あいりのCinema cafe

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ごめん

2007-04-03 06:51:20 | 邦画 (69)

07306

監督 冨樫 森
原作 ひこ・田中
出演 久野雅弘 (七尾聖市・セイ)櫻谷由貴花(ナオコ)
      佐藤翔一(キンタ) 栗原卓也(ニャンコ) 
     國村 隼 (セイの父)
2002年、日本

男のイタミは大人のシルシ

>>セイこと七尾聖市は、大阪郊外に住む小学校6年生。
ある日の授業中、電気が走ってオシッコをチビってしまった。でも、なんだか変。慌ててトイレに掛け込み調べると粘っこくてベットリしている。「オシッコとちゃうや~~ん!!!」(悲鳴)
下半身の一部は気まぐれに固くなるわ、そんな自分の身体の変調に戸惑っていた。

そんなある日、京都の祖父母の家に遊びに行ったセイは、お使いに行った老舗の漬物屋でナオちゃんと呼ばれる少女に出逢い一目惚れ。
寝ては夢、起きてはうつつ、彼女の事が頭から離れなくなってしまう。
性のめざめと年上の少女との初恋の間で、とまどい、キリキリまいする少年セイの日々を、面白くも真面目に描いた物語。
果してセイの初恋の行方はいかに…。

私には息子はいないので、少年がオトコになるというのも大変なんだなと思った。笑
学校で見せてもいいような、発展途上にある少年をユーモラスに描いた傑作だと思う。

いや、名作かな。

セイはお寺の一人息子。
セイのラッコにも似たのほほ~んとした風貌と素直さは最近では珍しいんじゃないかな。
関西弁の台詞まわしも独特で味がある。

最後のほうではセイが織田信成選手に見えてしかたがなかった。。;

セイは剣道を習っているが、学校では普通の男の子。

彼はややこしい身体の変化にとまどいながらも、京都の祖父母の家に遊びに行く。
おじいさんは碁敵だ。

頼まれて漬物を買いに行った店で、彼はひとりの少女を見かける。
陽射しのなかで輝いて見える美少女にセイは一目惚れするが、彼女はあろうことかふたつも年上の!中学2年生。

勝気なナオはセイを完全に子供扱い。
セイは一瞬ひるむも、年の差なんて。遠距離恋愛もなんのその。

セイの友達、男気のあるキンタ、なぜか関東弁のモテモテ、ニャンコたちが愉快。
一人前のませたことを関西弁で言うのに何度も吹き出す。
櫻谷由貴花はナオコの複雑な心境よくを演じている。

剣道の稽古のあとのセイが胴着を脱ぐ所作が泰然としていて見事。
恋を知り染め、心身ともに大人になったか。笑
キンタ「セイ、オマエ、この頃、おかしいんとちがうか」

セイに好意を寄せる少女の告白を断って、池に突き落とされるところはホロッとしながらも大笑い。

このぽっちゃり彼女もかわいい。
彼女「七尾クン、蛇口が開いたんやてね」爆

両親の離婚のゴタゴタの渦中にあるナオコは正々堂々、男らしいセイの告白も相手にしない。
ナオコが思うより、これでもセイは真剣なのに。

セイはフラレた。

でも、実は寂しいナオコは自分では気づいていないけれど、セイといることで心をいやされているのだ。

セイ   :フルんと、フラレたんと、一緒にきて、
      なんかもうくちゃくちゃや。
      なんで、オレが好きになった人が
      オレのこと好きになってくれへんのやろ。(泣くセイ)
おとやん:恋ができただけでも幸せや。
      一生、恋できへん人もいるんやからな。
      セイはエエ子や。
      オレが女の子やったら、セイに惚れるけどな

動揺する息子に声をかけてやれる同性の先輩、父親がいるのは大事だ。
名台詞だと思う。

そして、セイはなんと、剣道着姿のまま小さな自転車で、大阪から京都までナオコを追いかけるのである。

「一度会ったら一目惚れ、二度目に会ったら二目惚れです!!
会えば会うほど好きになるんです!!」
これは小学生にはちょっと言えまへんえ。

ナオコはいじらしくも神社で、父親に運を、母親が再婚相手と幸せになるよう、再び会うこともないだろうセイのことを祈っていた。

彼女は父親に付いて延岡に行くと言う。
あんな、ダメおやじ、ひとりにできひん。

母親には見限られたツキのない父親でも、ナオコにとってはやはりかけがえのない父親なんだな。

ここから結末に触れています。

*********************************************************

セイは決然と言う。
「僕、延岡に行きます。ナオコさんに会いに延岡に行きます!」
涙をこらえるナオコ。
「恋はまだ、おあずけや。誰にも頼らんと生きていけるようになって、恋はそれからや」

ふたりはナオコの好きな自転車の度胸試しに挑戦する。
ナオコ「ふたり乗りではしきれんよ」
セイ「やってみなわかりません!!」

そう!何事もやってみなければわからないのだ。

がんばれ!セイ!
あの一途さはひょっとしたら、初心を貫くかもしれないなどと、ほのかに期待もわくラストなのでした。


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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
おはようございます. (ゴーシュ)
2007-04-03 07:46:14
おはようございます.
ご無沙汰しているゴーシュです.(笑)

> 織田信成選手に見えてしかたがなかった。。;

本作品は見ましたが,あいりさんのこのくだりは大ウケです.(笑)

小生の世代では,「転校生」という映画がありましたが,
この方向の題材は思春期の定番ですね.
個人的には,この映画の撮影部の上野という人の撮る絵が大好き
なので手に取りました.今,日本で一番好きな撮影部さんかな.

それと私事になりますが,ブログが変わります.
今までの15夜は,もともとあった小生の別のサイト「salon de 15屋」
のリニューアルにともない吸収することにしました.
これからは映画に限定した話題でカテゴリー「15夜通信」として
続けていこうと思います.
すでに過去情報の移行は終わっており,事実上salonのみで運営
しておりますが,一応正式には今月節明けに報告予定です.
あいりさんのサイトもそのままリンクを更新させていただきましたので
これからも引き続きご愛顧のほど,よろしくお願いいたします.
またお手数ですが,貴サイトの拙ブログのリンクも新アドレスに
更新していただけたら幸いです.
返信する
これはおもしろかったですね。 (にこ)
2007-04-03 19:40:41
これはおもしろかったですね。
剣道着を着て自転車をこぐシーンがすごかったなあ。
河合美智子さんがおもしろすぎ~。
返信する
★ゴーシュさん (あいり)
2007-04-03 20:47:51
★ゴーシュさん

ポツリ、ポツリと更新してまして、こちらこそご無沙汰しております。
はい、さっそくリンク貼りなおします。
ご丁寧にお知らせありがとうございました。

上野彰吾さんで検索してみましたら、『天国の本屋 恋火』
『ハッシュ!』『月とキャベツ』を見ていました。
3本ともお気に入りです。
特に、年甲斐もなく、『月とキャベツ』はDVDまで買って(珍しく) 大切に見ています。
水は清く、キャベツ畑は瑞々しく、月が幻想的でした。

なあるほど。15夜?

そうなんですね。
私も、これまた愛してやまない『転校生』を思い出しました。
『転校生』男の子バージョンという感じでした。笑

織田信成選手、ウケてしまいましたか。
ちょっとでも笑っていただけたら嬉しいです。^^

返信する
>>にこさん (あいり)
2007-04-03 20:53:27
>>にこさん

にこさんのブログで拝見してから、ずっと探していて、やっと見つけました。
この作品も私の映画殿堂入りです。^^

河合美智子さんって何者?
お寺の奥様・・
あっ!やはり、「尾道三部作」の『さびしんぼう』と同じ。
大林監督は『転校生』を撮ってます。
にこさん、『転校生』は見ました?
面白いですよ~~!
返信する
ありがとうございます。 (にこ)
2007-04-03 21:47:00
ありがとうございます。
見つかってよかったですね。
原作がひこ・田中さんで、田畑智子さんの『お引越し』と同じです。
バーバままさん、セージュさんのおかげでこの映画を知りました。

河合美智子さんっていろんな映画、2時間ドラマなどで脇役をやってておもしろいです。オーロラ輝子になった時はびっくりしました!

富田靖子さんの『さびしんぼう』は多分見てないと思うけど、小林聡美さんの『転校生』は確かテレビで見ました。もう忘れてます。
返信する
★にこさん (あいり)
2007-04-05 07:26:40
★にこさん

バーバままさん、セージュさんに感謝ですね。
こんなにいい映画があまり見られてなさそうなのは惜しいです。
レンタルも三宮まで探しにいきました。笑
時々見て元気を貰いたい映画ですね。

オーロラ・輝子役のあの人ですか。
ドラマはちゃんと見てなかったけど、知っています。
成るほど~~。
返信する
な、なつかしー! (バーバまま)
2007-04-05 16:46:43
な、なつかしー!
大きな暖簾の漬物屋。
剣道着のまま自転車疾走ン。
頼りない父親の喫茶店。
セイと父親の会話。
河合美智子母ちゃん。
あれこれ、さまざまなシーンを思い出しています。

うん。たしかに織田信成に似てるかも(笑)

これは、原作よりよくできた映画の一つだと思っています(ごめん>作者)

返信する
★バーバままさん (あいり)
2007-04-06 07:06:13
★バーバままさん

久野雅弘って少年が目をひきましたね。
1988年生まれだから、この映画を撮った時は14歳くらいですかね。
小学生にしては・・笑

以前、「少年H」というテレビドラマを見て、子役に感心したことがあるのですが、久野雅弘クンだったようで驚いています。
『蝉しぐれ』にも出ていたようです。

とにかく原作がよい(読んでいませんが)ので、映画が面白いのですね。
この映画に引き合わせてくださったバーバままさんに感謝します。^^
ありがとうございます。
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