エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

東大助教授の条件 手紙一本

2016-05-31 06:42:46 | 聖書の言葉から

 

 
雌伏だよ!!
  先日、BSで、映画「はやぶさ/HAYABUSA」を見ました。私は歌手で言えば、竹内まりやさんが、高校生の頃から大好きですが、女優さんでは、竹内結子さんが、何と...
 


 

 矢内原忠雄先生の言葉が良いですね。矢内原先生が東大を卒業した後、住友に入って鉱山で働いていた時に、新渡戸稲造が東大からジュネーヴの国際連盟事務次長に転出する際に、東大植民政策講座の後任に選ばれた経緯を宣べている件です。『矢内原忠雄全集』第二十六巻から。

 

 

 

 

 

 今頃、大学の教授になろうとするには、大した苦労でしょう。論文書いたりなんかしてね。私の時は論文なんかない。三年間鉱山に入っておったからですね。植民政策なんか勉強していたわけではないけれども、あれは新渡戸先生の弟子だし、何かあるだろう、というんですが、私はあまり勉強しなかったものだから書いたものが無いんです。それじゃ手紙があるだろう。それで私が友人に送った手紙を見て、まあこれなら良いだろう、なんていって―これは本当の打ち明け話しなんですが―東京大学助教授に手紙一本の審査でなれた。…大学卒業の時、朝鮮人の為に働きたいという志をもったのが、形を変えて植民政策の講座を持つに至ったという事の中に、神の摂理があると思うのです。

 

 

 

 

 

 正直ですね。人との比較で生きていたら、少しでも自分を「高く見せたい」のが人情でしょ。でも、矢内原忠雄先生は、人と比較してどうの…ということはありませんから、東京大学助教授に手紙一本の審査でなれたと、さわやかなくらいに正直です。それなら僕にもなれそうだ、と思わせてくれて、肯定的でしょ。ユーモラスでしょ。

 でも、その背後には、矢内原忠雄先生の願いを、思いがけず実現する、という神の摂理、つまり、神様からの不思議なプレゼントがあったというんですから、人生は奥が深いですね。

 

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発達トラウマ障害(DTD)の注意欠陥と多動には、訳がある

2016-05-31 05:49:08 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
全ての人を育むやりとり 改訂版
  ほとんどの日本人は、いまや「礼拝」とは無縁な生活をしてますから、「礼拝をする関係」と言われてもピンときませんね。このブログをきっかけに、ご自分で考えてみてくだ...
 

 

 「発達トラウマ障害≒愛着障害」と診断・アセスメントすることの大事さを、改めて考えていただけたらいいですね。

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもは、ADHDと一番間違います。

 今朝も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の50目。

 今朝は、妥当性と信頼性の章の21日目。

 

 

 

 

 

ADHD

発達トラウマ障害(DTD)の感情がコントロール出来ない症状は、感情と身体の状態がバラバラなことも含みますけれども、ADHDの特色ではありません(レイズ‐ペレズ、マーティンズ‐タボアズとレデスマ‐アマダ―2005)。ADHDには、注目できない課題がありますけれども、発達トラウマ障害(DTD)は、脅威に感じることや、安心できる関係から離れることに、過剰に注意を払い、あるいは、あまり注意を払わないことに特有の、注意に関する課題がありますね。ADHDには、多動という症状があるけれども、発達トラウマ障害(DTD)に、行動の行き過ぎがあるのは、感情が極端に強くなったり、逆に極端に弱くなったりすることを何とかしようとするために、経験したり、試みたりすることと関係します

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)が、注意が続かないのは、脅威や安心できる関係から離れることと関係します。また、発達トラウマ障害(DTD)が極端な行動をするのは、感情が極端に強くなったり、弱くなったりすることを何とかしようとするからだと言います。つまり、発達トラウマ障害(DTD)の注意欠陥と多動には、それなりの理由がある、ということですね。

 

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暴力には演劇トラウマ療法もタジタジ

2016-05-31 01:37:26 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
本物の目印 改訂版
  ルターは、深ーい憎しみを抱いたおかげで、文字通り、「天にも昇る悦び」を体験できました。 Young Man Luther 『青年ルター』p203の第2パラグラフ下から6...
 

 

  発達トラウマ障害≒愛着障害の子ども達は、学校でも、強制(虐待)され、放置(ネグレクト)されて、発達トラウマ障害が、年と共にヒドクなっていきますでしょ。小学生よりも、高校生の方が、発達トラウマ障害≒愛着障害が深刻になっているのと同じ、ですね。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.340の、第5パラグラフから。

 

 

 

 

 

 もっと良く調べてみると、年上の子ども達は、年下の子ども達に比べて、2倍も多くのトラウマを経験していたことが分かりました。アメリカの都市部に典型の学校の中2は、ひどい暴力を目撃していたのです。2/3の子ども達は事件を5回以上目撃していますし、その中には、殺傷事件、銃の打ち合い、殺し、家庭内暴力もあります。私どものデータによれば、暴力に晒されている中2の子ども達は、暴力と関係のない生徒さんに比べて、より攻撃的ですし、演劇トラウマ療法のプロクラムは、彼らの行動を変えることはあまりできませんでしたね

 

 

 

 

 

 剣道でも、柔道でも、「見取り稽古」、すなわち、観察学習がありますね。お手本を見て、そのイメージに沿って、自分でもやってみる、というのが1つの訓練法になっていますね。

 しかし、観察学習は、善いお手本ばかりではなく、反面教師の「反面」も悪いお手本にしてしまうらしい。暴力をよく目撃するものは、その暴力まで真似してしまいます。すると、暴力のために攻撃的になった子どもには、劇的な力がありそうな演劇トラウマ療法も通用しないらしい。

 

 

 

 

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ジャスティンの生まれ

2016-05-31 00:09:25 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
雌伏だよ!!
  先日、BSで、映画「はやぶさ/HAYABUSA」を見ました。私は歌手で言えば、竹内まりやさんが、高校生の頃から大好きですが、女優さんでは、竹内結子さんが、何と...
 

 

 発達トラウマ障害≒愛着障害のジャスティンは、入院した病院でも、ネグレクトを受けた格好です。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.127、第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 私がジャスティンの記録を徹底的に読みこんでいくと、ジャスティンが赤ちゃんの頃の暮らしは、常軌を逸脱していたことが分かりました。ジャスティンは、母親が14の時にうまれて、ジャスティンが生後2ケ月の時に、母親自身に置き去りにされました。ジャスティンの祖母は、心優しく、世話好きな女性で、孫を可愛がりました。残念なことに、このおばあちゃんは、かなりの肥満で、その関係で、重病になるような健康不安も抱えていました。ジャスティンが11ケ月の時に、おばあちゃんは入院し、数週間のうちに亡くなってしまいました。

 

 

 

 

 

 ジャスティンが、いかに苛酷な環境に中に産み落とされたかが分かりますね。

 

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 発達トラウマ障害≒愛着障害とうつ病

2016-05-30 08:01:53 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
礼拝をする関係? 改訂版
  「宿題やんなさい」だとか、「ダメでしょ」だとか言ってばかりいると、子どもにとって一番厄介な悪魔が、その子どもの心の中で、その子どもと結婚式やって、末永く懇ろに...
 

 「発達トラウマ障害≒愛着障害」と診断・アセスメントすることの大事さを、改めて考えていただけたらいいですね。

 発達トラウマ障害≒愛着障害の子どもは、怒り、不快感、悲しみ、独りぼっちな感じなど、嫌な気持ちが毎日蘇っているです。

 今朝も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : defelopmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の49目。

 今朝は、妥当性と信頼性の章の20日目。

 

 

 

 

 

うつ/気分変調

発達トラウマ障害(DTD)とうつ/気分変調は、不機嫌、自己否定感、いろんな関係で信頼できないことに関して、被りがちです。しかし、うつ/気分変調は、他の発達トラウマ障害(DTD)の症状、たとえば、感情がコロコロ変わる、やってはいけないことをやらかす、自傷、自分を落ち着かせる行動など、の症状は被りません。

 

 

 

 

 

 

 このように明確にすれば、発達トラウマ障害とうつ病/気分変調症は、鑑別できます。つまり、感情がコロコロ変わる、やってはいけないことをやらかす、自傷、自分を落ち着かせる行動があれば、発達トラウマ障害≒愛着障害、ということです。

 

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