300人の命を救ったポーランド女性の実話に基づく映画「ユダヤ人を救った動物園 アントニーナが愛した命」を観賞
僕の映画を観る上で一つのテーマとなっているのがホロコースト。ナチスドイツの政策により多くのユダヤ人の命が失われたことは誰もが知る真実ですが、ナチスドイツと戦い、多くのユダヤ人を救った実話による作品が生まれています。
今回の映画は、ポーランドの動物園を経営する夫婦により300人のユダヤ人を救い出した実話です。ヤンとアントニーナ夫妻が経営するポーランドワルシャワ動物園が、ドイツ侵攻による爆撃で存亡の危機に。さらに動物園は武器保管庫として使用されてしまいます。
動物園のスタッフであるユダヤ人を救うために始めたこと行為が、やがて300人ものユダヤ人救出へと広がるのですが、そこに至る夫婦と園のスタッフ、救出されるユダヤ人との極限下での人間愛が淡々と描かれていて徐々に観る人の心を揺さぶっていきます。また、残虐なシーンをストレートに描くことなく、ユダヤ人の恐怖への緊張感もうまく表現されています。
かつての友人であるドイツ人の動物学者がナチス党員となり、夫婦愛を阻んでいくのですが、この部分には賛否両論あるようです。しかしながら、ラストへの過程で夫妻を助ける息子の存在を考えると必要不可欠であったと思いました。
昨年から今年にかけて第二次大戦を舞台に、またホロコーストをテーマにした作品は数多くありました。今回の作品は世代を超えてぜひ見てもらいたいなと思う作品です。
今ニュースでは、エルサレムのイスラエル首都認定により、イスラエルとパレスチナとの紛争が激化しています。ホロコーストは、いまや一民族の問題としてではなく、地球市民の命の問題として考える必要があると思います。今回の作品も含めて、映画の使命は大きいと考えてます。
紛争なきは平和な地球をめざして。