【政界地獄耳・11.15】:岸田批判には怒らない自民党、許せないのは「安倍批判」ということか
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【政界地獄耳・11.15】:岸田批判には怒らない自民党、許せないのは「安倍批判」ということか
★韓国メディアが騒然としている。報道を総合すると、9日、共に民主党や正義党など野党主導で労組法に規定された使用者の範囲を拡大して法的責任を強化する「黄色い封筒法」(労働組合および労働関係調整法第2・3条改正案)と「放送3法」(放送法、放送文化振興会法、韓国教育放送公社法)が可決した。与党「国民の力」は欠席した。可決した法律は大統領・尹錫悦(ユン・ソンニョル)が拒否権を発動する。
★13日、韓国放送(KBS)の大統領に近いパク・ミン社長の就任初日、月曜日から木曜日の夕方の時間帯に編成されていた時事番組「ザ・ライブ」がまるごと打ち切られ、多くの報道番組で政権に厳しい発言をする出演者や番組のアンカーマン、担当プロデューサーらの降板、更迭が相次いでいる。
★日本でも戦前のマスメディアが軍部に協力し正確な情報を伝えなかった反省から、放送局の不偏不党・自主自律を原則に、放送局の編集の自由を最大限尊重して制定された放送法4条が定めた放送の“政治的公平”をめぐる議論が国会で話題になる。安倍政権の14年総選挙前に、当時の自民党副幹事長・萩生田光一が選挙報道の公平性確保など、出演する候補者の発言回数や時間、街頭インタビューなどの構成を公平・公正・中立にし、偏ることがないよう在京テレビ局に求めた。16年には当時の総務相・高市早苗が国会で、放送局が政治的な公平性を欠くと判断した場合、放送法4条違反で電波停止もあり得ると発言。以降、テレビを中心に今、韓国メディアが直面している政権忖度(そんたく)状況が緩やかに続いている。


★ただ、面白いのは政権を褒めることに“政治的公平”を求めることがないことだ。公平・中立ならば政権擁護も4条違反になるはずだが、褒めておけば怒られない、問題ないということなのか。ただ岸田政権への批判に自民党は怒っていないようで、つまり萩生田や高市のメディアへのどう喝は「安倍批判は許さない」ということだったようだ。(K)※敬称略
◆政界地獄耳
政治の世界では日々どんなことが起きているのでしょう。表面だけではわからない政界の裏の裏まで情報を集めて、問題点に切り込む文字通り「地獄耳」のコラム。けして一般紙では読むことができません。きょうも話題騒然です。(文中は敬称略)
元稿:日刊スポーツ社 主要ニュース 社会 【コラム・政界地獄耳】 2023年11月15日 07:48:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。