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SAYURI /さゆり

2005-12-14 13:02:00 | アメリカ映画 (40)

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製作 スティーブン・スピルバーグ
監督 ロブ・マーシャル
原作 アーサー・ゴールデン
出演 チャン・ツィイー(さゆり)渡辺謙(会長)
    ミシェル・ヨー(豆葉)役所広司(延)
    桃井かおり(置屋の女将)コン・リー(初桃)
    工藤夕貴(おカボ)マコ岩松(さゆりの父)
    大後寿々花(さゆり・子役) 2005年、アメリカ

花柳界という閉ざされた狭い世界で生きる女たちの闘いの物語。

原作がなかなかしっかりしていると聞いていたので、大丈夫かなと思いつつ見てきました。
結論・・私は楽しめました。目の正月。笑
誰かさんのブログに「あしながおじさん」とありましたが、言えてます。

ハリウッドが制作費にいとめをつけずに映画を撮ったらこうなるのですね。
もう少し、本物の京都の美しさを切り取ってほしかった。
豪華、絢爛、唖然 笑
お話は外国の人には判り易いのではないでしょうか。

冒頭で『砲艦サンパブロ』でマックーイン相手に鮮烈なデビューを果たしたあの”マコ”がさゆりの父親役で登場。
まだまだ元気そうで嬉しかったです。

初めからお話は大変な速度ですすみ、少々せわしなかったです。
映像になると?なところもあって歯がゆさもあるのですが、
混浴のシーンが唐突だったり。笑

でも、私など花柳界には疎くて、ほ~、そんなものかなと感心したり。
芸者はあくまでも芸を売るもので、体を売らないというポリシーが一貫していて気分が良かったです。
ま、水揚げというしきたりは今日の花柳界では方法が変わったようですが。

チャン・ツィイーは体当たりも、体当たりの熱演でした。
たぬき姫ではなく、可憐な半玉(舞妓)役はギリギリだけど、なんと言っても今が旬の人。
真っ白メイクより素顔に近いほうが綺麗。見蕩れてください。

彼女のこれまでの経歴を考えると、この役は日本人女優で、というのは無理でしょうか。
相撲力士並の体力も必要そうです。
英語が流暢で、知名度があって、華のある若い女優・・?

コン・リーは損な役回りだと思います。
実際にも新旧交代という位置がだぶって、去っていく後姿に哀切感が増しました。
芸妓役が流石の凄艶さです。
もう少し彼女の見せ場があってもよかったかなあ。

いずれ、自分の行く末も同じ・・

小股の切れ上がった、という形容詞がぴったりのミシェル・ヨーも綺麗。
妍を競う・・久しぶりに聞いた粋な言葉です。
邦画では女同士もここまでダイナミックには憎しみ合いません。多分。笑
でも、ドロドロになる筈の女同士の闘いも洋画だと、どこかカラッとしてるんですよね。

渡辺謙さんはカッコいいけど、役所さんのほうが短い出番にもかかわらず、延の気持ちの変化を的確に表して、役柄を交代してもいいのに。
謙さんのほうに華があるかなあ、やはり知名度の問題かな。

男性二人がさゆりを譲りあったり、外国人を接待させたり、さゆりを芸者として扱ってる?
ここが少し理解しづらかったです。

英語の台詞は途中からは気になりませんでした。
英語が気にならなかったのは俳優さんたちの熱演に目をひかれたからだと思います。
工藤夕貴さんも相変わらず芸達者ですねえ。

特筆すべきは”不死身”(笑)の桃井かおりさん!
ちょっと、北林谷栄さんの名演技を思いおこしました。
いい人なのか悪い人なのか、最後まで判別不能の一番のしたたかさが作品の完成度とは別に助演女優賞ものでしょう!
英語を話していても桃井節炸裂なのが凄いです。
最後に、綺麗な着物を見つけてニタッと笑った顔が素晴らしい。
なんでも、自ら監督にデモテープを送ってアピールしたらしいです。

いい調べだなと思ったらヨーヨー・マも参加していました。

ここから結末に触れています。
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やはり、最後はハリウッド映画らしく一応のハッピーエンドです。笑
一途な想い、夢は叶うのです。

もう少し余韻がほしいところだけど。

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