医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

司馬江漢の美挙2

2007年04月07日 06時13分09秒 | Weblog
 司馬江漢は絵画の業績だけでも、漢画、日本画、浮世絵、銅版画、西洋画、戯画(ぎが:風刺やパロディのようにおかしみのある絵=カリカチュア)・・・・と。

 そしてオランダかぶれの江漢は、大きなワシ鼻に、胸にペンダント、指にはたくさんの指輪、襟付きの上着に、すそをしぼった洋ばかまといういでたち。

 コペルニクスの地動説を信奉し、(人間)平等説を唱え、夜な夜な天体望遠鏡で月を観察し、自分の死亡の知らせを生きているうちに配布するなど、奇行蛮行が・・・。

 司馬江漢というと中国風の名前ですが、苗字の司馬は育った浜松町界隈の「芝」によるともされ、名の江漢はどうも漢画を学んだときの命名だったという説と、「銅板天狗」では先祖が紀州の出で、そこにある大河、紀ノ川と日高川にちなんだとしております。

 司馬江漢には贋作も多く、「江漢に江漢なし」とは現代の、何でも鑑定団的でも有名な話です。

 江漢は蘭学者でエレキテルの発明者である平賀源内の弟子であって、他にも蘭方医で「解体新書」の著者である杉田玄白らとばかりか、かなり有名な身分の高い殿さまとも交友がありました。

 しかし平賀源内のほうが、むしろサムライ・ダ・ヴィンチのような気がしないでもありません。

 源内は蘭学者で、エレキテル発明のほかにも発明発見、戯作者(げさくしゃ)でもあり、浄瑠璃、蘭画、陶器作成、織物、産業技術にもくわしく、さらには伊豆で鉱床を発見したり、秩父では石綿を発見したとか、やれ土用の丑の日にはうなぎとのコピーを考えただの、竹とんぼの発明者とも・・・