長岡市営陸上競技場。老朽化が目立つ施設ではあるが、これが長岡の最高の施設である。
大花火大会の時の観客席としては最高レベルだ。
GW最終日。日差しは弱いものの蒸し暑い。河原なんだけど、川の涼しさは全く無い。
なでしこリーグ ディビジョン1 第5節
2009年05月06日 12:00K.O 長岡市営陸上競技場(829人)曇り 芝良 微風 主審 須永久美
アルビレックス新潟レディース 1-3(0-3、1-0) ジェフユナイテッド市原・千葉レディース
34分失点、39分失点、44分失点、54分吉田瑞季1
GWの3連戦のうち後半2試合をホームでできるアルビ。
疲れもあるだろうし、怪我人も出てきている。
相手も同じ条件なので、ここを凌ぐしかない。
ジェフの選手は一様にリラックスムード。
開幕前に対戦した時はミスもあり完敗した相手なので、今回こそは一矢を報いたい。
上村監督は女子チームを引きいて長いので、その経験が今の好調の原動力か?
開幕前に浦和レッズの村松監督は今季のマークはずばりジェフ千葉と言っていたが、まさしくその通りになった。
本日のご挨拶はGK大友麻衣子選手。しっかりとした挨拶だった。さすが場慣れしているね。
ちょっと今回はゴール裏はピッチから遠くて、さらに段が低かったので、ジェフ側の動きがあまり良く見えなかった。
とりあえずスタメン。たぶんこんな感じだったと思う。
[ジェフユナイテッド市原・千葉レディース]
------斎田------
-後藤-高橋--浅野-西口-
----吉本--三上----
-牧野--------安田-
----清水--石田----
SUB:DF柴田、MF井上、MF白鳥、MF海老澤、FW深澤
監督:上村崇士
43分 清水→海老澤
64分 石田→深澤
76分 浅野→柴田
肩の脱臼で戦列を離れていた清水が復帰。前節から白鳥が外れる。
開幕から順調に勝ち星を挙げてきているジェフ千葉の上村監督は連戦を配慮して多少のメンバーをいじってくる。
[アルビレックス新潟レディース]
----吉田--菅澤----
上尾野辺--法師人---落合
-------川村-----
山本--詫間--東山--伊藤
------大友------
SUB:GK諏訪、DF波佐谷、MF斎藤、MF山崎、MF佐伯
監督:奥山達之
HT後 落合→山崎
58分 吉田→佐伯
前節から口木選手と小原選手が外れ、山崎選手と佐伯選手がベンチ入り。
スタメンは変更無し。
FPの疲労をどう対処していくかがこの試合のテーマだと思うが、奥山監督は勝っている時はメンバーをいじらないという鉄則を選択。
珍しくTV取材も。地元TV局NST。
昇格効果だろうか?めちゃくちゃ多くなったジェフサポ。
ちなみにアルビレディースが2部時代、ジェフを苦手としていて、現ジェフの吉本らのシュートで辛うじて勝った。
小ぶりなメインスタンドはほぼ満杯になっていた。
世間ではお昼ご飯時の12:00、定刻にK.O。
試合開始直後はアルビが押し込む時間があったものの、徐々に清水の快走や安田の縦パスからジェフペース。
ジェフの特徴は、「分業制」。
水を汲む人、水を運ぶ人、水を撒く人の役割がはっきりしている。
水を運ぶ清水のスピードにアルビの選手が付いていけない。
リーグ得点王の石田はゴール前で張ってチャンスを窺っている。
DFは無理せずに守備を固めて、的確に水を運ぶ人へボールを預ける。
アルビはゴール前にロングボールを放り込んでチャンスを作ろうするものの、守備に専念するDF陣の壁を越せないどころか、攻め込んだ裏を突かれて、そのたびに自陣に戻るようになる。
ある程度、ボールを持ってピッチを広く使って様子を窺っている時は試合も優位に立てるのだが、省エネのジェフは反撃となるや押し上げが速い。
落合のプレスが甘くて、相手左サイドの安田がほぼフリーでプレーできている。
さすがの落合もベレーザ戦からの連戦で体力的に限界を迎えているのだろうか?
ジェフは試合開始から終始アルビの右サイドを徹底的に狙ってきていた。
開幕前に対戦したジェフ・東京電力・浦和レッズの得点シーンはアルビの右サイドを崩され、そこからGKを越したファーの位置(東山選手の守備範囲を越えたところ)へのクロスで、相手のFWに詰められことによるものだが、今回のジェフはさらに徹底している。
結局、34分にアルビの右サイドをフリーにしてしまい、安田からのクロスがどフリーの石田に渡りゴール。
さすがに目下得点女王をゴール前でフリーにしてしまうと、いかに大友選手であっても止められない。
詫間選手、痛恨のマークミスということになるが、その前にあのクロスを上げられたところで勝負ありかな。
失点はしたくないが、こういう場面は何度も経験してきているので、会場からは大きな声援が。
が、選手はちょっとシュンっとなった感じ。
迷いを持ったいるのか?39分、詫間選手がゴール前で石田にボールを奪われ失点。
2点取ったジェフは怪我明けの清水を好調海老澤に交代。逆に運動量が上がる。
前半終了間際にまたもアルビ右サイドを安田に突破されて東山選手を越した遠いサイドへクロスを詰めていた牧野がノーマークになっていたこともありドンピシャのゴール。
前半、決して調子が良くなさそうなジェフ千葉にアルビのミスで3失点。
去年もこういう形は多かったが、今年も凡ミスがらみの大量失点。
さすがに前半に3点取られると試合にならなくなる。
後半、落合に代え山崎を投入。
去年までは浦和レッズのJrユースで何でも屋さんだったのが、アルビの組細工のようなサッカーを半年で理解しろという方が無理というものか?
とりあえず、与えられたエリア内で攻守に動くが、チャンスになりかけるが、最後のところで攻めきれない。
後半9分、上手い形で中央から裏を取った吉田瑞季選手がゴール前でボールに追いついてナイスシュート。これが彼女のなでしこリーグ初ゴール。
攻撃の形が良かっただけに反撃ムードが盛り上がる。
が、そのまま動けなくなり、自ら×。
トレーナーが応急処置し、後半13分、佐伯選手と交代。
遠くの方から救急車のサイレンが鳴ってきて、そのまま病院へ搬送されて行った。
さて、佐伯選手。このスクランブル出場がなでしこリーグ初出場となる。
考える余地を与えなかった交代だったので上がるとか緊張するとかよりも目下の緊急事態をどうするかで全力を出していた。
右サイドに佐伯選手が入り、山崎選手がCFに回る。
この試合の命運は2トップを組む高卒ルーキー2人に委ねられる。
正直、この2人、今回は噛み合わなかったのだが、全く違う考え方の2人からは逆に可能性を感じた残り32分だった。
後半19分、連戦を考慮してジェフ石田を深澤に、後半31分、守備堅めにジェフ浅野を柴田に交代。
後半30分を過ぎると両チーム共に足が止まり、交代して入った選手だけが辛うじて動いている状態。
トップ下に入っているベテラン法師人選手は限界を有に越えて、得点チャンスに絡めない。
結局、奥山監督は最後の1枚を切らないまま試合終了。
後半だけを見れば形になった試合だった。
ジェフは勢いそのままに上位争いをし、アルビは自滅から下位に甘んじている。そんなことがはっきり出た試合だった。
今年のアルビレックス新潟レディースはメンバーが大幅に変わり、初出場や試合に長年出場していなかった選手が多い。
だから、良い経験も悪い経験も同じくらい貴重な財産になる。サッカーなんだから攻めていれば必ずミスは出る。その経験値が強豪チームとの差なんじゃないかと感じている。
でも、自滅は観ている人をがっかりさせるので、やはり無くしてほしいとは思う。
当然、毎日練習をして努力をしているのだが。
中3日をあいて今度は東京電力戦だ。
開幕前の試合では一方的に攻められて全く歯が立たなかった相手である。
当然、先乗りのスコアラーからの情報も既に入っているだろうし、これまでの対戦から、アルビの右サイドの攻撃は一層厳しくなるだろうし、東山選手の逆側へのクロスも増えるだろう。
今年のアルビを支える伊藤選手と詫間選手の気持ちがもっともっともっと強くなれば必ずチームは上昇に転じる。
弱気の虫を払いのけるように最大限の声援を送り続けたい。
ちょっと、えいりんさんチックになっちゃった。
※ 吉田瑞季選手、ようやく怪我から復帰して、課題だったポジショニングが改善されて、今回のゴールなんて今までで一番良い動き出しだったのに、怪我が残念だ。