映画館で観れなかった作品をDVDで観るシリーズ。今回は、世界のレストラン50で４回の１位を獲得、予約の取れないデンマークのレストランの軌跡を追ったドキュメンタリー「ノーマ、世界を変える料理」です。
食をテーマにした映画は数多く存在します。特に一流シェフの姿をドキュメントした作品には、シェフの芸術性が垣間見れて、器の中に創り出される作品は正にアートとしての美しさを持っています。
今回の作品は、北欧デンマークで地元食材を中心に独自の料理展開するレストラン「ノーマ」の天才シェフ、レネ・レゼピに４年間密着して完成させた濃密なドキュメンタリーです。
25歳でレストランをオープンした彼の人生は、父がイスラム系移民だったことから不当な差別を受ける幼少時代を過ごし、あの伝説のレストラン「エル・ブリ」のフェラン・アドリアも絶賛する天才シェフとして、イギリスのレストラン誌が選ぶ「世界のレストラン50」の1位に4度輝くなど、デンマークの経済にも大きな存在となる。
レストランのコンセプトやスタッフの井手達に、食材へのこだわりなど、全てが革新的、器にもられた料理は、観たことのない美しさがありアート作品を見るようです。そして取材の中で突然起こったのノロウイルス中毒による存続危機からの復活と食のドキュメンタリーを超えてヒューマニズムとアーティックな映画で見応えがあります。
彼の料理を口にする機会はないと思いますが、彼のシェフとしての卓越した技術と創造性はスクリーンを通じて伝わって来ます。その姿は、まさにデンマークが生んだ芸術家と言えます。
