
発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.152、第3パラグラフから。
私どもがアンソニーと母親に会った時、アンソニーは不安気に母親にしがみついて、顔を隠しましたね。母親は「そんなことしないの」と言ってましたけど。アンソニーがドキリとしたのは、廊下のずっと先のどこかにあるドアが、バーンとしまった時でして、アンソニーはお母さんの膝に、いっそう顔を沈めました。母親がアンソニーを突き放せば、アンソニーは隅に坐って、頭をバンバン叩きました。「あんなふうに私のことも打つんですよ」と母親は言いました。母親に生い立ちついて伺いますと、母親は両親から捨てられて、親戚をたらい回しにされたそうですし、打たれたり、ネグレクトされた挙句、13の時から、性的に虐待されてきたという訳ですね。自分が酔っぱらいの男友達の子どもを身ごもったけれども、そのことを男友達に伝えると、その男友達は自分から離れて行ったそうです。母親が言うのには、アンソニーはその父親と同じで、全くの役立たずだということでした。母親は、その後につき合った、どの男友達とも、殴る蹴るの諍いを繰り返してきたけれども、男たちとのケンカは遅い時間のことだったから、アンソニーは知らないはずだ、と母親は思っていたんです。
アンソニーの様子がヒドイのは、その母親もヒドイ虐待やネグレクトされているかららしい。母親も、ムゴイ性的虐待やネグレクトをされてきたといいますでしょ。
アンソニーに限らず、発達トラウマ障害(DTD)は母親譲り、父親譲り、というパターンが多いです。
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