エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

津久井やまゆり園の事件と いろいろな「迷惑」

2016-07-31 10:11:45 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 
≪根源的信頼感≫ 再び ≪毎日の礼拝≫ 再び
   権力が「間違い」を認めない、ウソとゴマカシの恐ろしさ  1つの楕円→2つの自己中心の円(円満?):儀式化のまとめ その22013-07-29 02......
 

 Childhood and Society 『子どもの頃と社会』P.238から。

 

 

 

 

 

 何の不思議もないことですが、悪戯をやる子ども達の中には、世間一般からすれば、「邪魔くさい」と思われる、迷惑なことをしょっちゅう急にやらかすことがありますね。精神分析家に言わせれば、こういう子どもは、迷惑なことをすることで何とか自分を確かにしても良いじゃん、ということを世間で示したいと思っているだけなんです。この手の子どもは、「子ども」って呼ばれたくないんです。「子ども」は、世間で、(大人から)相手にして貰うチャンスがないから、偉そうにする遊びを遊ばなくてはならない存在です。

 

 

 

 

 

 

 ここも、津久井やまゆり園の事件の「犯人」の心理を考える1つの素材になりますね。子どもは、大人から相手にされないネグレクトが続くと、「迷惑なこと」をやらかして、自分を確かにしてもいいじゃん、とばかりに、いろいろな「悪戯」をやらかします

 ですから、あの「犯人」も、この事件以前に、いろいろな「迷惑なこと」をやらかしているはずです。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、一生涯、病気のてんこ盛り

2016-07-31 09:00:43 | 間奏曲

 

 

 

 
「毎日憂鬱」と言うあなたへ
  いろんな価値は、コッソリ神のような顔をします。危ない、危ない!  Young Man Luther 『青年ルター』p215の第2パラグラフから。   ......
 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども公衆衛生上でも、社会福祉の上でも、学校教育の上でも、最大の問題だ、と考えますが、ニッポンでは、まだ、発達トラウマ障害(DTD)の存在すら認識されていないのが、悲しき現状です。残念です。

 発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、やはり、低所得者の子どもに多いのは、アメリカでも日本でも変わりがありません。もひとつ、ニッポンの特色は、教員、福祉施設職員、看護師などのヒューマン・サービスに従事する者の子どもに、発達トラウマ障害(DTD)の子どもが多いことです。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.353の、3行目から。

 

 

 

 

 

 人と関わることに安心と意義深さと感じている人は、薬物をやったり、テレビを無為に見たりして、自分の暮らしを浪費するはずがありません。こういう人達は、炭水化物ばかり、無理にお腹に詰め込みたくなったり、仲間の人間を襲い掛かりたくなったりしないものです。しかし、そういう人達でも、別に変わり映えのしないことしかできないと思ったら、絡め採られて、薬物、ギャングのボス達、過激な宗教家達、暴力的な政治運動にのめり込むことになります。助けてくれそうなものなら、人でも、物でも、なんでもござれ、という訳です。ACE(子どもにとって不幸な境遇)の研究によれば、児童虐待やネグレクトは、心の病の、最も予防不能の唯一の原因であり、薬物やアルコールの乱用に共通するたった一つの原因であり、糖尿病、心臓病、ガン、脳卒中、自殺の様な死をもたらすいろんな原因に貢献する、たった一つの主因なんです

 

 

 

 

 

 どうせ分からないだから…」というような、無責任だけれども、ありがちな関わりが、0歳、1歳、2歳の子どもにとって、いかに取り返しのつかないことなのかが分かりますでしょ。幼子を虐待したり、仕事や研究の為に、子どもを人に預けている時間が長くなったり、子どもの相手をしないことが、いかに残虐なことかが分かりますでしょ。発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、セラピーをしない限り、生涯、病気のてんこ盛りです。

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

リズムの乱れは、ビョーキの印

2016-07-31 03:44:41 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
心理臨床の面白さ
  高齢者の課題も、人生の各舞台の課題と関わりが深いものです。 The life cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』、p63の 最後の行から。......
 

 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。甘えが全く足りません。触れられることがうれしくなるように、 

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.142の最後のパラグラフから。

 

 

 

 

 

 また、たくさんの他のホルモンも、リズムに合わせて、調整されています。脳は一歩な調子ではありません。脳にはたくさんの太鼓があり、そのドラムすべてが昼夜ののいろんなパターン(また、女性の場合、妊娠や授乳には、月経のサイクルや時期があります)だけではなくて、お互いにリズムを合わせなくてはなりません。リズムを司る脳が不調になれば、ウツやその他の精神病の原因になってしまいます。ですから、睡眠障害(ある意味では、昼夜の読み間違い)は、ほぼ常に、鬱や他の精神病には付き物になります。

 

 

 

 

 日課のリズムが大事だと言われても、感覚的にそうは思っても、何故大事なのか、ハッキリとした理由が分かりませんでした。しかし、今日のブルース・ペリー教授の話を伺いますと、リズムが大事な理由が分かります。身体は、心臓だけではなくて、ホルモンの分泌や脳もリズムがあり、そのリズムの崩れは、ウツやその他の精神病に繋がるからなんですね。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

基本的人権の尊重と患者(子ども)中心のガバナンス

2016-07-31 02:35:12 | 間奏曲

 

 

 
≪根源的信頼感≫ 再び ≪毎日の礼拝≫ 再び
   権力が「間違い」を認めない、ウソとゴマカシの恐ろしさ  1つの楕円→2つの自己中心の円(円満?):儀式化のまとめ その22013-07-29 02......
 


 丸山眞男教授は、敗戦間際の広島の宇品の陸軍船舶司令部で、ポツダム宣言の発表の翌日、7月27日に、英語のラジオを傍受して、ポツダム宣言を耳にしています。このブログでも何度か記したところです(選択のときポツダム宣言の「ジーンと熱くなる」感動 3訂版)。その日の、自分の「備忘録」に丸山眞男教授は、

 「ポツダム宣言の全文をはじめて見た時『基本的人権の尊重は確立さるべし』という言葉、それを見た瞬間、からだ中がジーンと熱くなった」

 と記しています。日本人で最初にポツダム宣言を耳にして、正確に理解できたのは、丸山眞男一等兵をおいて、他にいませんでしょう。丸山眞男教授は、人間として「正しいこと」(人権 human right)を正々堂々と「正しいこと」として実現できる社会ができることを知って、心熱くしていたわけですね

 「基本的人権の尊重」と言われると、難しく感じる人もいるでしょう。人権の一番の根っこは、人間は自由だ、ということです。ですから、「基本的人権の尊重」は、「人間らしく自由に生きることは、正しいこと(人権)として、国(>行政府とそこの役人)や個人や法人(組織)から大事にして貰える」ということです。

 日々の生活、保育所に入る時、学校に入る時、就職する時、仕事をしている時、高齢者施設を利用している時、大学に行く時、…、果たして、「人間らしく自由に生きることは、正しいこと(人権)として、国(>行政府とそこの役人)や個人や法人(組織)から大事にして貰える」が果たされているかどうか? もし、それが叶っていなかったならば、それは、行政府とそこの役人の無責任であり、怠慢です。それは、正されなくてはならない、ということです。そして、「人間らしく自由に生きることは、正しいこと(人権)として、国(>行政府とそこの役人)や個人や法人(組織)から大事にして貰える」が実現するように、努めていくことです。

 群馬大学医学部付属病院で、18人もの患者が、術後に死亡するという犯罪的な事件がありましたでしょ。その事件の調査報告書に、「患者中心のガバナンスが出来てない」との指摘があったと言います(http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye2834042.html)。私も、身近に「子ども中心のガバナンスができてない」学校や教育委員会がありますから、他人事とは思えなかったわけですね。

 患者中心のガバナンス、子ども中心のガバナンス、お客様中心のガバナンス…のためには、「人間らしく自由に生きることは、正しいこと(人権)として、国(>行政府とそこの役人)や個人や法人(組織)から大事にして貰える」ということを実現することが大事でしょ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

低所得者と教員の子どもに多い、発達トラウマ障害(DTD)

2016-07-30 12:45:30 | 間奏曲

 

 

 
山崎豊子さんの「礼拝」 
 他者感覚=自己中心+他者中心  儀式化=楕円形 : 儀式化のまとめ その12013-07-28 01:18:15 | エリクソンの発達臨床...>続きを読......
 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども公衆衛生上でも、社会福祉の上でも、学校教育の上でも、最大の問題だ、と考えますが、ニッポンでは、まだ、発達トラウマ障害(DTD)の存在すら認識されていないのが、悲しき現状です。残念です。子どもが自由に好奇心を働かせるためには、関わる大人が自由で居なくっちゃね。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.352の、下から3行目途中から。

 

 

 

 

 

現在、ヘッドスタートの支援を受けた子ども達の50%以上が、3つ以上の不幸な経験(ACE)をしていました。それは、ACE(不幸な子どもの頃の体験)研究と同じです。ACEとは、家庭内で家族が閉じ込められる、家族がうつになる、暴力を振るう、家族の誰かが虐待される、家族が薬物を使う、ホームレスになった時期がある、等です。

 

 

 

 

 

 アメリカの低所得者向けの教育・福祉プログラムがヘッドスタートです。セサミストリートも、そのプログラムの1つだと言います。

 アメリカでは低所得者の2分に1の家庭の子どもは、ACE(不幸な子どもの頃の体験)を3つ以上体験していると言いますから、発達トラウマ障害(DTD)になる可能性が非常に高い。日本でも、低所得程発達トラウマ障害(DTD)になりやすいといえます。

 でも、それだけではありませんね。

 ニッポンの特色は、教員、福祉施設職員などのヒューマン・サービス従事者と、役場の職員のこどもに、発達トラウマ障害(DTD)が多いことです。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする