新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

ど~でもいい話:僕と研修医と医師の責任

2009-07-05 19:17:31 | ど~でもいい話

こんばんは

 

今、病棟から帰ってきました。病棟も少し先程の一件で冷えたのではないかと思っていますが・・・

 

 

いえ、昼間に書いた「ホウ・レン・ソウ」のない研修医くんが再び勝手にいろいろやっていたので、怒りました

 

「お前はどういう判断でこれをやったのか?」

「~~~で」

「ほう、そうすると昨夜は~が原因と考えて(所見もとっていないのに)ゾシンの投与を開始しておきながら、一日たたずに解熱していないから勝手に追加の薬を投与したというわけだ」

「はい」

抗菌薬の処方の原則は?効果判定は?

「・・・・・・・・」

「どうした。おぃ。返事しろ」

「・・・・」

ABKの投与についてはどういう投与なのか?

「一日一回投与です」

「今は好中球減少がないからいいが、好中球が減ってきたらどうする?

「・・・・・」

お前の指示の中には患者さんの命っていうものがかかってんだよ。お前の指示で患者が死んだらどう責任取るんだ。おい」

「・・・・・・」

医療なめてんのか?てめぇ」

(椅子蹴っ飛ばし)

(自分でもこのあたり演技入っているなぁ・・・と思いました)

 

「お前の指示で患者さんに何かあった場合、お前しか知らなかったらどうしようもないだろう?お前らの判断をできるだけ聞きたいから、いつもどうするか聞いているけど、それは勝手にやっていいということではない。アホかてめぇは」

(もうこのあたりでダンマリですよね)

 

 

「お前が、誰か上に医師に相談して、少なくとも俺に相談してその結果だったら、俺に責任がある。お前が勝手に判断して、お前がやったことで患者が死んだらどう責任を取るつもりだ。俺らも庇いようがないし、俺らも監督責任が出てくるだろう。お前は俺らの誰よりも判断力があるって言うのか」

(すなわち研修医が勝手に判断した場合、監督責任はもちろんのこと研修医本人も責任を取らなくてはならない。しかし、上の医師が知っていたらその人間の責任ですから、研修医はそれを糧に発展していけばよい)

「・・・・・・」

「(お前が)そんなことやっていたら信用のかけらもないだろう。あぁ、どうやって任せろって言うんだよ。おい」

 

他の研修医の場合、指導すると言っても二人きりとかで話をする、もしくはこういうことだから、こうするんだよ・・・とかいうことが多いのですが、こいつは何回言ってもわからないから「全員」の前でやりました

 

そのくらいの方が今回は本人も少しは反省するでしょうし、周りにいた研修医(2名)も自覚するでしょうし、何よりも医療の怖さがわかるでしょうから(その前に僕が怖いと思われそうですが)。

 

 

医者の判断には「患者の命」だけでなくて「患者につながる多くの人の生活」「その命にかかわる全ての人の心」「その人の仕事から有益なものを受け取る人の生活」山のようにかかっていると思います。だからこそ、いろいろなことを僕らは一生懸命勉強しますし、それを使って人に貢献しようと思うわけで・・・。

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その「医療」に関する責任を・・・いろいろ考えてほしいと切に思っています。その怖さを・・・・。

 

今回の一件で研修医Aが反省して、いろいろ考えるようになるのならばいい。医療の怖さをわかるならいい。ただ、わからないままやるのであれば、医者辞めたほうがいいと思うし、ただ沈み込むだけならこっちがわざわざ怒った甲斐というのもない

 

人を怒るというのはすごいストレスが大きいのにね・・・。特に僕みたいなタイプは(はぁ

 

 

さて、今後はまともに連絡があることに期待しよう。

それでは、また。

コメント (8)
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日本の医療を世界に誇れる点、誇れない点

2009-07-05 12:58:47 | 医療

こんにちは

 

今日も病棟は安定しておりまして、今引き揚げてきました。とはいえ、今日も一日自宅待機なので、特別やることもないのですが・・・

 

 

毎週、学生の抄読会(論文読んで、発表)の面倒を見たりしているのですが、やはり僕が自分で選ぶよりも学生さんに選んで来てもらった方が良いですね。自分では選ばなそうな論文をセレクトしてくるので、面白い発見があります。

問題は自分で読み解けよ~ということ+もう少し早く持ってこい~ということくらいでしょうか。

学生の相手をしているときに時々国家試験の話をしたりしますが、

「僕が学生の時は先輩から『5年の終わりには100回受けたら100回受かるようにしておけ』と言われていたものだ…」

といったら青い顔をしていました。全員が受かるかどうかは別として、そのくらいの意気込みがほしいものです。当然、病棟実習は人並み以上にやって・・という大前提で。

(僕は受け持ち以外の患者のデータも見て、ファイルにルーズリーフを使って、僕個人のカルテを全員分作っていましたけどね・・内科では)

 

また、別件ですが・・・先程病棟で研修医と話をしていました

「昨夜、▽■さん40℃近い熱が出ているけど、所見はどうだった。まだ白血球もあるし、しっかりと所見は出ていいはずなんだけど?」

「えっ。一応腹部に圧痛があるんですが、W-Jカテーテルが入っている位置ですから…尿路感染かな~って」

「ほう。W-Jカテーテルが入っているから痛い…というのではなくて、そこから逆行性に感染したと?じゃぁCVA Tendernessは?」

「とってません」

「所見が取れないなら、事後報告じゃなくて連絡しろ」

 

抗菌薬は開始されていましたが、休日なので血液培養くらいしかとれないので、血液培養をとって開始しているのは構わないのですが・・・。

僕が研修医の時は…申し訳ないけどもう少し知識もしっかりしていて、それでも責任の問題があるから必ず連絡していたものですが・・・・。

困ったものです。 何回言っても理解しないのだろうか?

 

そんなことを思いながら、やはり夕方に一度状況確認しにまた病棟に行かないといけないだろうな~と思っている今日この頃です。

 

さて、今日はこちらの記事です

人口千人当たり医師2.1人、OECD平均を下回る http://www.cabrain.net/news/article/newsId/22955.html  

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090703-00000009-cbn-soci

経済協力開発機構(OECD)は7月1日、加盟30か国の保健医療統計の国際比較「OECDヘルスデータ2009」を公表した。それによると、06年の日本の人口1000人当たり医師は2.1人で、OECD平均の3.1人を大きく下回った。OECDでは、この要因の一つに「政府が医学部入学定員を制限していること」を挙げている。  「OECDヘルスデータ2009」によると、日本の06-07年の総保健医療支出の対GDP比は8.1%で、OECD平均の8.9%を下回った。この割合が最も高いのは米国で16.0%。次いでフランス11.0%、スイス10.8%、ドイツ10.4%の順だった。  

 

日本の人口当たり医師数は、他のほとんどのOECD 諸国より少なく、06年は1000人当たり2.1人。また、人口1000人当たり看護師数は9.4人で、OECD平均の9.6人をやや下回った。  

 

CTやMRIといった診断用機器の数については、多くのOECD諸国で過去10年間に激増。07年のOECD平均のMRIスキャナー数は人口100万人当たり11.0台となったが、日本では既に、05年に人口100万人当たり40.1台を保有しており、ずば抜けて多い。  

 

日本の平均寿命は06年時点で82.6歳と、OECD諸国の中で最も長い。日本は過去数十年、著しい平均寿命の伸びを見せており、これについてOECDでは、「特に、男女とも、今ではOECD諸国で最も低くなった心疾患死亡率の低下に起因している」としている。 

 

また、乳児死亡率も過去数十年間に劇的に低下し、07年の出生1000人当たり死亡数は2.6人。OECD平均4.9人の半分近く、OECD諸国で最も低い。  

 

一方、日本では07年時点で26%の成人が毎日喫煙しているが、OECD平均では23%。特に男性の喫煙率は40%で、韓国、ギリシャ、トルコに次いで依然として高いことが示された。

更新:2009/07/03 21:42   キャリアブレイン

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と、言うことで基本的に医師数は低い日本。しかも他の国と違うのが「実働医師数」が不明なこと。看護師もおなじ

医師免許を持っていても働いていない人もいますから、実際のところはもっと少ないのではないかと思ったりします。

 

その状況下で「平均寿命」が高く、「乳児死亡率」が低い国日本。

 

それは日本という国が日本の医療を世界に誇っても良い点だと思うのですが、日本の医療を世界に誇れない点として「医師数」「看護師数」「医療費」などがあるのだと思います。

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なかのひと 

いつも書いていますが、教育は日本の未来を支える根幹となすものであり、社会福祉や医療というものは「安心」「経済の安定性」「消費」を支えるために必要なものだと思っています。

 

少しそういった視野でも「医療」「社会福祉」というものを考えていただければと思っています。

 

さて、今日はこの後はしばらく休憩して、また病棟にいってきます。

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