エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

現世考: 「知りませんでした」の結末

2016-12-29 08:36:19 | 間奏曲

 

 

 

 
悪魔は、見せびらかすのがお好き
   汝の眼の梁を取れ!  現代人は「偽物」と言う名のアヘンの常用者。そのアヘンのおかげで、1人ぼっちで、バラバラである自分自身の痛みを和らげてもらって......
 

 

 福一。幸福が一番たくさんありそうな響き。

 ところが、実際は、人間に決して消し去ることができないほどの不幸をもたらしている化け物。それが福一、福島第一原子力発電所。

 まいにち、その状況を、逐一日本に住む市民に伝え続けることが、マスメディアの使命のはずなのに、朝日新聞も、4年半続けた「プロメテウスの罠」を、今年2016年3月末で打ち止めにしてしまいました。

 福一は、まだ、デブリと呼ばれる核燃料が部材と一緒に溶けた塊が何処にあるのかもわからない。溶けた核燃料は、すべての人工物を突き抜けて、地中で、地下水と接しながら、核分裂を繰返している可能性さえあり見たい…。

 現状を確認せずに、「コントロール出来てますよ」ということが、どれほど無責任なウソツキであるのか、はかりしれませんでしょ。ほっといて解決するならいいけれども、放射能汚染が、無制限に広がり、日本の市民の健康を、日々刻々と侵している。

 東京でさえ、猛烈な濃度の核のゴミが、学校の校庭から見つかるといいます(http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-3598.html)。放射能の悪影響に一番弱いのは、子ども達。

 私どもは、このまま「知りませんでした」でいいのでしょうか?

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聖書の言葉: 根本的なつながり

2016-12-29 03:33:58 | 間奏曲

 

 

 

 
来年の年賀状のことば
   お勉強より、まず遊び お勉強より、まず遊び。お勉強も、その始まりは遊びですからね。 こう申し上げると、すごく抵抗される感じになります。ギリシャの昔......
 

 

 最深欲求。それにいつも応えてくれる神様のやさしさ。そのやさしさを忘れずにいる心のオリエンテーション。宮田光雄先生のブックレット、『新約聖書を読む 放蕩息子の精神史』から。

 

 

 

 

 

 この≪放蕩息子≫が父の許に帰ることができたのは、…こころのもっとも深い内奥で、ある≪根本的なつながり≫を確信できていたからではないでしょうか。そこには、絶望のどん底においてなお、エリクソンの言う≪根源的信頼≫が生きていたのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 根源的信頼感。それはやはり、πίστις ピスティスそのものですね。

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インターメッツォ: エリクソンの叡智 : 雲泥の差

2016-12-29 02:37:00 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
それほど効かない CBT
   汝の眼の梁を取れ!  現代人は「偽物」と言う名のアヘンの常用者。そのアヘンのおかげで、1人ぼっちで、バラバラである自分自身の痛みを和らげてもらって......
 

  今宵のエリクソンも、Insight and responsibility p.93から。タイトルは、『本物の課題を見抜く眼と、本物の課題に応え続ける態度』という程の意味で、『…と責任』という感じじゃない。

 

 

 

 

 

 本当に自分が確かにされるのは、若者が自分にとって大事な集団を特色づけるその集団ならではの、自分が確かにされる感じから、裏付けを貰うかどうかです。

 

 

 

 

 

 裏付けを貰うのが、人類や1人の子どもなのか? それとも、職場集団や上司なのか? で、その自分が確かにされる感じには、雲泥の差が出ますよ。

 

 

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いつでも大事なのはね・・・

2016-12-29 01:30:57 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
本物の続き セラピストの絶対条件?
   自分が自分らしく生きるのは、≪やり取り≫の中で相手がその人らしく生きられる時だけ  エリクソンによれば、男と女は身体が違うから、この世の中での体験......
 

  発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.152、第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 アンソニーが子ども養育センターからトラウマ・センターにリファーされたのは、まだ、2歳半の時でした。養育センターの職員では、アンソニーがいつも噛みついたり、 突いたりするのを止められなかったし、お昼寝をしようとしなかったり、なかなか泣き止まなかったり、ロッキングしたりするのも、止められなかったからです。アンソニーは、養育センターの職員とは誰と一緒でも、安心できなかったから、しょげ返って、いじけていたかと思えば、怒り狂って反抗する間を行ったり来たりの繰り返し。

 

 

 

 

 

 あるタイプの発達トラウマ障害(DTD)の子どもを、見事に示してくれています。アンソニーが示すような、厄介な行動を押さえこもうとする関わりでは、決してアンソニーの様な子どもとの関係は良くなりません。養育センターの職員らは、厄介な行動を止めされようと、あれこれとやったんでしょう。

 気持ちが分からないからです。本物の課題に気付かないからです。

 いつでも大事なのはね、「正しいこと」を押し付けるのではなくて、相手の心に寄り添うことです。

 

 

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