今年初めての美作サッカーラグビー場。と言っても、来季からは2回戦制になるので2回来れるのは今年が最後かもしれない。(全女次第)
岡山湯郷Belleの試合告知ポスター。資金難とは聞いているが、なかなか凝った作りのもの。専属のカメラマンがいるのかな?
なでしこリーグ ディビジョン1 第7節
2009年05月17日 13:00K.O 岡山県美作ラグビー・サッカー場(621人)雨 芝水含み 風無し 主審 竹下聖
アルビレックス新潟レディース 3-0(2-0、1-0) 岡山湯郷Belle
9分失点、12分失点、54分失点
東山選手がいない。怪我だからしょうがないことだが、彼女の戦っている姿が見れないは凄く残念だ。他の選手に期待しよう。
西日本の試合なので不安はあったが、今回もやはり主審はあの「
竹下聖」。(まだ広島ビッグアーチに勤めているのかな?)
昨年9月にここ美作で、カードを出しまくり試合をぶっ壊した筋金入りのお嬢様審判だ。
確実に接触プレーでは試合を切られてFK。流すことはしないので、癖を理解しておかないで普通の主審のようにやったら自陣でFK打たれまくりになってしまう。
両チーム共にリズムに乗れないだろうから、焦れないのが肝心。
へたにカリカリすると怪我の原因になる。
[岡山湯郷Belle]
------福元------
-井関-秋葉-保手濱-津波古
----中野--松田----
-田畑---有町---中川千
------加戸------
SUB:GK池ヶ谷、DF池田、MF西川、MF壷井、MF中川理
監督:本田美登里
80分 田畑→壷井
89分 中川千→中川理
中川理恵を外して、神村学園高出身の田畑を起用。
控えGKに岸がいないのは怪我としか考えられないが。ユニフォーム姿が見れないのは残念。
はっきり言って、スタメンは岡山湯郷Belleの皮を被った大原学園にしか見えない。それだけこの美作という小さな町が学生を受け入れてあげたと言うことだろう。
このチームは中野と加戸が軸だと思うので、その2人をどう分断するか。
それにしてもやっかいな2人が融合したもんである。
[アルビレックス新潟レディース]
----菅澤--大石----
佐伯---山崎-----口木
------法師人-----
山本--詫間--川村--斎藤
------大友------
SUB:GK諏訪、DF井上、DF波佐谷、MF上尾野辺、MF中村
監督:奥山達之
54分 口木→上尾野辺
67分 法師人→中村
奥山監督、少しスタメンをいじくってくる。
いつものようにフォーメーションについてはあってないようなものだから大体の感じで。中盤の法師人と山崎が前後左右に動いてゴールをもらいにいくような形。
右SBを前節の波佐谷選手から斎藤選手に。斎藤選手のSBは春から練習していたので右SHとの入れ替わりでどんどん攻められるか。
俊足中川千尋のスピードに付いて行けるかが課題だろう。
左SHには前節インターセプトしまくりだった佐伯選手が入る。
ボランチには山崎選手。これも春から練習をしていたので守備の腕のみせどころ。
てっきりボランチには佐伯選手が入ると思っていたが、今回の中盤は山崎選手。器用だな。
2トップは久々大石選手と菅澤選手が組む。菅澤選手がトップでボールを納められるかどうかで大石選手の可能性が変わる
シュート練習の大石選手は万全そう。それにしても何種類のキックを持っているんだろう。
雨が時折強くなる。ピッチは濡れてボールは速い。が、風が全く無い。標高160m程らしいが、周りは山に囲まれているからか。
雨の影響で、気温は高いのだが、濡れて寒い。そんな昼下がり。12:00K.Oだったらもう少し雨の影響は少なかったかもしれない。そんな雨の美作サッカー・ラグビー場。定刻13:00K.O。
試合開始直後は湯郷ペース。ボールを回される。アルビも徐々にペースを回復する。
アルビの選手がチェックに入ってボールを奪うものの、中盤の中野と松田の出足が速い。
このカードは、いつもの通り、ハーフウェーラインを挟んで10mほどの(わずか20mほどのの距離の中で)20人のフィールドプレーヤーがボールを奪い合う。
ピンボールのようなサッカー。それだけお互いにラインが高い。そのくせオフサイドトラップを掛けようというわけではない。
アルビがちょっとでもミスをすると、DFの裏に放り込まれてアルビのピンチになり、逆に湯郷がボールを奪われると、アルビの繋ぐサッカーで相手ゴール前へ攻め込んでいく。
まるで社交ダンスを踊っているかのようだ。
その中で、流れに乗れないで、倒れれば笛を吹くまくる竹下聖主審。できれば、お互いの鍛え上げた肉体と技術の真剣勝負に水を差してほしくはない。
湯郷の選手は、若い選手が多くて、足が速い。スタミナも最後まで落ちなかった。
前節の東電とは打って変わって、正面から挑んでくる。アルビもそれを正面で受ける。(お互いにベテランらしき年齢の選手はいることはいるが、東電の宮本のような反則すれすれの老獪な技術は持っていないし、おそらく発想がない。)
9分に加戸に振り切られ、有町に合わされる。90%は加戸のゴール。
これは相手の技術が上。東山選手なら回避できたかもしれないが、他の選手も加戸との一騎打ちに負けていいわけがない。
問題はその後で、切り換えがつかず中盤が空いてシュートを撃たれる。大友選手のファインセーブでハッとして、気持ちが切り換わる。
その後も加戸に手を焼く。パワー勝負で川村選手が加戸を抑えると、有町のマークが甘くなる。
有町も「有町ツィンズ」と言われた時代からすっかり一本立ちして怖さが出てきた。北信越協会が生んだ最高のFWになったかも。(もちろん中川千尋も)
12分、加戸との接触プレーでFKを取られ、中野のFKが選手に当たりコースが変わって失点。これはアンラッキーだが、竹下聖主審の時に自陣での接触プレーはやはり注意すべきだったろう。触れてもカードを出されそうなのだから。
これも加戸の勢いが優った感じのファール。ボールを加戸に出されちゃうと一気に前に出られちゃうんでファールで止めるのも致し方ないかな。
湯郷は早い段階で2点取ったことで守備的に。後半に備えて体力を温存する作戦か?
もうちょっとボールを支配して、攻めてくると思っていたのだが、むしろアルビがボールを支配。
福元がDF陣にコーチングをして、ラインを調整させる。この辺は上手い。
CBの秋葉と保手濱のブロックが有効だ。おそらく城地や武者よりも力強さのあるこの2人組の方がアルビ的にはやりづらい。
アルビはボールを持って攻めるのだけど、この日の湯郷の中盤が法師人選手を徹底的にマーク。素早い寄せで全くボールコントロールをさせてくれない。
裏に向けるボールから何度かチャンスを作るもアルビアタッカー陣が決めきれず。
福元のキャッチで逆に守備にまわる。
が、この日の福元のキックがおかしい。たぶん、今まで見た中で一番不安定。
相手が大友選手だったこともあり、差が歴然だ。
当然代表の正GKであるべき逸材が今回招集されなかったのはまだ怪我の影響があるってことなんだろうな。
結局、攻めても一点も奪えず前半を終了。
2点を返すには、このまま攻撃的にいくしかない。だが、ゴール前、もうちょっとのところでミスが。
雨脚が次第に激しくなって、本降りになってきた。
後半は開始から終了まで、アルビが攻め、湯郷が堅く守ってカウンター狙いの展開。
この展開は今シーズン初めてだ。
1対1でボールを奪えるようになったので、湯郷陣内で試合を進める。
2点を取られなかったら果たしてどうなったかはわからないが、事実として湯郷は引いて、俊足中川千尋のカウンター1本狙いだ。
さらに押すべく、後半9分に口木選手を上尾野辺選手に代えようとピッチ脇に。
そんな矢先に、前掛かったアルビの選手をあざ笑うかのように綺麗にカウンターを取られて駄目押しの3失点目。
前半の途中からずっと狙っていた形をまんまとやられる。
またしてもカウンター。何度のこの失点パターンをこの美作で見ただろうか。
直後に口木選手を上尾野辺選手に交代し、山崎選手を右サイドSHに。(遅かった!)
もう攻めるだけになったアルビ。山崎選手が守備から解放され、野に放たれる。
右SHの山崎選手がガンガン前にいくものだがら、実質、菅澤・大石・山崎3選手の3トップ状態になり、相手バイタルエリアまで好き勝手に攻めることができる。
そこだけ見たら最高の攻撃陣なのだが、最後の最後で中盤のところでボールを奪われ、カウンターの守備へ。
後半22分、法師人選手に代えこちらも俊足中村選手を投入。
ボランチに佐伯選手が入るが、これが上手く機能して、左SHに入った中村選手を活かせるようになる。
絶対に届かないだろう距離に蹴られたボールに向かって中村選手が走ると場内がざわつく。
で、結局追いついて、CKを連続して取ることができる。
おそらく今の中村選手に追いつけるなでしこリーガーは極少数に限られるだろう。
CKから攻めるも決めきれず。
攻めて、攻めて、攻めて、でも堅い殻は破れず、2分間のロスタイムがあっという間に過ぎ試合終了。
チャンスもたくさんあったんで、それを決め切れなったのが敗因かな。
記録用紙上と実際の試合の感じはかなり違うと思う。
本田監督の采配でまたしてもやられてしまった。美作では未勝利。
攻めているんだけど、まだ足りないものがチームにも、選手にも、監督にも、サポにもあるってことか。
0-3の敗戦なんで、大敗ではあるのだけど、目立った守備の凡ミスは今回は無し(1失点目は相手が上手かった。)。攻撃でのミスはいっぱいあったけど。
加戸と言い、菅澤・山崎両選手と言い、U-19日本代表候補はやはり活躍していた。もちろんチャレンジの選手も。
今回、アルビの出場選手の年齢を見ると、半分がいわゆる大学サッカーとと同じ年齢だ。(実際、大学生なのだが)
ある程度の失敗は覚悟で経験を積んでいけば、絶対に相手の様子を見ながら自分達をコントロールできるチームになれると思うのでそれまで我慢と言うことで。
課題は敗戦の中からの方が見つけやすいので、この試合を含めて7試合を検証してほしいものである。
大石選手と佐伯選手。TASAKI時代には見られなかった自発性というかリーダーの自覚と言うか、そういうものが感じられる。
この2人の活躍無しではチームの浮上はないだろう。
是非、次回は小原選手と東山選手が出場して、湯郷も怪我人が万全な状態で、普通の主審が裁いたガチンコの試合が見てみたいものである。