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なんとなく囲碁夜話

私は囲碁が好きだ。初めはなんとなく、ニアミスを繰り返し、深みに嵌ってしまった。

個性派ではある?

2009-04-02 17:57:01 | Weblog
 昔、と言っても20年前ぐらいだろうか、S井流と言う碁がありました。
  但しローカルの小さな碁会所での話ですし、看板を上げているのでもないので全く無名の流派です。
 しかも他人が勝手につけた流派の名前で本人は名乗っていない。
  それどころか、S井流と呼ばれてもし知らぬ顔を決め込んで無視します。
 
 その人S井氏は席亭から「桜田門」と呼ばれていたところを見ると、現役を引退した警視庁の元刑事だったのかも知れません。
 誰かが「元は刑事さんだったのですか?」と訊いても、本人は「そうだった」とも「違う」とも返事をしません。
 肯定も否定もしないところを見ると「そう」だったようなきがします・・・
 席亭も「ホラ、目つきが鋭いでしょう」とからかうのですが、一切無視。

 さてこの方がS井流の元祖・家元・本家なのです。
  これはアマチュアのザルレベルでしか通用しない技であり流儀ではあるが、見方を変えると結構通用してしまうのだから怖い。
 今騒がれている「オレオレ」も他人事として話を聞けば『何で騙されるのか』不思議ですが、この流儀も似たようなものかも知れません。
 このS氏は低段ランクですからアマの囲碁ファンの中で一番層が厚いところでしょう。
 ですから、打つ相手が一番多いとも言えますから、いろんな人とたくさん打つ。
  この方の必殺技!?が「S井流」
 これはどちらかというと形勢が悪い時専用の技です。
  仮に形勢が悪くて、「蟻の一穴」とか「地獄で蜘蛛の糸」のような微かな望みも無い時、普通ならここで投了なのですが、S井流はここから始まる。
 平然と相手の打ったところと関係なさそうな所を打つ。
  相手は「何やっているのだろう」[勝負はついたのだから早く投げてよ」「まったく形勢を考えないでソッポばかり打つ人なんだから・・・」と考えて、注意力が散漫になると危険な時間です。
 S井流は別名「ダメ詰め流」ですから、ダメ数で一手勝ちになった瞬間やおら攻め合い発動。
 そう言う意味ではS井氏は形勢とか攻め合いの状況とかについては相手よりむしろよく分かっているのです。
 他に手が無いのもわかっているから「時」が来るまで死んだ振り。
  後で「S井流」と言われようと「ダメ詰め流」と言われようが動じない精神力が大事な要素です。
 
 そう言う精神力とか、相手をだますのにかなり局面を読んでいるのですから、そのような力があるのならまともに行ってそ進化しそうに思えますが、もしかしたら相手を騙すのにエネルギーを使うとか、「騙す快感」とか相手を「ぎゃふんと言わせる快感」に酔っているのかも知れません。
 何となく少しは分かるような気もしないでも無いところがコワイ!!。