新・眠らない医者の人生探求劇場・・・夢果たすまで

血液専門医・総合内科専門医の17年目医師が、日常生活や医療制度、趣味などに関して記載します。現在、コメント承認制です。

感染予防に完全はない:それは皆が知って、各々気をつける必要があると思います

2009-07-29 23:00:57 | 医療

こんばんは

 

今日もそこそこ落ち着いた日々が過ぎておりました。病棟や外来、その他骨髄採取関連や他院との連携などをからめると結構バタバタしているのですが、それでも病棟が落ち着いている方なのは僕にとってはありがたい話です。

 

 

今の病棟状況はそこそこ安定しているという感じですが、まだまだ油断はできないというのが「血液内科」という診療科ですね。

 

恐らく、この週末に急性白血病の地固め2コース目をやっている方が退院され、今度3コース目の方が来週入院されると思います。他にも初発のAML M0(今で言うとMinimal differentiationですか?)の患者さんのSibling donorが2人見つかり、再び地固めの後に移植をしようと計算中です。

 

まぁ、他にもいろいろいいこと悪いことがあったのですが・・・まぁ、そこそこ落ち着いているというのは変わりはありません。

 

さて、今日は最近午前様が続いていたので、ささっと書いて早く寝ようかしらと思っています。実際は本を読んだりネットサーフィンしたりするのでしょうけど・・・。

 

救済対象外の血液製剤でも感染か 薬害C型肝炎、相談相次ぐ

7月29日20時44分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090729-00000600-san-soci  

 

薬害C型肝炎問題で、昨年1月に成立した被害者救済法の対象外となっている血液製剤を投与され、C型肝炎に感染した患者からの相談が、薬害肝炎弁護団などに寄せられていることが29日、分かった。投与と感染の因果関係は不明だが、弁護団は厚労省に調査を求めている。  

 

厚労省などによると、現在の救済法で救済対象となるのは田辺三菱製薬の「フィブリノゲン-ミドリ」など3社の8製剤を投与された患者。しかし、弁護団には8製剤以外の血液製剤を投与されたC型肝炎患者からの相談がこれまでに20~30件寄せられている。  

救済対象外の血液製剤の投与を受けた肝炎患者については、厚労省も製薬会社11社から報告があった135例について調査中で「専門家の意見を聞いて判断したい」としている。

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この肝炎の問題に関しては薬害なのであれば、しっかり保障した方が「一方は補償の対象、一方は違う」という矛盾がでなくてよいと思うのですけど・・・・。

 

ただ、保障することとこういった薬害が0になるかどうかというのは全く別だとは思っています。

 

実際のところ、原因不明の肝炎の感染というのはありますよね。

先日、内服抗癌剤で治療を始めた慢性リンパ性白血病の患者さんが

「若いころ、原因不明の肝炎に感染しました」

と言っていました。

 

 

抗癌剤治療前に様々な検査をしますが、その中の感染症の項目の中にC型肝炎があります。この方はC型肝炎が陽性でした。

 

若いころの肝炎とC型肝炎が同じものかはわかりませんが…若いころは「C型肝炎」という病気がなかったわけで、原因不明の肝炎がそれであった可能性は否定できません。

 

今後もおそらく同じようなことは起こるかもしれません。

 

 

今日、小耳にはさんだ話では「宇宙ステーション」の船内の壁にいた菌は「緑膿菌に似ているがまったく異なる菌」だったそうです。

 

同様に環境が変われば「感染微生物」は変化します。

 

医療が進めばそれに対して必ず対抗するような感染源となる生命が誕生しますし、それ以外にもまだ分かっていない未知の感染症は無数にあると考えられています。

 

そう言ったものがすべて予防できるかと言えば、相手が未知である以上は予防はできないでしょう。

 

通常の医療でも完全という単語はないといってよいですけど、このような「感染予防」に関しても「完全」という言葉はありません。

 

ただ、一般的に感染症であれば侵入経路が決まっているから、できるだけそれを防止することだけです。

 

完全を求めても完全にはなりえないということを多くの人が知る必要はあると、僕はそう思っています。

それでも、お互いの幸せのためにやらなくてはならないのですけど

 

例えば…温暖化とともにマラリアとかが増えたとしたら・・・どうでしょうか?

 

 

マラリアが増え始めた・・・とわかれば「蚊」に刺されないように様々な予防はするでしょうし、状況によっては予防内服なども行われるでしょうけど、一般的には日本にマラリアは起きる可能性は低いわけです。

ならばやりませんよね・・・普通は・・・・。

相手がわかれば「予防」の仕方も対処の仕方もわかりますけど、相手が未知の状態では「一般的な方法」以外に対処のしようがない・・・というのは事実だと思います。

 

 

今回のように薬害という場合、本人の努力では予防できませんでしたし・・実際(AIDSの場合ではなく、今回のHCVに関しては)わからなかった病気の予防というのは難しいと思います

 

 

ただ、僕達は常に感染症を起こす生命体と隣り合わせで生きています。そう言う意識は持っておくべきです

 

僕は血液内科ですから白血病の患者さんを多く診ています。

 

白血病の患者さん・・・抵抗力がなくなった時期は…その辺を漂っている「カビ」にも感染してしまいます。逆をいいますと、抵抗力がなければ…僕達は感染症と隣り合わせです。

 

ですから、新型インフルエンザも含めてみんなでできるだけの感染予防(手洗い、うがいなど)をしましょう!

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なかのひと 

<新型インフル>感染者の4分の1が帰国者 6割が米国から

7月29日20時5分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090729-00000090-mai-soci  

 

今月7日までに発症した国内の新型インフルエンザ感染者のうち、約4分の1が海外からの帰国者や入国者で、うち約6割の渡航先が米国だったことが、厚生労働省のまとめで分かった。渡航歴のある発症者の割合はさらに減っており、現在は1割程度という。  

 

新型インフルエンザは、5月中旬に関西の高校を中心に流行し、下旬には終息したが、6月から再び増加を続けている。今月7日までに発症日が確認された2064人を分析したところ、渡航歴があった患者は約24%の494人、渡航者から2次、3次感染したと考えられる患者は82人だった。渡航先は▽米国300人▽フィリピン64人▽オーストラリア36人▽カナダ25人▽タイ14人--などだった。  

 

渡航歴のある患者は6月中旬以降、毎日10~20人程度で推移し、発症者全体に占める割合は相対的に低くなっている。厚労省は「国内でウイルスはある程度広がっており、今後は集団感染や重症例の早期発見に力点を置く」としている。【清水健二】

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 ということで、明日は外来+α(病院内CPC)で大変なのでここで失礼いたします

 

 

では、また。 

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介護保険:介護が必要な人は受けられるようにしましょう

2009-07-29 07:14:45 | Blogを書く理由

おはようございます

 

昨日は・・・というか今日か…帰ってきて、Blogを書いて「更新」ボタンを押したら・・・・・また消えました。

 

あまりにもショックだったので(また、時間ももう1時ころだったので)そこであきらめて、寝させていただきました。

 

今朝は記事を書きながら、洗濯が終わるのを待っています。

 

 

昨日は移植の患者さんが何とか持ち直してきたかな…と喜んでいるところです。患者さんの状態が改善していくことはうれしいので、毎日が楽しくなります。

 

毎日病棟に行っては

「おぉ~♪」

と、喜んでいます。

 

 

さて、昨日記事を書いていたのはこの話です

要介護基準を大幅修正=「認定の軽度化」批判受け-厚労省

7月28日18時30分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090728-00000120-jij-pol  

厚生労働省は28日、4月に導入した要介護認定の新基準について、74調査項目中、身体機能や生活状況などに関する43項目を修正する方針を決めた。新基準による認定状況を検証した結果、介護が不要とされる「非該当」が増え、要介護度がより軽度に認定される傾向も強いことが判明したため。今回の大幅修正により、従来基準と要介護度が平均的に同程度になるよう是正する。修正案は同日の有識者検討会に提示、了承された。 

 

同省は「以前より判定が軽くなる」との批判を受け、1489の自治体が新基準に基づき4、5月に判定した結果を検証。併せて、申請者が希望すれば従来のサービスが受けられる「経過措置」を採用してきた。ただ、経過措置により自治体の認定作業は混乱しており、検討会は、新基準を修正した上で、10月1日をめどに経過措置の解除を目指すことで一致した。 

 

検証の結果、新基準で非該当となった人は全体の2.4%で、前年同期の2.7倍に増加。非該当を含めた要介護度1以下の人も4.1ポイント増の53.6%に上った。また、在宅介護を受けている更新申請者の20.6%が前回より軽く判定されたことも分かった。 

 

修正案では、従来基準の課題だった認定のばらつきを是正。その上で、手足などの「能力・まひ」に関しては、調査時点の状態と、実際の日常生活での状況が異なっている場合には、日常生活での状況に基づいて認定することにした。また介助の方法が必要なレベルに達していない場合は「適切な介助」を選び直すなど、実情を重視した基準に変更した。 

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昨日も書いていたのですが…両足の股関節がやられてしまった多発性骨髄腫の患者さんで、もう立てないのに…介護認定が下りないらしいですよ。整形の先生にそちらはお願いしていたのですけど、そう言う話でした。

 

絶対に介護が必要な人が介護保険を受けられない・・。これは現実です。今までのものでも、若年(65歳未満)の場合は国が定める疾患・・・でなくてはならず・・・

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なかのひと 

 

現実的に介護が必要な状態の人も介護が受けられないなどということがありました。

 

この分野に関しては僕は詳しくないのですが、僕が遭遇する「介護」の件ですら、いろいろ問題があります。神経内科、整形外科、脳神経外科、リハビリなどの先生はいろいろお困りではないだろうか…と思っていました。

 

 

今回も朝令暮改で現場の混乱は避けられないと思いますが、まだ悪くなったのを元に戻すのであれば…そしてどうせならば今後「改善」させてもらいたいものです。

 

本当に困っている患者さんというのがいらっしゃいますので さて、昨日と言えば川村さんが亡くなられましたね。

 

歌手の川村カオリさん死去、乳がんで闘病

7月28日18時30分配信 サンケイスポーツ

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090728-00000529-sanspo-ent  

昨年10月に乳がんの再発・転移を発表し、闘病中だった歌手、川村カオリさん(38)が28日午前、都内の病院で死去した。所属事務所が発表した。  

 

川村さんの公式ホームページには「川村カオリが、左乳がんの再発の為治療しておりましたが、本日平成21年7月28日午前11時01分、都内病院にて永眠致しました。ここに生前のご厚誼を深謝し謹んでご通知申しあげます。これまで応援して下さった皆様に深く感謝致します」と発表された。  

葬儀については「親族の意向により、親族、友人のみの告別式とさせていただきます」としている。   

 

川村さんは90年代に「神様が降りてくる夜」、「翼をください」などの曲で人気を博した。04年に乳がんを患い、乳がん治療で左胸を失うなどした。回復後、音楽活動を再開したが08年10月に乳がんの再発・転移を公表した。

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翼をくださいとかZooとか好きだったんですけどね

 

離婚のときに子供・・・母であることを選んだという話をされていましたが…強い人だったと思います。最後のライブも・気力で頑張っていたのだと思いますし・・。

 

御冥福をお祈りいたします。

 

それでは、洗濯も終了しましたし僕は現場へ出発します

 

コメント (3)
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