医師日記

「美」にまつわる独り言です
水沼雅斉(みずぬま まさなり)

円空と木喰のまぁるい美7

2007年04月05日 07時34分51秒 | Weblog
 亡くなった父が、生前僕たち家族に渡るように、発注してくれたものです。

 これがまた、まるくて柔和で、赤ちゃんのように可愛らしい顔をしているのですよ。

 「松本明慶」さんは、鎌倉時代のスーパー仏師「運慶」の再来とも言われ、『慶派』を名乗り、弟子を持つのも難しい現代の仏師の中で、なんと40人もお弟子さんを抱える天才です。

 ちなみに「運慶」は、東大寺南大門金剛力士(仁王)像で有名ですが、ゴルゴでお馴染のさいとう・たかを氏がコミックも書いております。

 明慶氏は何度もテレビなどで特集されておりますから、ご存知の方も多いでしょう。

 明慶ファンとしてなんとも誇らしいのが、2005年の「新潟県中越地震で被災した山古志村村民の復興の心の支えにと、同村の杉の倒木で地蔵菩薩を制作し寄贈」(BS-iより)という、ナマグサ坊主よりもホンモノの聖職者のような、まぁるい心の持ち主であるところです。

 そして明慶さんが、仏が宿ると信じる、赤ちゃん。

 この丸さ。

 香るような、木のぬくもり。

 柔和さ。

 これを眺めるだけで、なでるだけで、なんだか心が落ち着きます。

 日本人であることが幸せです。