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あいあいのひとりごと

ローマ在住あいあいの暇つぶし日記。

"Severance"

2007-09-24 09:45:01 | 映画

ホラー映画はどうも苦手なのですが、コメディーホラーだからと説得されてしぶしぶ。テレビやポスターの広告からは、観ない方が・・・と思っていたのに、イギリスのブラックユーモアは嫌いじゃないしと結局は自分でも納得してスクリーンの前に。

ストーリー:ある武器の会社のチームがハンガリーの山へ研修旅行でやってくる。バスで目的地に向かう途中、道が倒木でふさがれ、前へ進めない。回り道の件で、チーム長と運転手が喧嘩、起こった運転手は全員をその場に残し去ってしまう。チーム長の決断で歩いて目的地のロッジに向かうが、途中で見つけたロッジに滞在することになる。そこから恐怖が始まる・・・。

例えば、動物のわなに足が挟まり、それを仲間がはずそうとするが、力がつきて手を離してしまう。わなが再度足に食い込み、それを繰り返すうちに足が切断されてしまう。切断した足をバスの中の冷蔵庫に入れようとするが、冷蔵庫が小さくて入らない。靴を脱がし、無理に中にちぎれた足を押し込めようとするシーンなどは、とても怖いのだが、笑えるシーンでも。私などは怖くて始終ドキドキなのですが、ブラックユーモア満載で結構おもしろかったです。お金を払ってまで観なくても・・・というタイプの映画かもしれませんけれど。☆☆半

イタリアの映画館は、観客参加型です。映画でも何か起こりそうなたびに、後ろの若者たちが、一緒になって声を出して反応するので、怖い怖いと思いながらも、常に現実世界に戻されてしまっていました。イタリア人ってなんだかかわいいですね。


"Espiazione"

2007-09-23 08:36:07 | 映画

原題はAtonment(ジョー・ライト監督)。イギリス人作家イアン・マキューアンによる同名のベストセラー小説を映画化したもの。1935年から第二次世界大戦突入後のイギリスを舞台とする物語で、キーラ・ナイトレイが演じる裕福な家に育った大学生セシリアは、彼女の家の使用人の息子で幼なじみのロビー (ジェームス・マカヴォイ)に対する恋心に自分でも気づかずにいたが、ある夜突然、お互いへの思いを知り、自宅の書斎で情熱的な初体験をする。しかし、セシリアの妹ブロイニーのせいで、ロビーは犯してもいない罪のために刑務所入りすることに。出所後も即、戦場に送り込まれたロビーを、セシリアは何年も一途に愛し続ける。

ヴェネチア映画祭コンペティション部門のオープニング作品に選ばれた作品です。英語学校主催の試写会とのことで、英語のみかと思っていたら、イタリア語の字幕つきでした。こういう場合、どうも二ヶ国語で理解しようとしてしまい、さらに理解が減りがち。この監督の作品である「プライドと偏見」では、時差ボケのせいもあったのだけれど、半分眠ってしまったという経験があるので、今回も寝るかなと思っていたら、なかなかおもしろい映画でした。時間が前後したり、果たして現実なのか、誰かの空想なのか、時々???の箇所はありましたが、それが効果的であったとも言えます。少女の頃に、初恋の相手と自分の姉との関係をうまく理解できずに、取り返しのつかない間違いをしてしまったブロイニー。彼女が一生がその償いに捧げられることになるというのがテーマです。ストーリーは悲しい展開ですが、映画のシーンが常に美しく、悲劇的には感じませんでした。☆☆☆半。


"Il buio nell'anima"

2007-09-22 08:12:20 | 映画

映画の試写会に行って来ました。原題The Brave One (ニール・ジョーダン監督)。ジョディ・フォスターが演じるエリカは、ニューヨークでラジオ番組のパーソナリティーを務めていたが、ある日暴漢に襲われ恋人を殺されたことをきっかけに、復しゅうに燃える連続殺人者へと変ぼうしていくとうストーリー。
ストーリーの先が予想できてしまうタイプの映画ですが、ジョディー・フォスターの演技力は素晴らしい。そこがみどころという気がします。すぐにも北米映画興行収入の第一位になったようです。稼ぐタイプの映画には確かに見えました。
監督はアメリカ人ではなく、アイルランド人なのですね。そういえば「クライングゲーム」と「プルートで朝食を」は観ました。どちらもなかなかよかった記憶があります。
今回の試写会はフリーペーパーMetroにダニィが応募し、私の名前で応募した方が当たったわけなのですが、今回はポスターにあるQuanti sbagli servono per fare la cosa giusta?(つまり英語のHow many wrongs to make it right?)にどう応えるかという課題があったらしい。一体なんて書かれたのか???試写会チケットは当日もらうのですが、渡している人が名前を覚えていたようで気恥ずかしく。チケットの封筒をあまり持っていなかったので当選者は少なかったのかもしれません。
出演者が来ていたのかどうかは最後までわかりませんでしたが(映画館の中には5会場くらいあったので)、野次馬が映画館の前に大勢いました。招待客の中にも有名人がいたようです。残念ながらイタリア人の有名人に詳しくなく、写真を撮られている派手な服装の人々に混じって、普段着の私はちょっと気恥ずかしく。もっともダニィはそういうことには気にしないようですが。


"IO NON SONO QUI"

2007-09-16 20:23:14 | 映画

原題は"I'm not there"(監督トッド・ヘインズ)。6人の俳優がミュージシャンのボブ・ディランの人生のそれぞれの時代を演じる。今年のベネチア映画祭で、審査員特別賞、男役を演じたケイト・ブランシェットが最優秀女優賞を受賞。普通の伝記映画と違い、異なる俳優がボブ・ディランを演じていることで、ユニークな効果を出している。

実はその日は映画をはしごしていて、既に他にも2本見た後10分遅れで入ったため、最後まで話の状況・流れ(つまりこの別々の人々が全てボブ・ディランを演じていたということ)がわからずにいました。(言い訳:イタリア語で観ているハンデもあり。)おまけにボブ・ディランについては、お恥ずかしながらお名前を知っているという程度の知識。家に帰ってネットで調べて、なるほど、なるほど。わかって観ていたら、なかなかおもしろそう。ダニィにはいまいちのようなコメントをしていましたが、こういうタイプのユニークな作りの映画は好きですね。

ちょうど「アヒルと鴨のコインロッカー」(伊坂幸太郎作)を読んだばかりで、ボブ・ディランはそこでも、その始まりからすぐに名前が登場。ちょうど良いタイミングに映画が重なりました。女性的な男性が好みなので、ケイト・ブランシェットの演じるボブ・ディランからもさらに興味が沸いてきたりして。


"La Ragazza Del Lago"

2007-09-16 18:41:49 | 映画

北イタリアUdineの近くにある小さな町で、ある朝一人の小さな女の子マルタが道で会ったトラックに乗り消えてしまう。マルタは湖の近くに足の悪い父親と二人で暮らす知能障害を持つマリオのところにいっていたわけだが、マルタの事件のためにやってきた刑事サンチオはマルタが湖で見たものを調査しにいくことになる。そこには美しい若い女性の全裸の死体が。殺人事件なのか?この女性アンナの恋人、死体を発見したマリオとその厳しい父親、アンナがベビーシッターをしていて、少し前に事故で亡くなったというアンジェロの両親、所属していたホッケーチームのコーチ(多分)、容疑者が次々に現れる。
映画の中で気になったのは、係わる人々たちの共通の問題。知能障害を持つマリオとその父親。落ち着きがなく手のつけられない子供であったアンジェロ(障害があったのかどうかはよくわからず)とその両親。サンチオとその病気の妻(アルツハイマーのような病気のよう)と娘。殺されたアンナと娘を溺愛しているその父親と父親の関心を得られない後妻の娘。悲しいけれど確かにストレスの日常が、ある日突然犯罪に結びついてしまう可能性をもっているということでしょう。
この映画では北イタリアの自然の風景がとにかく美しくて撮られていて、これもまた見どころです。 旅行に行きたい!


"Il dolce e l'amaro"

2007-09-16 08:53:33 | 映画

ベネチア映画祭のイタリアからの出品作品であるIl dolce e l'amaroを見てきました。
80年代のシチリア、マフィアの父親を刑務所内でなくし主人公が父親の親友であり、その地区のマフィアのボスによって、マフィアの世界へと入っていくことになる。小さな犯罪から大きな犯罪へと手を染めていく中で、ある女性に恋するが、マフィアの世界からは足を洗うことできない。恋人は去り、やがて、自分の友人を殺さなければいけないという使命をあたれられるあたりから、心の中の葛藤が膨らみ始める。そして父を殺したのは実はその親友だったことを知り、全てが変わっていく。
映画の初めに主人公が刑務所で暴動を起こした父親に会う場面があるのですが、そこで父が息子に"Nella vita c'è il dolce e c'è l'amaro"(人生には甘い部分と苦い部分がある)という言葉を贈ります。タイトルにもなっているこの言葉が、主人公の人生を通して、この映画の伝えたいところなわけでしょうが、途中で殺すことを命じられた親友が同じ言葉を言うのです。この親友が主人公の父親を知っていたということなのか、どこからこの言葉が出てきたのか、それは別に重要ではなかったのか、そこがはっきりしませんでした。(後でダニィに聞こう。)
よくあるマフィア映画といえばそうですが、ところどころにほろっと笑顔がこぼれてしまうユーモア感覚が表れ、後味も悪くなくイタリア映画だなあと感じさせられます。特に素晴らしいという映画ではありませんが、悪くはないですよ。