エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考: パンデミック と 病んで不毛な社会

2016-12-30 10:59:15 | 間奏曲

 

 

 

 

 

 
借り物ではない自分の力が試される時
   福島の甲状腺がん パレーシア  福島の子どもたち。甲状腺がんが疑われる子どもが4人見つかった、と言います。「やっぱりね」と思います。 福島県は、東......
 

 パンデミック、pandemic。死に至る流行病。ウィキペディアのあるように、ギリシア語のπανδημία パンデミア、すなわち、παν(パン, 全て)+ δήμος(デーモス, 人々)と、すべての人がかかる病、というほどの意味でしょう。

 今のニッポンでは、発達トラウマ障害(DTD)が文字通り、パンデミック。岡田尊司さんは、愛着障害とはいうけれども、発達トラウマ障害(DTD)とは言わない。でも、発達トラウマ障害(DTD)のパンデミックを知っているから、あんなに同じような本を何十冊も出している訳です。杉山登志郎,友田明美らは,政治的に忖度して,発達トラウマ障害(DTD)を「発達障害」とミスリードしています。

 パンデミックって、中世のペストや、西アフリカのエボラ出血熱のように、伝染病である場合が多いですね。でも、発達トラウマ障害(DTD)は、伝染病ではありません。家庭の貧しさ、社会の闇、病みを映し出す、環境要因が大きい病気です。

 ニッポンの発達トラウマ障害(DTD)がアメリカ以上にパンデミックしているのは、日本が、「病んで不毛な社会 impoverished society」だからです。

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 礼拝 と パンデミック

2016-12-30 10:50:11 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
依存症と「裏取引」・「形だけのオザナリ」・「看板だけ」
   子どもの人生を道具にしていく 重度の生き方  投影(投映)は日々あること、その日々ある投映をしているようでは、自分育てはできません。したがって、子......
 

  今日のエリクソンも、Insight and responsibility p.90-91。タイトルは、『本物の課題を見抜く眼と、本物の課題に応え続ける態度』という程の意味で、『…と責任』という感じじゃない。

 

 

 

 

 

 ひとりびとりの価値が肯定され、その価値の肯定の仕方が伝授され、教えることができる礼拝だけが、健全な社会が若い世代に伝統的な人間力を伝授し、若者の人間力を社会と結びつけるのに、必要不可欠なプロセスを増進します。

 

 

 

 

 

 礼拝って、お御堂や教会、お寺や修験道場のお話って、勘違いされやすい。それは誤解にすぎません。

 子どもを肯定するには、礼拝が必要不可欠です。それは、赤ちゃんとの上手な関わりを想像すれば、簡単かもしれません。

 今の日本に、若者の自殺が多く、発達トラウマ障害(DTD)の子どもが溢れていること、すなわち、発達トラウマ障害(DTD)のパンデミックは、ニッポンでは本物の礼拝が日常生活から欠落しているからです

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アンソニーの発達トラウマ障害(DTD)は、母親譲り

2016-12-30 07:21:54 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
「もうダメだぁ」 心が挫かれる体験
   ヒューマンサービスの担い手が堕落するのは、この時  男と女の黄金律も、不思議で面白い。 p236ブランクの後から。      いちば...>続......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.152、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 私どもがアンソニーと母親に会った時、アンソニーは不安気に母親にしがみついて、顔を隠しましたね。母親は「そんなことしないの」と言ってましたけど。アンソニーがドキリとしたのは、廊下のずっと先のどこかにあるドアが、バーンとしまった時でして、アンソニーはお母さんの膝に、いっそう顔を沈めました。母親がアンソニーを突き放せば、アンソニーは隅に坐って、頭をバンバン叩きました。「あんなふうに私のことも打つんですよ」と母親は言いました。母親に生い立ちついて伺いますと、母親は両親から捨てられて、親戚をたらい回しにされたそうですし、打たれたり、ネグレクトされた挙句、13の時から、性的に虐待されてきたという訳ですね。自分が酔っぱらいの男友達の子どもを身ごもったけれども、そのことを男友達に伝えると、その男友達は自分から離れて行ったそうです。母親が言うのには、アンソニーはその父親と同じで、全くの役立たずだということでした。母親は、その後につき合った、どの男友達とも、殴る蹴るの諍いを繰り返してきたけれども、男たちとのケンカは遅い時間のことだったから、アンソニーは知らないはずだ、と母親は思っていたんです。

 

 

 

 

 

 アンソニーの様子がヒドイのは、その母親もヒドイ虐待やネグレクトされているかららしい。母親も、ムゴイ性的虐待やネグレクトをされてきたといいますでしょ。

 アンソニーに限らず、発達トラウマ障害(DTD)は母親譲り、父親譲り、というパターンが多いです。

 

 

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現世考: 「知りませんでした」の結末

2016-12-29 08:36:19 | 間奏曲

 

 

 

 
悪魔は、見せびらかすのがお好き
   汝の眼の梁を取れ!  現代人は「偽物」と言う名のアヘンの常用者。そのアヘンのおかげで、1人ぼっちで、バラバラである自分自身の痛みを和らげてもらって......
 

 

 福一。幸福が一番たくさんありそうな響き。

 ところが、実際は、人間に決して消し去ることができないほどの不幸をもたらしている化け物。それが福一、福島第一原子力発電所。

 まいにち、その状況を、逐一日本に住む市民に伝え続けることが、マスメディアの使命のはずなのに、朝日新聞も、4年半続けた「プロメテウスの罠」を、今年2016年3月末で打ち止めにしてしまいました。

 福一は、まだ、デブリと呼ばれる核燃料が部材と一緒に溶けた塊が何処にあるのかもわからない。溶けた核燃料は、すべての人工物を突き抜けて、地中で、地下水と接しながら、核分裂を繰返している可能性さえあり見たい…。

 現状を確認せずに、「コントロール出来てますよ」ということが、どれほど無責任なウソツキであるのか、はかりしれませんでしょ。ほっといて解決するならいいけれども、放射能汚染が、無制限に広がり、日本の市民の健康を、日々刻々と侵している。

 東京でさえ、猛烈な濃度の核のゴミが、学校の校庭から見つかるといいます(http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3598.html)。放射能の悪影響に一番弱いのは、子ども達。

 私どもは、このまま「知りませんでした」でいいのでしょうか?

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聖書の言葉: 根本的なつながり

2016-12-29 03:33:58 | 間奏曲

 

 

 

 
来年の年賀状のことば
   お勉強より、まず遊び お勉強より、まず遊び。お勉強も、その始まりは遊びですからね。 こう申し上げると、すごく抵抗される感じになります。ギリシャの昔......
 

 

 最深欲求。それにいつも応えてくれる神様のやさしさ。そのやさしさを忘れずにいる心のオリエンテーション。宮田光雄先生のブックレット、『新約聖書を読む 放蕩息子の精神史』から。

 

 

 

 

 

 この≪放蕩息子≫が父の許に帰ることができたのは、…こころのもっとも深い内奥で、ある≪根本的なつながり≫を確信できていたからではないでしょうか。そこには、絶望のどん底においてなお、エリクソンの言う≪根源的信頼≫が生きていたのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 根源的信頼感。それはやはり、πίστις ピスティスそのものですね。

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