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アンディ・ラウ特集3 極道追跡/Zodiac Killers

2005-09-01 18:45:41 | 香港映画 (57)
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製作 エリック・ツァン
監督 アン・ホイ
出演 アンディ・ラウ(ベン・リー)チェリー・チェン(ティンラン) 
   石田純一(浅野)倉田保昭(桜門会、組長)
   岸田今日子(老妓、みやこ)1991年、香港

アン・ホイ監督と言えば『女人四十』を撮った人で、母親の故郷は日本であるとか。
社会派女流監督アン・ホイの作品だけに、アンディ・ラウ出演の映画の中では異色作だと思う。
意外に隠れた名作かも;(あくまで個人的意見ですが)
へえ~!プロデュースはエリック・ツァンだ。

東京で暮らす香港留学生のベンはホステスの中国人女性、ティンランに恋をするが、
ティンランは暴力団員、浅野の恋人だった。
暴力団の抗争で浅野は死んでしまう。
抗争に巻き込まれ、秘密を知ってしまったティンランはベンに助けを求め、二人の逃避行が始まる。

オール日本ロケを敢行というのも珍しい。
都会の裏側、新宿や山谷、ネオン煌びやかな街も一歩裏道に踏み込むと、こんなに猥雑なものなのだろうか。
不法入国労働者たちや侘しい留学生たちの生活。
社会の底辺の視線で見ると、日本もこんなものなのかな。

香港映画界では名の知れているらしい?倉田保昭がいかにもの暴力団組長役で出ている。
石田純一のキャスティングはどうなんだろう。
現在のスキャンダラスな石田さんのイメージとは違って、いいですよ。

また、面白かったのが老妓役の岸田京子さん。
真っ白けの濃い化粧でベンに迫る様子、若さに見蕩れる老け役(少し妖怪ぽいけど;汗)が可愛くて、
何とも味があっていい。
ま、この”みやこ”数カットしか出ていないのだけれど、抜群の印象度。

アンディ・ラウはちっともヒーローじゃなく、ふつ~の人、元気なだけが取り柄の苦学生。
勉強(映画制作を学んでるらしい)よりも食べるためのバイトに必死。
カタコトの妙な日本語を話すのがご愛嬌。

みやこ「若い人の肌っていいわねえ~」
「ワカサヲ、モテアマシテイルノモ、コマタモンダケド」
掛け合い漫才みたいで笑える。
やっぱりアンディ・ラウにはシリアスよりもコメディのほうが似合うのかもと思う;

中国、香港から夢を抱いてやって来た若者たちの現実はそう甘くはなかった。
お話は決して明るいものではないけど、所々、笑いも取り入れてあるのはやはり香港映画!
コケてもタダでは起きません。(笑)

あれこれバイトに精出すベンが差し出す名刺なんぞベン・リー、便・利と読めなくもない。(苦笑)
身が危うい時にだけ名詞を見てティンランが彼を思い出すのも便利屋だからか。

本日の突っ込み: お墓に白バラは供えんだろうと思うが、ふつう。。
ここから結末に触れます。
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「おふくろのめしを食ってやれ」

幼馴染の命がけの手引きでなんとか日本は脱出できたものの、惨めな密航船の中でベンは何想う。
破れた夢? 儚く散った哀れな白い薔薇、ティンラン?
寂しい風が背中に吹き付ける。

背中を丸めるベンの横顔に胸がチクリと痛む・・








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