新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

こんな患者がいるとやる気なくしますね

2009-07-19 22:11:32 | 医療

こんばんは。

 

当直中です

今、ようやく病棟が落ち着いてきました。

 

 

すごくイライラする電話があり、病棟の対応もしていた(からだが二つほしいと思った)のですが、初診の患者でみてほしいと言われて電話をとりました。

断るにしても・・・電話を取らうに病棟急変中とは言えませんでしたしね・・・。すると・・・

 

「リウマチ性多発筋痛症で○○病院に行ってるのですが、ノイロトロピンを注射してください」

「はっ?」

 

何を言っているのか?そのためだけに大学病院に初診で、休日の夜に電話か?

 

「患者さんの自己申告で医療はできません。患者さんの申告だけで医療をすることはありません。そんな無責任なことはできませんので…。また、ただ点滴をしてほしいだけの人を受けていたら、本当に診なくてはいけない患者がみられなくなります」

と、言ったら

 

「今から救急車よびますから。そしたらみてくれますか?」

 

 

プチ

 

「そんなことをされても、断ります。そもそも三次救急でもないでしょう。二次救急にいくように言います。」

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なかのひと 

「診療拒否ということですね」

ガチャン。

ツー、ツー、ツー

(ちなみに、この対応・・・電話で20分やっています。患者さんの家族が来ていて、さらに病棟の様々な対応をしている状況で・・・押し問答みたいなこんな電話を受け・・・。

ついでに言うなら「お前PMRという疾患を知らないから自信がないんだろう。」とか、様々なことを言っていましたが…教科書的な知識だけなら僕が知らないわけないだろうに・・・。

疾患の説明をしてみろ…と言われ、相手が何も言えなくなるまで説明して差し上げました。

で、最後にこれです。こっちはやることが多くて、こんな元気で挑発的なことを言ったりする人間を見ている暇はないというのに・・・・。)

こんな患者さんいると疲れますよね。 このやり取りをたまたま患者さんの家族(患者さんの急変対応もし・・・指示を出しなどをしている中で、こんなとんでもみたいな電話の応対をしていましたので。ちょうど、患者さんの家族が来てから病棟急変やこの電話があったのです)が知って、

「いろいろな患者がいるんですね」

と、患者さんの御家族が言ってました。

 

本当に疲れますね

では、折り返し地点ですので、頑張ります

 

因みに、こんなので「診療拒否」と言われるのであれば、喜んで日本の医療を捨てますね

 

いい加減にしろ・・・と言いたかったです

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東京の大学に地域枠:首都圏崩壊につながると思います

2009-07-19 07:37:30 | 医療

おはようございます

 

今日は当直です。

 

昨日の教授就任の祝いの時に教授から

「結婚式というのは若い人間の出会いの場だと思うのだが」

と言われましたが

「僕は当直です」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

・・・・ということで、行きません(笑

 

そう言えば昨日・・・のまともな食事は14時くらいにそばを食べに行ったことくらいではないだろうか・・・・・。

 

今日は食事をまともにしよう・・・。

 

当直前にひとつ記事を・・・・。

 

<医学部定員>79大学で369人増員 10年間で文科省

7月17日12時26分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090717-00000028-mai-soci

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090717-00000008-maip-soci

 

医学部入学定員の推移  文部科学省は17日、全国79大学の医学部の入学定員を来年度から10年間、過去最多だった今年度より369人増やして8855人にすると発表した。政府が昨年6月、医師養成数の抑制方針を26年ぶりに転換したことを受けた措置。増員分の大半は、卒業後の勤務地を指定する「地域枠」に充て、不足が著しい地方の医師確保策を本格化させる。  

 

医学部定員は82年の閣議決定で、将来は医師が過剰になるとして減員が続けられ、03~07年度は7625人まで減った。その後、医師不足の問題化で暫定的な定員増が図られ、今年度は80年代前半のピーク時と同水準まで回復した。  

 

来年度は47都道府県に各7人までの増員を認める。卒業後に地元で数年間勤務することを条件に奨学金を出す「地域枠」とし、都道府県が大学と協議して割り振りを決める。学生のUターンを促すため、例えば東京都内の大学に他県が地域枠を設けることも認める。  

 

また、解剖や医薬品開発などの研究者育成を目的とした学部・大学院一貫教育の特別コースとして全国で最大10人(1大学3人以内)▽歯学部を併設する大学で、歯学部定員減の転用分として最大30人(同10人以内)--の増員も認める。その結果、全体の定員は07年度からの3年間で約16%(1230人)増えることになる。  

 

文科省は5年後に再検討し、必要があれば上積みを図る構えで、「来年度から始まる新たな大学教育カリキュラムと臨床研修制度で、地域や診療科間の偏在も解消したい」としている。【清水健二】

--------------------------------

他、参照

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090717-00000048-jij-soci

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090717-00000524-san-soci

う~ん、焼け石に水に加えて…東京都内が崩壊するのではないかと思うのですが。

 

東京が多いというよりは・・・日本全体が少ないので相対的に多く感じるといってもよいと思います。

 

それに厚労省のHPより図を拝借してきましたが、東京都の医師数は(相対的に)多いのですが「埼玉県」「茨城県」「神奈川県」「千葉県」など首都圏全体としてはかなり医師の数は少ないです。

 

血液内科医に関しては「埼玉県血液内科医数」×3=「東京都血液内科医数」だそうですが、首都圏の病院への転院が「埼玉県内」では収まらず行われています。

 

そこで東京都内の大学から「医師」を減らそうとすると、首都圏自体が崩壊するのではないかと思います。

 

たぶん・・・・大々的に医学部学生の人数を増やすのであれば「大学数」が多い東京都内からのUターンも可能だと思いますが、現時点での東京都内の大学に対する「地域枠」というのは「首都圏の崩壊」につながると思います。

 

 

どうせやるなら「焼け石に水」みたいなことをしなければ、連鎖で日本が崩壊することもありますまい。

 

 

僕は・・・20年後に「医師数が余る」と言っている多くの方々がいることは知っていますが、結局20年後には活動範囲が拡大していて・・・そして医療がさらに高度化して、結局医師が足りなくなるのではないかと思っています。

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なかのひと 

 

昨日も初期研修医の先生に言いました

「将来、診断技術がコンピューター化によって上昇したとしても、医師は重要な位置にくる。なぜなら、すべての検査は『検査前確率』に対する「検査のOdds比」に依存する。コンピューターがやみくもに検査をしていくのと医師が考えて、検査をセレクトしていくのは効率性が違う。病態、症状だけではわからない要素もある。だから医師は勉強し続けている。」

 

これから知識が増えていくと・・・・例えば悪性リンパ腫でもDLBCLの細かい分類が2008年のWHO分類でも進んでいます。今年のBloodでもGC likeかnon GCかで『某薬』の効き目が異なるという論文があった。

 

これは何となく納得できることだが、知識が増えるということは調べることも増えるわけで・・・さらにそうやってやれることが増えていくと・・・また患者さんの数は増える

 

いろいろ思うことがありますが、そろそろ出発準備に入ります

では、また。

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ど~でもいい話:僕と研修医2名

2009-07-19 00:45:15 | ど~でもいい話

こんばんは

 

今、帰ってきました。

今日はバックアップに加えて、新教授の就任祝賀会ということでその手伝いにも行っていました

 

 

前教授の退官の時にも救急車で来た患者さんを夕方から挿管して、患者家族にIC(ムンテラ)して…ということがありましたが、今日も挿管騒ぎがありました

 

挿管すれば、ある程度安定しますので今日はなんとか参加できました。

 

 

その後です。

 

別の患者さんですがこんな連絡が研修医から22時ころ来ました

 

 

「○○さんですが、20時ころにモニター上STが上昇していたので、心電図をとりました。そしたらやはりSTが上昇していたので、採血して、循環器内科の当直の先生を呼びました」

「それで?」

ラピチェックは陽性でしたが、TropTは陰性でした。CK1500でCK-MBは35でした」

「あん?」

心エコーでは壁運動に異常はないそうですが、23時に再検しろといわれました

「今から行くから・・・・」

 

 

病棟に就くや否や流石に研修医を怒りました

「何で20時の話が22時にくるんだ?循環器内科の医師に血液内科がどういう判断しているのか聞けと言われたのか?当直の人間に連絡していないことを怒られたのか?」

「先ほど○○先生に連絡したら、そのことを先生にも連絡をして結果が出たら連絡をほしいと・・・」

「お前らさ、今回何も起こっていないけど・・・連絡しないままに何かやっていて患者さんに急変が起きたらどうするつもりだ?今回は心筋梗塞が起きているかもしれないと思ったのだろう?患者が死んだらどうするつもりだったんだ?」

「・・・」

「何度も言うようだが、患者さんに不利益があったらどうするつもりだ?また、研修医だけで判断して何かをしていて、その間に何かあったらお前らをかばうことは不可能だからな?監督責任で血液内科として問題を問われるのは当然として、お前らも責任が出てくるんだからな?」

「・・・・・」

「今回、循環器内科の医師が再検しろといった意味は、ラピチェックは心不全でも上がるし、特異度は低い。ただ、早く上昇してくる。一方で、特異度は高いが上昇が少し遅いTropTがどうなるかで判断しようということだからな?」

「・・・はい」

CK1500だったら、骨格筋に5%くらいは含まれていることも考えるとCK-MB35は全く問題にならないからな!(一応、今までもCK1500くらいです)」

「・・・・」

「ここで連絡を入れないうちに本当に心筋梗塞でVfが起きたら、心停止が起きたら・・・対応できるのか?また、急性腎不全に対して今対応して行っているのに、それを度外視してCAGやれば…必ず透析になる。そこらへんも考えて循環器内科に話をしていたのか?」

「・・・・」

「検査というのは検査前確率と、検査のOdds比で成り立っている。お前らがどれだけ検査前確率を上げているのかは知らないけど・・・・」

「・・・・」

お前らには患者の命という責任がかかっていることを考えろ!」

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なかのひと 

 

結局、TropTは再検でも陰性でした。他のマーカーもAMIを示唆せず、循環器内科、主治医の意見も含めてあわててCAGはしない方向で動き始めました。

 

こんなことをしていたら0時を回っていました。

そして今日は当直です

悲しいなぁ・・・・。また頑張ろう・・・・。

 

P.S

ただ、土曜日の夜でしたが研修医は4名・・・0時まで働いていました。それだけは評価したいと思います。

そうやっている研修医もいれば…世の中には「お客さん」になっている研修医もいます。うちは厳しいのかもしれないですけど、最初の2年は結構鍛えられるのではないかなと思います

コメント (2)
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