監督 ピーター・ウェバー
製作 アンディ・パターソン
原作 トレイシー・シュヴァリエ
出演 スカーレット・ヨハンソン(グリート)
コリン・ファース(フェルメール) 2002年、イギリス
まるで絵画のような映画?見たいけど、退屈ではないのかなと劇場には行かなかった。
少し、後悔。
おや、『アナザー・カントリー』で英国美形俳優たちの一人として名を馳せた実力派、コリン・ファースだ。
私はフェルメールという画家については知らないけれど、この映画の鍵になる絵は画集などで見かけたことはある。
その程度なんだけど;
17世紀のオランダ。
グリートという少女が画家のフェルメールの家にメイドとして働きに出る。
彼女の家庭は敬虔な清教徒であるらしく身なりこそ地味だけれど、清純で凛としている。
スカーレット・ヨハンソンは初めて見たが、17・8のまだ硬さの残る少女を演じて、ハッとするほど美しい。
宗教上の習慣か、眠る時も髪を覆うグリート。
薄い眉、蒼い瞳に一見、酷薄な感じを受けるが、抜けるように白い肌にぽってりとした唇、そこだけが実に女らしい。
少女は父親の血か、天性持って生まれた芸術へのセンスがあった。
絵とは光と影なのだ。
そうして親子ほども年齢の違う二人の魂は引き寄せられる。
美しい映像を期待していると、ふいに市場で血にまみれた豚の頭がドサりと置かれたり。
生活とは、そんなに美しいものじゃない、一皮剥けばグロテスク。
フェルメールの屋敷や街や自然は黄色や赤色、茶色をベースに大変に重厚で、
どの場面を切り取ってもまさに絵画。
絵の世界をとっくりと味わえて贅沢な気分になれる。
監督曰く、露出を上げて撮影した黄金色の並木道の風景はこれだけでも見て損はない。
少女の耳にピアスの穴が穿たれる場面は官能的だ。
それは愛の行為以上に。
台詞は極端に少なくて、それがまた緊張感となって二人の心理を読むのも面白い。
スカーレットの表情だけでグリートの心の動きが分かる。凄いね。
どこか不思議な音楽がより緊張を高めているかな。
あのフェルメール家の女帝は怖い。
『レベッカ』の恐ろしい家政婦を思い出す。
以下、結末に触れています。
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奥方の悲痛な叫びが心に残る。
「なぜ、私を描いてくれないの?」
「私には(絵は)理解できないと?」
最後の最後に、やっと「青いターバンの少女」が画面に映し出され。
その後のグリートに想いを馳せて、少女の表情に何かを読み取ろうと、しばし見蕩れたのでした。
TB送信:befounddead
来てくれて嬉しいですよ!
エッグさんのサイトのkの映画の感想を探したけど、見つからなかった;
台詞が少なくて、色々に解釈できる映画だよね。
雰囲気を楽しむ・・贅沢な映画でしたわ。(笑)
よく見るとスカーレットさんのお顔って美人って言うより個性的って感じもするんだけど;
表情や肌の色や姿勢の美しい人ですね。
うんうん、他の映画の彼女を見てみたいです。
二人の関係があのままでとどまったのもいい終わり方でしたね。
コメントをありがとうね!
また遊びに来てくださいな♪
禁欲ゆえにエロティックな感じがしてドキドキしてましたよ。
スカーレット・ヨハンソンはいいですね。あのおどおどした様な
演技がまたいいです。カワイイです(痛いです)
「レベッカ」のあのドアがいきなり閉まる時が怖くて!
「レベッカ」も大好きな映画です。
ラビオさんの『真珠~』の記事を見落としてました。
古い映画の感想にTBをありがとう。
私はスカーレットさんを初めて見たんですよ。
この人の他の映画は見ていない。
魅力的ですよね。
それに、この映画の中での台詞が少なくて、台詞がなくても人物の気持ちは伝わるんだなあと感心しました。
フェルメールはグリートに惹かれるけど、安易に手を出したりしないところがいいです。
大人です。
そのかわりピアスの穴を開ける場面はエロテックでした:
正直これを観に行ったのは、ちょっとした時間つぶし程度の
軽い気持ちだったんですが、そんなのを軽く裏切るいい映画でしたよね。
光の美しさとスカーレット・ヨハンソンの透明感が印象に残りまくりです。
>安易にグリートに手を出さないフェルメールの人物設定に非常に好感が持てました
そうですね、それがこの映画をより品格のある美しいものにしているのでしょうね。
でも、精神的に惹かれ合っているほうが、奥方には辛かったかなと思います。
とても美しい映画でしたよね。
ヨハンセンの少女らしいおどおどした中にも時折見せる美しい姿に惚れ惚れでした。
やっぱりTBがはじかれるみたいですね。相性の問題でしょうか。残念。
って、いうほどの感想を書いてないか(苦笑)
実は来月オランダに行くので、予習のつもりだったのですが、すっかり惹きこまれてしまいました。
あの街並み、市場、郊外の並木道・・・すべてが泰西名画の世界。
でも、ただ美しいだけじゃなく、人物の息遣いがふきこまれ、命をもったという印象です。
原画よりスカーレットのほうが、肉感的というか、美人だけど、どこかバランスが悪い、
そこが魅力的、という顔立ちですね。
ほんとにこの映画は絵画でしたね。
美しかったです。
>>原画よりスカーレットのほうが、肉感的というか、美人だけど、どこかバランスが悪い
美人なのかな~?笑
やっぱり、美人ですよね。
少女の清潔な感じがよく出ていました。
なのに、とてもエロティックな感じもして。
あの唇が官能的!
オランダへは観光ですか?
いいなあ。
心から羨ましい。
遠いんでしょうねえ。笑 お気をつけて!
TBのことは申し訳ありません。m(__)m
ヨハンセン、良い映画に出てますね。
TBさせていただきました~