『モネ連作の情景』上野の森美術館-ヴェンティミーリアの眺め
「連作-移りゆく光のドラマを描く
50代に入り円熟期を迎えたモネは、しだいにただ一瞬の「印象」を切り取るだけでなく、その「印象」が変化するさまをもとたえ、絵画として表現したい、と考えるようになる。そこから彼は、同じモティーフを、しかも視点を変えずに描いて何枚もの絵画を完成させるという独自の方法、つまり「連作」を編み出した。描かれるモティーフ、そしてそれをとらえる視点は同じでも、早朝から夕方へ、春から冬へと、時間帯と季節に応じて、その光景の「印象」は刻々と変化する。そのとき、田園地帯の積み藁のようななにげない風景でさえも、光のドラマの舞台となる。巨匠の眼と筆は、このドラマを克明にとらえて放さない。」
(『西洋絵画の巨匠モネ』より)
クロード・モネ
《エトルタのラ・マンヌポルト》
1886年、エトルタ
メトロポリタン美術館、ニューヨーク
(画像は『モネ連作の情景』公式ツィッターより)
クロード・モネ
《ラ・マンヌポルト(エトルタ)》
1883年、エトルタ
メトロポリタン美術館、ニューヨーク
(画像は『モネ連作の情景』公式ツィッターより)