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足のない鳥と『2046』

2004-11-14 10:54:17 | 香港映画 (57)

『2046』アゲイン!男たちの挽歌風でしょ?(笑)

カーウァイ監督の映画は『欲望の翼』くらいから、なあ~んとなくですが、続く~みたいな構想があるようですね。
『2046』は沢山の男女が出てきますから、ほんと訳分からないかもしれません。

『欲望の翼』ではもう亡くなったレスリー・チャンが主役で、マギーとカリーナと恋をして捨ててしまう。
実際、レスリーは映画の中でも死んでしまいます。
だから、カリーナは(ミミorルル)ずっとレスリーの影を追い続けている。
チャン・チェンを”足のない小鳥ちゃん”と呼んで、レスリーに似せて撮ってありました。

そして『花楊年華』ではトニーが人妻マギーと恋をして振られるのですね。
木の穴に切ない思い出をささやいて自分を慰めてました。
マギーを忘れられないトニーは恋はしても、本気にはなれない。
この女泣かせなトニーにチラとレスリー(ヨディ)の面影を見るのは私だけではないんじゃないかな。
カーウァイ監督のにんまり微笑む顔が見えるようです。

『恋する惑星』ではトニーとフェイ・ウォンがハッピーエンドな恋をします。

しかし、こう書いてるとアンドロイドも出てきたので理解しようとするとよけい難しい;
トニーが小説家なので、自分を木村拓哉に重ね、『2046』の未来の物語の中で、自分の気持ちをフェイに告白してるんですね。

カーウァイさんは登場人物の設定は違っても、男と女は愛し合いすれ違いを続ける、そんなふうなことを伝えたいんじゃないでしょうか。

輪廻転生てことかな。
さあ、この物語は決して終わらない。

ところで、なぜ木村拓哉だったのか?
この辺りは「Blog版香港中国熱烈歓迎唯我独尊」のりえさんの発見で、頷けるものがあります。
カーウァイ監督は日本についても学んでるみたいです。

そうか、「斜陽」だったのですね。
押入れから、いにしえの文学全集ひっぱり出して読んでみました;
確かに、カーゥアイ監督は「斜陽」の中で、かず子が妻子ある男性に出した美しい恋文、これを木村拓哉がフェイに送った手紙にそのまま引用しています。

「足のない鳥」この言葉が前から気になっていて、誰かの詩だと聞いたことがあるのですが。
これも、りえさんの素晴らしい感性による発見によると、ゴダールの映画の中で、「足のない鳥」の伝説が語られているそうです。
ゴダールとウォン・カーウァイ・・・う~~む、納得。

私も好奇心からネットで「足のない鳥」について調べてみました。

ニューギニアなど南方に住む美しい極楽鳥はヨーロッパに輸出されました。
それを(多分、剥製)を輸出する時、邪魔なので足を切っていたので、足の無い鳥だと思われた。

そのためか、極楽鳥は「風鳥」とも呼ばれたんだそうです。

ってことで、そのゴダールの映画を見ようと楽しみにしています。
ビデオを見つけたら、また感想を書こうと思います。

gokuraku


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
あいりさん、この記事と少し趣旨が違いますが《204... (Hitomi)
2004-11-14 11:26:09
あいりさん、この記事と少し趣旨が違いますが《2046》を検証するということでTBさせてもらいました。
私も、トニー演じるチャウにヨディの影を見る事が出来ます。
ウォン・カーワイ監督は本当に奥が深いです。
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あいりさん、TB&ご紹介ありがとうございました! (りえ)
2004-11-14 12:27:57
あいりさん、TB&ご紹介ありがとうございました!
【斜陽】とはビックリですよね~。
カーウァイ監督作品の「広さ」「深さ」は研究対象に値します(笑)。
「足のない鳥」の話は、わたしは偶然大好きなゴダール映画の
中で発見したまでですが、なんとこの鳥が手塚治虫さんの火の鳥
のモデルでもあったとは!
どこまでも広がっていきますね~。
それから、この写真、すっごくキレイ!このカラフルさもなんだか
カーウァイ映像みたいです。
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ひとみさん、早速のコメントありがとうございます。 (あいり)
2004-11-14 13:56:35
ひとみさん、早速のコメントありがとうございます。
『2046』のチャウが『花様年華』のその人とはあまりにも違うので、これはひょっとして?と思いました。
ほんとこの映画、面白いですねえ。
カーウァイ監督に会って話しを聞いてみたい。笑
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りえさん (あいり)
2004-11-14 14:04:04
りえさん
いらっしゃい♪
『はなればなれ』の鳥の話がこのケツァールかどうかは映画を見ていないので、確かではないけど。
そんなふうに想像するのも、アリではないかと。笑
太宰治、手塚治虫、ジャン・リュック・ゴダール、ウォン・カーワァイの関係!研究しましょうかね。笑
映画は国境を越えてますね。ふう~♪
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おひさしぶりでございます。 (machiko)
2004-11-17 00:17:58
おひさしぶりでございます。
すっごい面白い記事、トラバありがとうございます。

太宰治ですか…。走れメロス(でしたよね…)を教科書で見たくらいですが、こういう話を見ると興味が沸いてきます。けど、みんないろいろ知ってますね~。すごい~。そういうのをブログで教えてもらえるんでラッキーです。^-^)

またお邪魔します~!
返信する
はじめまして。 (minico)
2004-12-07 00:27:02
はじめまして。
「60年代トリロジーを通しての王家衛解剖」という卒論をカキカキ中のminicoと申します。

下のコメント文字化けしてしまったみたいでごめんなさい(><)削除お願いします。

まさに、私もチャウとヨディを重ねて見ていて、『2046』を『花様年華』『欲望の翼』という60年代作品の完結編として捉え、卒論を書いています。
卒論終わったら、王家衛作品についてblodで“ちゃんと”書こうと思っているので、その際はTBさせてください。
ちなみに、鳥の話は、テネシー・ウィリアムズの『地獄のオルフェウス』からの言葉と言われております。

では、またお邪魔させて下さい☆
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minicoさん、初めまして。 (あいり)
2004-12-07 11:24:05
minicoさん、初めまして。

「60年代トリロジーを通しての王家衛解剖」ほう、興味深い卒論ですね。
こういう卒論を書けるminicoさんが羨ましいなあ。
テネシー・ウィリアムズの『地獄のオルフェウス』ですか。
私も調べてみたいと思います。
貴重なお知らせをありがとうございます。

王家衛作品を考察するブログ、楽しみにしています。
卒論、がんばって下さいね!
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あいりさん (sayuren)
2005-01-03 21:44:49
あいりさん
わたしの方にもTBしていただいてありがとうございます。さすが卒論テーマにされるだけのことはありますね。キムタクの手紙の内容が、「斜陽」だとは。図書館で借りて読み直したいと思います。

次回はサブストーリーでアンディと学友のその後を出して欲しいです。意味不明、御耽美とか言われてましたが、私には面白い映画でした。単にズイイーが好きなだけかもしれませんが、あの当時の風俗も好きなので。早く「オペレッタ狸御殿」と「さゆり」が見たいなあ。
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