[↑ 『東電旧経営陣 賠償取り消し/一審13兆円 津波予見性を否定/原発事故 株主側が敗訴』『東電株主訴訟 原告ら憤り/「次の原発事故 招く判決」/「私たちの避難、誰に責任が」』『津波 一転「予見できず」/切迫感欠く旧経営陣「やむを得なかった」/原発事故から14年 やまぬトラブル』 (朝日新聞朝刊、2025年06月07日[土])] (2025年06月08日[日])
無残、非情、無能…東京高裁木納敏和裁判長は株主代表訴訟で《計13兆円超の支払いを命じた一審東京地裁判決を取り消し、請求を棄却》したそうだ。一方、こちらでも、同裁判長は《「大川原化工機」…相嶋静夫さん…死亡…遺族らが国に賠償を求めた訴訟の控訴審判決》でも遺族側の控訴を棄却。
『●大川原化工機事件、《相嶋静夫さんは9月に不調を訴え10月に進行性癌と
診断されたにもかかわらず、8回も保釈請求が却下されて2月に亡くなった》』
(アサヒコム)【勾留中にがん判明し死亡、二審も拘置所の
責任認めず 大川原化工機】《起訴を取り消された
「大川原化工機」(横浜市)への捜査で逮捕・起訴された同社
顧問の相嶋静夫さん(当時72)が死亡したのは東京拘置所の
医師が対処を怠ったからだとして、遺族らが国に賠償を求めた
訴訟の控訴審判決で、東京高裁(木納敏和裁判長)は6日、
訴えを退けた一審・東京地裁判決を支持し、遺族側の控訴を棄却した》
(東京新聞)【勾留中のがんで死亡、大川原化工機の元顧問遺族
「拘置所で健康が犠牲、裁判所も認めた」 国賠訴訟、控訴は棄却】
《相嶋さんは2020年3月、大川原正明社長らとともに警視庁に
逮捕された。東京拘置所に勾留中の10月に胃がんと判明。
拘留停止を経て11月に横浜市内の病院に入院したが、
21年2月に亡くなった。 納敏和裁判長は判決理由で、
相嶋さんが胃痛を訴えた後、拘置所の医師がすぐに内視鏡検査
などをしなかったことについて「医学的に不適切とは言えない」
と指摘。外部の病院に入院させなかったことも
「緊急性は認められない」とし、いずれも医師に義務違反をは
なかったと判断した》
『●《原発事業者は、たとえ不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を
講じるべきでなかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を…》』
「またしても最「低」裁だった、虚しい…東電核発電人災14年を
目前にデタラメな判決。(東京新聞社説)《特に原発は、ひとたび
事故が起きれば重大な被害をもたらす。原発事業者は、たとえ
不確実性があっても真摯に受け止め、万全の対策を講じるべきで
なかったか。しかし、東電は津波対策を先送りして重大事故を
起こし、原発周辺の住民から命と故郷を奪った》」
(東京新聞)【<社説>旧経営陣の無罪 原発事故不問にできぬ】
《東京電力福島第1原発事故を巡り、業務上過失致死傷罪で強制起訴
された旧経営陣の無罪が確定した。「レベル7」という最悪事故の
刑事責任を不問に付しては重い教訓になり得ない。原発事故が
再び起きかねないと懸念する。…最大の争点は、東電が巨大津波を
予見できたかどうか。無罪とした一、二審に続き、最高裁も
「予見可能性があったとは認定できない」と結論付けた》。
折角、《旧経営陣を相手取った株主代表訴訟では、東京地裁が「長期評価には相応の信頼性があり、津波は予見できた」という正反対の判断から13兆円の支払いを命じた》(東京新聞)…というのに。東電旧経営陣も、さぞや大喜びでしょうよ。現経営陣もね。またしても、「政治判断」。「司法判断」は、どこいった?
東京新聞の記事【東電の旧経営陣に賠償認めず 東京高裁、株主逆転敗訴】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/409927)によると、《木納敏和裁判長は長期評価に関し、速やかに巨大津波対策工事を行う根拠として十分ではないとした上で、旧経営陣らが当時の情報から津波の危険性に切迫感を抱かなかったのはやむを得ないと判断。「予見可能性は認められない」と述べた。22年7月の一審東京地裁判決は、長期評価が専門家による適切な議論を経て承認され「相応の科学的信頼性がある」とし、巨大津波は予見できたと認定した》。
三宅千智記者による、同紙のもう一つの記事【東京電力旧経営陣の賠償責任を認めず 福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟 東京高裁が一審と逆の判断】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/409797)によると、《2011年3月の東京電力福島第1原発事故を巡り、旧経営陣が津波対策を怠り東電に巨額の損失が生じたとして、株主が旧経営陣ら5人に約23兆円を東電に賠償するよう求めた株主代表訴訟の控訴審判決が6日、東京高裁であった。木納敏和裁判長は計13兆円超の支払いを命じた一審東京地裁判決を取り消し、請求を棄却した。株主側の逆転敗訴となった》。
[↑ 朝日新聞朝刊 (2022年07月14日[木])]
[↑ 『東電旧経営陣 賠償取り消し/一審13兆円 津波予見性を否定/原発事故 株主側が敗訴』『東電株主訴訟 原告ら憤り/「次の原発事故 招く判決」/「私たちの避難、誰に責任が」』『津波 一転「予見できず」/切迫感欠く旧経営陣「やむを得なかった」/原発事故から14年 やまぬトラブル』 (朝日新聞朝刊、2025年06月07日[土])]
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/409927】
東電の旧経営陣に賠償認めず 東京高裁、株主逆転敗訴
2025年6月6日 12時12分 (共同通信)
(東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟の判決後、
東京高裁前で不当判決を訴える原告団=6日午前)
(東京電力福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟の判決を
前に、東京高裁前で集会を開く原告団=6日午前)
東京電力福島第1原発事故を巡り、旧経営陣5人が津波対策を怠り会社に損害を与えたとして、計約23兆円を東電へ賠償するよう求めた株主代表訴訟の控訴審判決で、東京高裁は6日、故・勝俣恒久元会長を含む4人に13兆円超の賠償を命じた一審判決を取り消し、株主側の請求を棄却した。巨大津波の予見は困難だったと判断した。
訴訟の主な争点は(1)巨大津波を予見できたか(2)事故を回避できたか―の2点。政府の地震調査研究推進本部は2002年に地震予測「長期評価」を公表し、東電の子会社はこれに基づき、原発に最大15・7mの津波が到達すると試算していた。
木納敏和裁判長は長期評価に関し、速やかに巨大津波対策工事を行う根拠として十分ではないとした上で、旧経営陣らが当時の情報から津波の危険性に切迫感を抱かなかったのはやむを得ないと判断。「予見可能性は認められない」と述べた。
22年7月の一審東京地裁判決は、長期評価が専門家による適切な議論を経て承認され「相応の科学的信頼性がある」とし、巨大津波は予見できたと認定した。
=====================================================
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/409797】
東京電力旧経営陣の賠償責任を認めず 福島第1原発事故を巡る株主代表訴訟 東京高裁が一審と逆の判断
2025年6月6日 11時03分
2011年3月の東京電力福島第1原発事故を巡り、旧経営陣が津波対策を怠り東電に巨額の損失が生じたとして、株主が旧経営陣ら5人に約23兆円を東電に賠償するよう求めた株主代表訴訟の控訴審判決が6日、東京高裁であった。木納敏和裁判長は計13兆円超の支払いを命じた一審東京地裁判決を取り消し、請求を棄却した。株主側の逆転敗訴となった。
◆一審は13兆円の支払い命令も
争点は、旧経営陣らが巨大津波を予見し、対策によって事故を防げたか。東電内部では2008年、最大15.7メートルの津波が来ると試算しており、その根拠となった政府の地震予測「長期評価」(2002年公表)の科学的な信頼性が争われた。
(東京高裁の判決を受け、「不当判決」と書かれた紙を掲げる
原告と弁護団ら=いずれも6日、東京・霞が関で)
2022年7月の一審判決は旧経営陣4人の過失を認定し、国内の裁判で過去最高の賠償額とみられる計13兆3210億円の支払いを命じた。4人は勝俣恒久元会長=昨年10月に死去=、清水正孝元社長(80)、原子力部門のトップだった武黒一郎元副社長(79)、事故対策の実質的な責任者だった武藤栄元副社長(74)。
一審判決は、東電の津波試算の根拠になった政府の地震調査研究推進本部が2002年に公表した地震予測「長期評価」について「相応の科学的信頼性がある」として、大津波の襲来は予測できたと認定した。
その上で、2008年7月に試算の報告を受けた武藤氏が長期評価の信頼性を疑い、土木学会に検討を依頼して見解が出るまでの間、津波対策を放置したことを「対策の先送りで著しく不合理だ」と指摘。武藤氏の判断を是認した武黒氏に加え、2009年2月の「御前会議」で敷地高を超える津波襲来の可能性を認識したのに対策を指示しなかった勝俣、清水両氏についても、取締役の注意義務を怠ったとした。
◆昨年10月には木納裁判長らが原発構内を視察
二審で旧経営陣側は、長期評価はただちに津波対策に取り入れるべきだというほどの科学的信頼はなく、巨大津波は予見できなかったと主張していた。
(東電株主代表訴訟の控訴審判決を前に東京高裁へ入る
原告団ら=6日、東京・霞が関で)
昨年10月には木納裁判長らが原発構内を視察。一審の審理を担当した東京地裁の朝倉佳秀裁判長(当時)らも2021年10月に現地を視察した。
事故を巡り、避難住民らが国に賠償を求めた訴訟では、最高裁が2022年6月、「実際の津波は想定よりはるかに規模が大きく、対策をしても防げなかった」として国の責任を否定。旧経営陣が業務上過失致死傷罪で強制起訴された刑事裁判では、最高裁が今年3月、巨大津波は予見できなかったと判断し、無罪が確定した。(三宅千智)
【関連記事】23兆円賠償求めた東京電力株主代表訴訟、控訴審は来年6月判決 原告「被害者が何を奪われたのかを知って」
【関連記事】控訴審でも裁判官が福島第1原発視察へ 一審で13兆円賠償命令の東京電力株主代表訴訟 11月末結審が浮上
=====================================================
[※ ↑号外【国の責任認める/東京高裁 千葉地裁判決覆す/原発避難集団訴訟 東電にも賠償命令】 (福島民報 2021年02月19日)] (2021年02月21日[日])
山田雄之記者による、東京新聞の記事【国の責任認める 福島第一原発事故避難者訴訟で東京高裁判決】(https://www.tokyo-np.co.jp/article/86969)。
《東京電力福島第一原発事故で、千葉県に避難した住民ら43人が国と東電に計約18億8500万円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁(白井幸夫裁判長)は国の責任を認めた》。
白井幸夫裁判長は、《防潮堤の設置などの措置を講じていれば「津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかった」と認定。国が規制しなかったことと事故との間に「責任を認めるに足りる因果関係がある」として「規制権限を行使しなかったことは国家賠償法上、違法だ」とした》そうだ。真っ当な司法判断。
責任をもって東電や国が「原状回復」して見せてくれよ! もうすぐ10年経ちますよ…いつになったら元の姿に戻してくれるの? 元の姿に戻してくれれば、皆さん喜んで福島に帰り、生業を取り戻すはずですよ。
アサヒコムの記事【原発避難訴訟、国の責任認める 高裁で2件目】(https://www.asahi.com/articles/ASP2M53R1P2KUTIL060.html?iref=comtop_National_01)によると、《東京電力福島第一原発事故で千葉県内に避難した住民らが国と東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が19日、東京高裁(白井幸夫裁判長)であった。一審・千葉地裁は国の責任を否定して東電にだけ賠償を命じたが、高裁は国と東電の両方に同等の責任を認めた。原発事故をめぐって避難者が国と東電を訴えた集団訴訟は全国で約30件あり、控訴審判決は今回が3件目。国の責任を認めた判決は昨年9月の仙台高裁に続いて2件目で、国の責任を否定したのは今年1月の東京高裁の1件となった。今後、最高裁が統一判断を示すとみられる。今回の訴訟の一審・千葉地裁判決は2017年9月に言い渡された。一審では18世帯45人が国と東電に計約28億円を求め、千葉地裁は42人に計約3億8千万円を支払うよう、東電に命じた。千葉地裁は、政府の「地震調査研究推進本部」が02年に公表した地震予測の「長期評価」に基づけば、遅くとも06年までに原発の敷地の高さを超える津波を予見できたと認めた》。
福島民報の【<速報>国の責任認め、東電にも賠償命令 原発集団訴訟で東京高裁】(https://www.minpo.jp/news/moredetail/2021021983773)によると、《東京電力福島第一原発事故で本県から千葉県に避難した住民17世帯43人が国と東電に損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、東京高裁(白井幸夫裁判長)は19日、国の責任を否定した一審千葉地裁判決を覆し、国と東電の責任を認め、両者に賠償を命じた。全国で約30ある同種訴訟のうち、国を被告に含めた控訴審判決は3件目。国の責任を認めたのは昨年9月の仙台高裁判決に続いて2件目となった》。
「原子力郷土の発展豊かな未来」「原子力明るい未来のエネルギー」「原子力正しい理解で豊かな暮らし」…もうすぐ10年が経とうとしている。
『●「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも
責任とってやめたか。申し訳ないと謝罪したか」』
《馬奈木厳太郎弁護士…樽川さんのお怒りは、まっとうなものなんです。
今回の福島の被害の象徴と言ってもいいかもしれない。
彼が求めていることは「責任をとってくれ」です。
「あれだけの事故を起こして被害を出して、だれか1人でも責任とって
やめたか。申し訳ないと謝罪したか」と。そう思っているのは、
樽川さんだけではない。国と東京電力を相手に、事故から2年後の
2013年3月11日に福島地裁に起こした
「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟(生業訴訟)
には約4千人の原告がいて、樽川さんもそのお一人です》
『●「生業を返せ、地域を返せ!」…原告団馬奈木厳太郎弁護士
「国の対応、東電の責任を厳しく断罪する判決となっている。一審よりも…」』
『●「原子力災害伝承館」《批判…口封じ》…《安倍政権では「被災地
切り捨て」政策がつづけられてきたが、それを菅政権も「継承」》』
『●東電核発電人災での国の責任も放棄…《あの未曾有の福島第一原発
事故を招いた“最大の戦犯”》アベ様の責任は追及され続けるべき』
『●《避難者の生業はいまだ戻らないままである》…責任をもって東電や
国が「原状回復」してくれれば《生業》を、《地域》を取り返せる』
「民事裁判では、地裁に続き高裁レベルで、《国と東電に損害賠償などを
求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は一審福島地裁判決に続き
両者に賠償を命じ》ました。仙台高裁上田哲裁判長によるものです。
「生業(なりわい)を返せ、地域を返せ!」という訴えが、
一部認められました。
国や東京電力が責任を果たす方法は明確で、簡単です。《原状回復》
して見せてくれればよいのです。もう10年が経とうとしています。
さっさとお願いします。
…出来ない、不可能というのであれば、やるべきことは一つしかない
でしょ? 《国や東電は被災地を事故前の状態に戻すことができない
現実を直視し》、何を為すべきですか?」
まもなく、東京電力核発電人災から10年。あの人災から何の教訓を得ることもなく、何も変わらないニッポン。民主党政権末期・野田政権、アベ様・カースーオジサンによる《悪夢のような》、〝地獄〟の自民党政権は、核発電〝麻薬中毒〟から抜け出せないままです…。
=====================================================
【https://www.tokyo-np.co.jp/article/86969】
国の責任認める 福島第一原発事故の避難者訴訟で東京高裁判決
2021年2月19日 21時54分
(原発避難者訴訟の控訴審判決で勝訴し、垂れ幕を掲げる
原告代理人の弁護士ら=19日、東京・霞が関の東京高裁前で)
東京電力福島第一原発事故後に福島県から千葉県などに避難した住民ら43人が国と東電に損害賠償を求めた集団訴訟の控訴審判決で、東京高裁(白井幸夫裁判長)は19日、国の賠償責任を認めなかった一審の千葉地裁判決を変更し、国と東電双方の責任を認めた。東電に約2億7800万円、うち国に約1億3500万円を連帯して支払うよう命じた。
全国で約30件ある集団訴訟で、高裁判決は3例目。昨年9月の仙台高裁判決は国の責任を認めたが、今年1月、国の責任を認めた前橋地裁判決を東京高裁判決は覆した。今回の判断は国の責任を認める2例目の高裁判決となった。
◆津波対策命じなかった国は「著しく合理性欠く」と違法性認定
この日の判決は、国が2002年に公表した地震予測「長期評価」を「相応の科学的信頼性がある」と評価。国が津波対策の妥当性を判断する際に長期評価を重視しなかったことを「著しく合理性を欠く」と批判し、福島第一原発に大きな津波が到来する予見可能性があったと判断した。
その上で、防潮堤の設置などの措置を講じていれば「津波の影響は相当程度軽減され、全電源喪失の事態には至らなかった」と認定。国が規制しなかったことと事故との間に「責任を認めるに足りる因果関係がある」として「規制権限を行使しなかったことは国家賠償法上、違法だ」とした。
国の責任は東電と同程度としたが、原告のそれぞれへの請求額が違うため、賠償額が異なった。
一審は「国は長期評価に基づき津波の発生を予見できた」としながらも「津波の規模の大きさから措置を講じても、原発事故を回避できなかった可能性がある」として国の責任を否定。東電にだけ約3億7600万円の賠償を命じていた。(山田雄之)
【関連記事】「あきらめず闘ってよかった」 原発事故でふるさと奪われた原告の南原さん夫婦
【関連記事】「津波に対する国の責任」判断割れる 争点は2002年の「長期評価」 原発避難民訴訟
【関連記事】原発の「安全神話」再生産に警鐘鳴らす 福島第一原発事故から10年で民間事故調が報告書を出版
=====================================================