asahi.comの社説(http://www.asahi.com/paper/editorial20120402.html)と東京新聞のコラム(http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012040202000056.html)。
消費税増税は、最悪の選択である。自営業者や小売業者を虐げるだけではなく、非正社員・非正規雇用労働者を増やし、イジメる構造を強化することになる。大企業だけが「儲かる」ためだけの、最悪の選択である。
『●『消費税のカラクリ』読了』
『●消費税のカラクリ: 斎藤貴男さんロングインタビュー』
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【http://www.asahi.com/paper/editorial20120402.html】
2012年4月2日(月)付
非正社員―処遇改善を横断的に
改正労働者派遣法が、法案提出からまる2年たってようやく成立した。
30日以内の短期派遣が禁止される。違法派遣の場合、労働者が派遣先の社員になる道を開く制度も導入する。
一方、仕事があるときだけ契約を結ぶ「登録型派遣」や製造業派遣の禁止という改正案の目玉だった規定は、与野党の修正協議で削除された。
このため、政治がどんな問題意識からどう労働市場を変えたかったのかが見えにくい。なんとも中途半端な改正だ。
もともと、リーマン・ショックで生じた「派遣切り」への対症療法的な色彩が濃かった。
法案がたなざらしになっている間に、市場のほうが変わってしまった。かつて140万人いた派遣労働者は、いま90万人規模。景気低迷に加え、規制を嫌った企業が派遣利用をやめて、契約社員化や業務委託へと切り替えたからだ。
中途半端という点では、今国会に提出された労働契約法の改正案も同様だ。
有期の契約社員が5年を超えて同じ職場で働く場合、本人が希望すれば6年目からは無期雇用に転換することを企業に義務づける。
だが、5年を前に契約を打ち切る「雇い止め」が相次ぐのではないかと懸念されている。更新時に半年あいだを置けば、前の期間は通算しないですむ「抜け道」も用意された。
何より、無期雇用に転換しても、賃金などの労働条件はそのままでいいという。これでは、「正社員化への道」は名ばかりになりかねない。
非正社員に関する法律は、派遣、契約社員、パートと、雇用形態ごとに分かれており、実態に追いついていない。
雇用者の3分の1が非正社員という時代である。「一生、同じ企業で働く」モデルはとうに崩れた。非正社員として働く側の意識も様々だ。
求められているのは、雇用形態にかかわらず、非正社員が正社員に比べ不当に扱われないようにする横断的な政策である。
年金や税を、働き方に左右されない制度に改める。希望する人には教育や訓練の機会を増やす。専門性や仕事ぶりを客観的に評価する仕組みを、社会として整える。正社員にも多様な働き方を認める。
規制強化だけでは雇用増につながらない。多少コストがかかっても、非正社員のやる気を引き出せば、人材の確保や生産性向上の面でプラスだ。企業側もそんな視点を持ってほしい。
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【http://www.tokyo-np.co.jp/article/column/ronsetu/CK2012040202000056.html】
【私説・論説室から】
民主党≒AIJ
2012年4月2日
野田内閣が消費税率引き上げ法案を閣議決定した。有権者が民主党に政権を託した二〇〇九年衆院選のマニフェストのどこにも、消費税率を引き上げるとは書いていない。明らかに「国民との契約」違反だ。
付言すれば、菅直人前首相が消費税増税を掲げて戦った一〇年参院選で民主党は惨敗している。国民の支持が得られなかった政策を臆面もなく再び持ち出すとは、民主党も神経がずぶとくなったものだ。それが政権与党らしさだとしたら、あまりにも悲しい。
国民に約束したことをやらない、約束していないことをやる。政権与党がそんなことを繰り返すから、政治が信頼を失うのだろう。
そんな民主党とAIJ投資顧問が重なって見えるのは私だけだろうか。
AIJの社長は自ら指示した虚偽の高利回りで企業年金の資金運用を勧誘し、それを信じた年金基金は貴重な資金を託す。もちろん高利回りは虚偽だから資金は目減りするばかりか、ほとんどが返ってこない。そして社長は国会でこう言い放つ。「最初からだます気は全くありません」と。
民主党も最初から国民をだますつもりはなかったのだろうが、政治は結果責任だ。今になって増税理由をいくら言い繕っても、契約破りの事実は消えない。
国会ではその民主党議員がAIJの社長を詰問していた。これは悲劇、いや、もはや喜劇である。
(豊田 洋一)
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