路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

 路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

【卓上四季】:ちゃうん、ちゃう?

2019-06-13 05:05:30 | 【社会保障施策・年金(国民、老齢、共済、障害)・医療、介護保険・生活保護・

【卓上四季】:ちゃうん、ちゃう?

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【卓上四季】:ちゃうん、ちゃう? 

 大阪弁で「ちゃう」とは「違う」の意。「ちゃうん、ちゃう?」となると「違うのと、違う?」。今の若者風なら「違うんじゃね?」というところか▼先日亡くなった作家の田辺聖子さんも「<ちゃうん、ちゃう?>と思うことが世の中に多い」と嘆いていた。例えば少子化対策。役人はさまざまな策を考えるが、大切なのは男性の意識改革で、育児の責任を自覚させることだと随筆集「楽老抄」で語っていた▼老後の資産問題を巡っても「ちゃうん、ちゃう?」と突っ込みたくなる。金融庁は公的年金で95歳まで生きるには、夫婦で2千万円不足するとの報告書をまとめた。ところが、国会で「年金の『100年安心』はうそだったのか」と追及された安倍晋三首相は「誤解を与える表現だった」と釈明した▼金融庁の説明は明快ではないか。年金頼みの老後設計が限界だと認めただけである。首相は「安心してもらえる制度設計だ」とも答弁したが、「ちゃうん、ちゃう?」▼退職金や貯蓄で確保できる人はいい。だが、子育てや介護で毎日精いっぱい。2千万円など、とてもとても…という人は少なくあるまい▼麻生太郎金融担当相は不安や誤解を与えるとして、報告書を受け取らない意向を示した。だが、年金財政の厳しさが変わるわけではない。年金の将来像をしっかり説明もせずに、不可解な釈明で逃げ回るのは「ちゃうん、ちゃう?」。2019・6・12

 元稿:北海道新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【卓上四季】  2019年06月12日  05:00:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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