監 督 ウォン・カーウァイ
脚 本 ローレンス・ブロック ウォン・カーウァイ
出 演 ノラ・ジョーンズ(エリザベス)
ジュード・ロウ(ジェレミー)
デイヴィッド・ストラザーン(アーニー)
レイチェル・ワイズ(スー・リン)
ナタリー・ポートマン(レスリー)
2007年 フランス=香港映画
あなたに近づくための5、603マイルの旅
>>監督は『恋する惑星』『2046』で眩暈がするほど美しく濃密な愛を描いてきたウォン・カーウァイ。前作『2046』で「時間」(『欲望の翼』もまた)をテーマにした監督が、今回選んだテーマは「距離」。独特のスタイリッシュな映像、夢うつつの雰囲気はそのままにアメリカを舞台に新たな愛の側面を描く、監督初の英語映画。
・・と、公式ページにはそう紹介されている。
ここでの「距離」は人と人との親密さの距離でもあるという。
物語の発端が「鍵!」と、『恋する惑星』を下敷きに、爽快感溢れるアメリカ的なロードムービーになっている。
監督の初めての英語映画は初心に戻ってのデビューというのが面白い。
英語圏デビュー作はハリウッド(アメリカ?)映画の王道をゆくものでした。
カーウァイ監督もアン・リー監督の海外成功で、心中穏やかでないものがあるでしょうね。
製作国は香港、フランスなんですね。
カーウァイ監督にはやはり、もっともっとフランス映画っぽい作品を期待したいです。
ジェレミーは商売柄、たくさんの人の人生(鍵)を見てきた。
(預かった)鍵を捨てると、開かない扉ができるんだ。
そんな決断をどうして僕ができる?
確かに、それは難しい。
考えさせられる台詞だ。
映像もブルーがかった色彩も相変わらず美しいのだけれど、ウォン・カーウァイっぽさが弱いなと思ったら、脚本がきちんとあって製作された映画らしい。
なるほど、監督の即興的な話運びのうちに、パズルが合わさり収束するような危うい意外性はない。
ノラ・ジョーンズ演じるエリザベスが失恋して、デリで働くジェレミーに慰められ心を残しながらも傷心を癒す旅に出る。
そう言えば『恋する惑星』でも、監督はヒロインに映画初主演の歌手のフェイ・ウォンを起用している。
故意か偶然か。笑
映画中、『恋する惑星』や一連の監督の映画お馴染みの名前や物たちが見え隠れ。
ニヤリとする楽しみはある。
レスリーやスー・リン(花様年華』『2046』のスー・リンチェン)、警官姿(思わず笑ったわ^^)、店のショーケース、女ギャンブラー等等。
でも、私はやっぱり、「夢のカリフォルニア」などの音楽といい、香港の雑多な街中に起こる不思議な奇跡のような愛らしく天真爛漫な恋の物語のほうが好きですが。
私には新鮮で斬新、目からウロコでしたから。笑
ニューヨーカーなら、そうでなくともアメリカ大陸横断は夢なんだろうと思う。
エリザベスは働きながらの旅の途中、様々な土地で様々な人たちに会う。
皆、愛においてなんらかの「喪失」を味わっている。
エリザベスが旅に出た時から、私にはラストは推測できてしまうのだけれど、(笑)いくつかの街で出会う人たちの傷つき、また、立ち直っていく姿をじっくり味わった。
あの二枚目のジュード・ロウがなりふりかまわぬ(モテると思うけどなあ、汗)気のいい働き者のマスターかな?を生き生き演じていて意外でした。
『スモーク』のオギーみたいに情のあるマスター、いそうでいないところに夢があります。
ジュード・ロウの面差しの目元など、レスリー・チャンを思い出させて感傷的になる。
特筆すべきはスー・リンを演じたレイチェル・ワイズ。
強くて、男性を惹きつけずにおかない、なまめかしさが色白の肌や目つきに表れていましたねえ。
愛が重すぎて・・
彼女が街を去らなかったのはやはり、彼を憎んではいなかったから。
気になって置いてはいけなかったんでしょうね。
愛していても、どうにもならない二人の複雑な関係・心理はやるせない。
このワンストーリーだけでも1本の映画になりそう。
愛するにも「距離」は必要なのだと・・気づかされる。
ナタリー・ポートマンは大人の女性になっていて驚きました。
気品もあって、スポーツカーがお似合いでカッコいい。
彼女は颯爽と、一匹狼のギャンブラーとして彼女の新しい人生を歩む。
ここから結末に触れています。
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エリザベスからの葉書を読む嬉しそうなジェレミー。
300日と字幕が出たところで、彼女は帰るんだな!と思いました。笑
『恋する』のフェイが1年後に恋しい人のもとに戻りましたからね。
甘い甘いキスもロマンチックだけど、ラストにはしゃれた台詞や、もうひとひねり欲しかったかな。
ここは『恋する』ファンとしてはつい期待してしまいますよね。笑
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数年後はジェレミーが赤ん坊をおぶって妻のためにブルーベリー・パイを焼いているとか。
エリザベスは二人目を妊娠中。爆
ラストのひねり・・・あいりさんはそう来るか(^^ゞ
みーちゃんはジュード・ロウに赤ちゃんはおぶわせたくないなぁ(笑)・・・って外国っておぶう習慣あったっけ?(^O^)
お店でちょろちょろしている小さな子どもの口元のクリームをぬぐってあげるジェレミーはいいかも(^_-)-☆
天然コケッコーのトラックバックが届いてないみたいです。汗
きれいでおもしろかったけど、
何かいつもと違うなあと思いました。
あの警官はアンディだったんですね。笑
あはは、みーちゃんのジュード・ローが赤ん坊をおんぶはペケですか。
ごめんね~。
でも、子持ちの役は演じてましたよね。
ちょっと美しさを抑えたジュードさん、人間らしくて?いいなあと思いました。笑
ラストはあっさりとハッピーエンドでしたね。
赤ちゃんおんぶではコメディになっちゃいますからね。笑
外国の男の人がリッュクみたいなのに赤ちゃん、背負ってるのは見かけますよ~。笑
いつものウォン・カーウァイ映画とは少し違いましたね。
万人が見て共感できる作品にすると、こうなるのかなと思いました。
私もいい映画だとは思いましたが、少し物足りなかったです。笑
例のうんちくたっぷりの?酔わせるような雰囲気が薄くかったようですね。
警官姿というのは店を手に入れる前の『恋する』のトニーの職業でしたよ。笑
アンディも警官でしたね。
カーウァイ監督は警官役が好き?笑
このところ腰が重かったわたしですが、この映画は封切してすぐ見に行きました。
うーーーー。いかにもアメリカンで洒落た作りだけど、ちょっと、びみょう・・・
つい、初期の作品を比べてしまうからでしょうね。
わたしも、ラストにもうひとひねり欲しかったような。
TBがつくかな?
ウォン・カーウァイはお好きですか。
結局、エリザベスは狂言回しの役もしているのですよね。笑
すごく訳ありな男女の人生を見ましたもの。
青春映画風、男女の愛憎ありロードムービーでした。笑
次はヨーロッパを舞台に映画を撮ればどうでしょうね。
私もこの映画「恋する惑星」の大幅変更のリメイクというように
見てて思いました。
まさにノラ・ジョーンズはウェイ・ウォンでしたよね。
だけど「恋する惑星」よりもサプライズがなかったので
個人的には乗り切れなかった部分も多くちょっと残念でした。
ノラ・ジョーンズにCalifornia Dreamin' で弾けられても困るけど(笑)
だけどノラ・ジョーンズは初主演とは思えない存在感がありました。
私の中でこの映画で一番株をあげたのはジュード・ロウでした。
あまり好きな俳優さんではなかったのですがあの優しげで
いい奴っぽい役柄に彼と一方的に完全和解!(笑)
映画次第で簡単に心変わりするかもしれませんが・・・(笑)
英語圏デビュー作を香港、フランスの資金で撮るウォン・カーウァイ
にとってもこの作品を初主演映画に選んだノラ・ジョーンズも選択は
間違ってなかったとは思うし、幸せなことだと思います。
ウォン・カーウァイのコスプレ好き疑惑ですが(笑)
あいりさんが仰るとおり制服フェチの方がしっくりくると思います。
今回もノラ・ジョーンズは制服ばかり着てましたからね!
コメントまでありがとうございます。
>>>この映画で一番株をあげたのはジュード・ロウでした。
ジュードファンの人の中にはしょぼい・・とガッカリした人もいたみたいですけど、笑
生活感が出ていていいヤツぽくて私もいいやん!と思いました!
カーウアィ監督には次回作で期待したいです。
やっぱり、香港の巷でゴダールしてほしいです。
私も(笑)『欲望の翼』が一番好きです。
男女ともに魅力的過ぎます。
カーウァイ監督の『今すぐ抱きしめたい』はご覧になりましたか。
アンディが苦手ならダメですが、カーウァイ監督の原点、まだまだ映画としては完成してませんけど、荒削りなところがいいです。
内容はメロドラマっぽいんですけどね。爆
ノラ・ジョーンズは安産系ですよねぇ(笑)
って・・そーゆー話じゃなくて!
映画評なんかを読むと、今回は脚本があったと書いてあるのですが、ノラ・ジョーンズのインタビューをみると、なかった感じでしたよ。
でも、時間どおりに、しかもお話のオチにちゃんとたどり着いたところに、監督の社会人としての実力を見た気がしました(笑)
前回の足のない小鳥ちゃんよりも、今回のほうがレスリーを思い出しました。
そうか・・・ジュードのせいなんですね。
それで、なんとなく上海グランド観たりして・・・・で、ウソン、わかーって・・・生きている人は強いです(笑)
もぉ5周忌なんですね・・・いまだにブエノスが観れません(笑)
TBが送れません。汗
また、明日やってみます。ごめんね~。
>>監督の社会人としての実力を見た気がしました(笑)
カーウァイ監督の英語圏デビュー作も気に入ってよかったですね。
私は『恋する惑星』を思い出しながら見ました。
レスリーという役名が女性につけられていたのは・・
そうか~~、監督のいたずら?と心のなかでニヤッとしました。
正しいんですよね。女性で。笑
制服好きで、ゴダール好きで、懸命に資金集めして映画を撮るカーウァイ監督。笑
これからも「時間」と「距離」をひきずっていくのでしょうか。
こうなったら最後まで見届けましょう。笑
長生きしなくちゃ・・
この映画見て『楽園の瑕』なんて(ちなみに、この映画は私にはよく分かりませんでしたx)映画もあったのを思い出し、あまりの違いに不思議~~な気がしました。
監督の引き出しは多そうです。^^