ほっぺが赤くなる。
顔の中で標高が一番高いのはどこか、太陽が証明してしまう。

でも、こんなに似ているあむあむなのに、私と似ていない点がある。
それはずばり、スタイルだ。

頭のサイズはさておき、実はあむあむはスタイルがよろしい。
便秘気味のせいか、お腹はキューピーちゃんみたいにぽっこりしているけれど、
よく見ると足が長くて、すらっとしているのだ。
あむあむに加えて、うーあとパパも、めちゃくちゃすらっとしている。

家族写真を見ると、私だけが、やけにむにむに・むちむちに見える。
一応、私だって、ぎりぎり標準体型なはず。
なんだかくやしい。

要するに、私がやせれば解決する問題なんだけれど、
やせたくてやせられるもんなら、人間、苦労はしない。
うーん、こうなったら毎日高カロリー食を作って、私以外の家族も太らせるか。

・・・って、そういう問題じゃないか???


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10年日記

2007年06月19日 | 日々のこと
あむあむが生後6ヶ月の頃から、10年日記をつけている。

10年日記とは、その名のとおり、1冊で10年分つけられる日記だ。
一日4行。
毎日つけていけば、ひとつのページに10年分の同じ日の日記が並ぶ。

その日の日記をつけて、ふと上の段を見ると、
去年の今日、2年前の今日がすぐわかる。

「あ、この日、うーあが初めてトイレでおしっこしたんだ。」とか、
「この時期は、あむあむはよく入院してたなぁ。」とか、
色々なことがよみがえってきて、おもしろい。

例えば、我が家の7年分の日々はこんな感じだ。

・正月の光景(日記より一部抜粋)

2002年「なーんにもしなかった一日。パパは昼寝ばっかり。」

2003年「パパは相変わらず、ごろごろ寝正月。
      おまけに布団で寝なかったから風邪ひいたって。」

      ー中略ー

2006年「連日食べてて、太った。」

2007年「パパ寝すぎ!一日寝てる。ほっといて子供らと買い物へ。」

・・・寝てばっかりだよ(特にパパ)。

・結婚記念日の光景

2002年「スーツを着て、パパと待ち合わせした。レストランでお祝い。」

2003年「ふと気づいたら結婚記念日。
      パパってば、覚えてたくせに飲みに行こうとしてた!」

2004年「記念日のお祝いに、私が行きたかったラーメン屋へ。」

2005年:結婚記念日に関する記載はなし。

2006年:同上

2007年「結婚記念日、すーっかり忘れてたぁ。
      パパが、珍しいビールを買ってきてくれた。」

・・・どうも、結婚記念日の存在が年々薄くなっているような。

結婚して8年目ともなれば、ま、こんなもんか。

毎日毎日、ばたばたと朝が始まり、
ばたばたしているうちにあっという間に夜が来る。

それでも、日記をつける時だけは、
ゆっくりと一日の出来事を振り返ることができる。

どよーんと「もういいや、明日まとめて書こう。」という日もあるけれど、
もう楽しくて楽しくて、4行じゃ書ききれないぞっていう日もある。

でも、一番多いのは、「えーっと、今日は何をしたっけ?」と考えても、
すぐには浮かんでこないぐらいの、ありふれた一日だ。

うーあからポケモンの進化系を聞かれたのに全然答えられなくて、
「もう、ママは全然覚えないんだから。」と、えらそうに言われたり、
あむあむを膝に乗せて、一緒に本を見たり。

とりたてて日記に書くほどでもないような、いつもと変わらない一日。

そんなありふれた一日が、2年分、3年分と重なって、
いつの間にか、日記は7年目になった。


つけ終わった日記を閉じて、
子供たちの寝顔を見ながら思う。

今日も一日お疲れさん。
明日はどんな一日になるのかな。


10年日記の2冊目が終わる頃には、うーあは21歳、あむあむは19歳。
21歳のうーあも、19歳のあむあむも、今は想像もつかないけれど、
その頃も、その頃なりの、
ありふれた一日が重なっているといいな、と思う。


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パパには内緒♪

2007年06月14日 | パパのこと
先日、写真の整理をしていたら、6年ぐらい前の写真が出てきた。

そこに写っていたのは、パパ。
ざぱっとまっすぐな前髪。
耳のカーブに沿って、ものすごくきっちり切られた髪。
かくかくしているもみあげ。

いわゆる、マッシュルームカットとでもいおうか、
皿田きのこちゃん(「Dr.スランプあられちゃん」にでてくるキャラ)
とでもいおうか、
ウォーズマン(「キン肉マン」にでてくるキャラ)とでもいおうか・・・。

どうひいき目に見ても、変だった。

この髪で、会社に行ってたの?パパ。
この髪で、接客もしたの?パパ。

ちなみに、パパの髪を切ったのは、わ・た・し。
ちくっと、良心の呵責を覚えたが、こみあげてくる笑いは止められなかった。

だって、皿田きのこだよ。


パパは慣れていない人と話すのは苦手な人なので、床屋にいくのが面倒らしい。
私と結婚する前は、パパの髪はパパのお父さんが切っていたのだが、
結婚してすぐ、その役は私にまかされることになった。

初めて切ったときは緊張したが、今では手馴れたもんだ。
「今、私を怒らせたら、サルにするからね。」と
適度なプレッシャーを与えつつ、
足元にじゃきじゃきと髪の毛の山を築いていくのは、
かなり爽快な作業だ。

パパは1年半ほど前に転職してから、かなり接客が増えたが、
誰からも指摘されたことがないので、
なんとかさまになっていると思われる。


自分たちの結婚式の前日も、私がパパの髪を切った。
「ほんっとにいいの?結婚式の時ぐらいプロに切ってもらおうよ。」
と何度も念を押したが、それでもいいというので、髪をむずっとつかんだ。

適当に縦にじゃきっとはさみを入れる。
えりあしと耳のあたりは、すきばさみを入れて・・・。

「あっ・・・!」

「何?」

「いや、別に。」

実はパパ、もみあげのあたりの一部に、髪がうすい地帯がある。
この辺りの髪を減らしすぎると、地肌が見えてとってもかっこ悪いのだ。

まぁ、やっちまったもんはどうしようもない。
えーと、ばれないようにちょっとこの辺の髪をかぶせておいてっと、

「はい、終了。」

そして迎えた結婚式。
あの日の写真は、どれも笑顔にあふれている。

でも、でも、よく見ると、

パパの髪にははげがあるー♪



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かわいそう?

2007年06月10日 | 障害・福祉・人について
長男うーあの、小学校の授業参観に行った。

あむあむの靴をはかせていた時、近くにいた女の子が話しかけてきた。

「ねえ、誰のお母さん?」

「2年1組の○○○○のお母さんだよ。」

「この子、かわいそう。こんな顔で。」

「・・・・・・・。」

あむあむが、「こんな顔」なのは、「かわいそう」なのかな?

ごめん、あむあむ。
ママ、前よりもずっとずっと強くなったつもりだったけど、
あの子に何にも言えなかったよ。

あむあむがもっと小さかった頃、あむあむを初めて見た子から
一番良く言われた言葉は、「変な赤ちゃん。」だった。

あむあむの見た目は人と違うから、興味がわくのはわかる。
子どもたちから、純粋に好奇心から出る質問で
「この子、どうして頭が大きいの?」
「いつから頭が大きいの?」などど聞かれたときには、
私も、「生まれた時から、あたまの中にお水がたまってて、
頭が大きくなっちゃったんだよ。」
などと答えることができる。

そうすると、大抵の子は「ふーん。」とその子なりに納得して、
ぱっと離れていく。

そして数分後には、あむあむもいつの間にか追いかけっこに加わっていたりする。

でも、「変な赤ちゃん。」という言葉には、
どうしても超えられない壁があるような気がして、
そんな言葉を使われると、
とっても胸が痛くて、
その子に、私の思いを伝えるなんて、
とてもじゃないけど、できなかった。

私は、あむあむ自身のことは、もう丸ごと受け入れていると思う。
でも、あむあむと初めて会った子達の反応を受け入れるのは、時々苦しい。
あむあむを見て、「何、あれー。ほら、見てよー。」と笑いながら
隣の子に教える子。
ぎょっとした顔で遠巻きに何度も振り返る子。

そういう子に会うと、今でもやっぱり苦しい。

ねえ、みんなに伝えたい想いは、たくさんあるんだ。

あむあむは、あむあむなんだよ。
ただ、そのままで、あむあむなんだよ。

「人と違うからかわいそう」なんじゃなくて、
「人と違うからかわいそうって思われること」が、
かわいそうなんじゃないのかな。

ほとんどの子は、人と見かけが違う子を知らなかったから、
身近にいなかったから、
初めて見た時に、興味を持ったり、おもしろがったりするんだと思う。

それでも私は、色んな子があむあむと遊んでいくうちに、
あむあむへの見方が「変な赤ちゃん」から、
ただの「あむあむ」に変わる瞬間を、たくさん見てきた。

たくさんの子達に、あむあむみたいな子と遊んだことを、
ほんの心の片隅にでいいから、覚えていて欲しいと思う。

あなた達が、いつかどこかで、
見た目とか言動が他の子とは違う子に出会った時、
「色んな子がいるんだよね。」って、自然に思えるといいなぁ、と思う。

避けるのでもなく、
特別扱いするのでもなく、
さげすむのでもなく、
ただありのままを見て、
「○○君は、○○君。」って思えるといいなぁ、と思う。

今日は久しぶりにちょっとへこんじゃったけれど、
明日にはまたにこにこママに戻るからね。
あむあむ、また「おとと(お外)」に行こう。

たくさんの子に会いに行こうね。


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バトル

2007年06月08日 | あむあむ(次男・障害児):6歳
近頃、あむあむとよくバトルをする。

例えば昨日。
あむあむと二人で、近所の大きい公園に行った。
「あっち、行きたーい。」を連発したので、
1時間あまり、あむあむの行きたがるほうへ、とにかく歩いた。

日差しはかなり強く、あむあむはかなり疲れていた。

唐突に、「じゅーちゅ(ジュース)!」と叫んだあむあむ。
でもそのすぐ後に、「あっち、行きた-い。」と、
販売機があるのとは逆の方向を指した。

でもあむあむの様子からすると、これ以上散歩を続ける体力は、もはや無い。
本日の根競べバトルの始まりである。

さりげなーく木陰に移動してから、バトル開始!
カーン!!!


「あっち、行きたーい。」

「あっち行きたいのか。あっちは、ジュースは、無いよ。」

「じゅーちゅ!」

「ジュースは、こっち(反対方向を指して)。」

「あっち!!!行きたーい(泣)。」

「あっちは行かない。あむあむ、いーっぱい歩いたよね。疲れたよね。」

「やーだ。じゅーちゅ。」

「うん。ジュース飲みたいね。ジュースはこっち。」

「あっち、行きたーい。」

・・・こんな感じでバトルは20分以上続いた。
もう、あむあむの顔は汗と涙と鼻水でぐじょぐじょである。

あむあむは水頭症といって、頭の中に液がたまってしまう病気を持っているので、
頭が大きい。
あむあむを初めて見た人でも、なんの病気かわからないまでも
「あ、この子はなんかしらの障害を持った子だな。」と
すぐにわかる容姿をしている。

そんな、明らかに障害を持っている子(しかも声がでかい)と、
その横で腕を組んで、真顔のまま仁王立ちをしている母。
この組み合わせの親子が、目立たないわけがない。
いやはや、めちゃくちゃ目立つんである。

かわいらしい小型犬を連れた老夫婦。
よちよち歩きの子と遊びに来ていたお母さん。
ゲートボールの練習をしていた男性。
その時公園に居合わせたありとあらゆる人が、心配そうにこちらをうかがっていた。

ほんとは、メガホンでも持って、
「みなさーん、虐待じゃないのよー。心配しないでー。」
と叫びたかった。

バトル開始から数十分後、ついにあむあむが折れた。
「じゅーちゅ、行く。」と、販売機の方向に向かって歩き出した。

あむあむは、一度納得さえすれば、気持ちの切り替えは早い。
ぐじょぐじょの顔のまま、にこにこしながら手をつないできた。
1時間の散歩と、30分あまりのバトルの後のジュースは、
真夏に飲むビールよりもうまい。
(ちなみに、これにこりて今日からは水筒を持参することにした。
 バトルの挙句、親子二人で熱中症で倒れたら洒落にもならんもんね♪)

あむあむとバトルをする時は、あむあむの状況などに応じて、
様々なテクニックを駆使する。

例えば、今回のような根競べもそのひとつ。
あくまでも冷静に、あむあむが理解できる言葉で、
あむあむが納得するまで説き続ける。

それでもだめなら、
「じゃ、ママはジュースを買いに行く。あむあむはあっちに行きな。」と
突き放して、出方を見る時もある。

時間が無い時は、あむあむの手をがしっとにぎって無理やり歩かせたり、
抱きかかえて車に押し込む時もある。

でも基本的には、あむあむが自分で納得して、自分で動けるまで、
何十分でも待つ。


例えば、あむあむがどうしても欲しいおもちゃがあったとき、
普通に「これがいい。」と言っても買ってもらえなかっとする。

でも、床にひっくり返って泣きわめいたら買ってもらえたとしたら。
あむあむは、その時点で「もっともっと騒げば、買ってもらえるんだ。」と
学んでしまう。

そしたら、もっとすごいのが欲しいとき、今度はおしっこをするかもしれない。
もしかしたらう○ちまでしちゃうかもしれない。
そんな調子でどんどん要求の際の行動がエスカレートしていったら、
大きくなった時、困るのはあむあむ自身なのだ。

・・・と、いう訳で、本日のバトル♪

青コーナー、あむあむー。

ジュース買いに行ったらガチャガチャをやりたがったくせに、
やっぱりジュースも欲しくなった
だだこね男ー。

赤コーナー。ママー。

昨日たっぷり寝たから、気力・体力フル充電。今日も負けない鬼の母ー。

バトルスタート!
カーン!!!


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トイレ問題

2007年06月04日 | あむあむ(次男・障害児):6歳
あむあむは、男の子。私は、女(の子と言いたいけど、・・・もう無理だ)。

性別の違いは、普段は特に気にならないのだけれど、
トイレに関しては困ることがある。

まず、あむあむが外出先で「おちっこ(おしっこ)」と言ったとき。

ほんとは、あむあむが自分一人で男子トイレに行ければ一番いいのだ。
でも、手先が不器用なので、ズボンの上げ下げがうまくできなかったり、
おしりを便器の方に突き出すのを忘れて、おしっこを足にかけてしまったりする。
それを本人もわかっているので、一人では行きたがらない。

だから仕方がないので、今のところは身障者用トイレに一緒に入るか、
一緒に女子トイレに連れて行っている。
女子トイレに連れて行ってもまだ小さいから、
周りの人も気にしないみたいだけれど、
すね毛が生えるぐらいの年になったら、そうはいかない。

あと何年かかってもいいから、一人で行けるようにしないとなぁと思っている。

しかも来年度は小学校入学を控え、
普通ならおしり丸出しでおしっこするのはそろそろ卒業しなければいけない歳。

これも頭が痛い。

あのぶきっちょさんが、チャック下ろして、「ぶつ」を出して、
ズボンをぬらさずにおしっこして、また「ぶつ」をきちんとしまって、
またチャックを上げて、
・・・なんて、ハードルが高すぎる。

ますます頭が痛い。

それとは逆に、私がトイレに行きたくなった時は、もっと困る。

あむあむは結構無鉄砲なので、
その辺で待たせておいたらどこに行くかわからない。

で、またまた女子トイレに一緒に連れて行く。
すると、「いっちょ、たーい(一緒に入りたい)。」と、言い張る。
この場合の「いっちょ」は、個室の中まで一緒に行きたいということを意味する。
別に「一緒に入ったら狭いじゃん」ってだけなら、
私ががまんすればいいだけなんだが。

問題は、あむあむのあくなき好奇心にあるのだ。

「ままー、おちっこ?うーんち?」
これを大きな声で言われるだけでも十分恥ずかしい。

さらに、「でたー?おちっこー?」と続く。
これはもっともっと、かなり恥ずかしい。

そして最後に、「ままー、おちっこ、じょーずー(おしっこ上手)。」と
褒められて終了(汗)。

いや、あの、ありがと。

でも、褒められるより何よりさぁ、
一人でじっくりゆっくり入れるほうが嬉しいんですが・・・。

ねー、ちょっと、聞いてる?あむあむー。



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2007年06月02日 | パパのこと
学生時代、パパ(もちろん当時はまだパパではない。念のため。)と
自転車で何度も遠乗りをした。

最長では、一日の走行距離が約120キロに達した。
その帰り、終電ぎりぎりに駅前でダッシュで食べたたこ焼きは、
史上最高にうまかった。

ちなみに私は、断じて体育会系の人間ではない。
小・中・高と、体育の成績は、5段階評価の2か3。
マラソンでいうならば、真ん中より後ろのほうで、
真っ赤な顔でひいこらどたばた走っていた感じだ。

大学に入って、ようやく体育から開放されると思ったら、
なんと必修だと知った時のショックといったらなかった。
仕方なく、卓球とゴルフを選択した。卓球が思ったよりハードだったけれど、
ゴルフは狙い通り、打ちっぱなしでたらたらと練習するだけだったので、
とても嬉しかった。

体育に関してこんなにもやる気のない私みたいな人間が、
なんでああも自転車にはまったんだか、

今となっては大いなる謎だ。

とにかく、あっちこっちへ、自転車で行った。
私一人でも行ったし、パパと二人でも行った。
「ただそこに山があるから登るのです。」と登山家の誰かが言ったように、
「ただそこに道があるからこぐのです。」とでもいおうか。

当然のことながら(?)、パパとの卒業旅行は自転車だった。

走行距離:1日約40~60キロ。
頼るもの:自転車。自分の足。
持ち物:パンク修理セット。タイヤの空気入れ。レインコート。地図。水筒。
    お金。最低限の着替え。
以上。

初日、2日目と、こぎ進むうちに、お互いに疲れがたまってゆく。
パパはパパで、私が遅いのと、しょっちゅう休みたがることにいらついていた。
私は私で、パパがどんどん進みたがることにいらついていた。

ささいなことが原因で、ついに大喧嘩をしたのは、3日目の頃だったか。
パパは黙って自転車のスピードをあげ、見る間に遠ざかってしまった。

当時、私もパパも携帯は持っていなかったので、一度はぐれたら、
もう連絡は取りようがない。
でも、そのまま、お互いの姿が見えないままこぎ続けた。

やがてふっと合流したのは、数十分後ぐらいたった頃だろうか。
お互いの意地の張り合いが、妙におかしかったのを覚えている。

今思うと、この自転車旅行での光景は、
私とパパの関係の縮図のような気がするのだ。

パパが、同じ道を走っているという保障はない。
直接連絡を取るすべもない。
でも、おおまかな目的地はお互いにわかっていて、
その辺りでまた会えるだろうと、半ば確信している。

あれから結婚して、同じ家で毎日一緒に暮らすようにはなったけれど、
今も関係は変わっていないと思う。
私は早寝早起き、パパは遅寝遅起きなので、ふと気がつくと
もう何日もまともにしゃべってないという時は、結構良くある。

それでもばらばらな気がしないのは、
「どこかでつながっている。どこかでまた会える。」という感じを、
お互いが持っているからだろう。

別に、毎日毎日、二人でぴったり横に並んで歩んでいく必要など、全くないのだ。
普段はお互いにそれぞれの場所で、それぞれの速さで進んでいる。

そして道端でひょっこり出会ったら、一緒にお茶を飲み、ちょっと休憩したら、
またそれぞれの速さで進んで行けば良い。
(・・・あ、パパ。どうせなら私はお茶よりもビールがいいなぁ。
いやいや、ビールなんて贅沢は言わないっすよ。発泡酒か第3のお酒で十分。
つまみはするめか、ザーサイで♪)

そしていつかふと振り返ったときに、
交わったり、離れたりしながらも、
二人の道がなんとなく並んでいるといいなぁ、と思う。



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