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●「解雇特区」、事実上見送りだそうだが・・・・・・

2013年11月08日 00時00分19秒 | Weblog


琉球新報の社説【経団連賃上げ要請 「合成の誤謬」を改めよう2013年10月12日】(http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-213707-storytopic-11.html、東京新聞の記事【首相 所信表明 復興・暮らし 具体策なく 国民の「なぜ」に応えず】(http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013101502000059.html)。gendai.netの記事二つ、【秘密審議でどんどん決まる 「クビ切り特区法案」の薄汚い手口】(http://gendai.net/articles/view/news/145283と【安倍首相 国会答弁でもう大ウソ】(http://gendai.net/articles/view/news/145319)。asahi.comの記事【解雇特区、事実上見送り 政府内も対立、二転三転】(http://www.asahi.com/business/update/1019/TKY201310180570.html?ref=com_top6)。

 普通の労働者や市民は眼中になし。

   『●「60万人雇用増の正体」: アベ(ホ)ノミクスの現実
   『●ウソとカネで五輪誘致: 「福島漁業者ら批判 「あきれた」「違和感」」

 今に始まったことではないけれどね。「バカなのか 無知なのか 詐欺師なのか…これを聞いてぶっ飛んだのが連合だ。そんな事実はないからだ・・賃上げとベースアップの区別がついていないんじゃないか」・・・・・・」。
 なんとか、「事実上見送り」だそうだが、どうなることやら。

   『●竹中平蔵氏が「解雇特区」構想をぶち上げる!!
   『●格差社会へまっしぐら: まだまだ労働者イジメは続く・・・・・・
   『●「露骨な企業優遇、労働者いじめ」 『週刊金曜日』(10月11日、963号)についてのつぶやき

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http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-213707-storytopic-11.html

社説
経団連賃上げ要請 「合成の誤謬」を改めよう
2013年10月12日

 米倉弘昌経団連会長が政府の賃上げ要請に応じ、「積極的かつタイムリーに対応」する方針を示した。デフレ脱却には賃上げが鍵を握る。方針を現実化できるか、米倉会長の指導力が問われよう。
 米倉氏は従来、賃上げに消極的な発言を繰り返してきた。政府の法人税減税方針で「外堀」が埋まり、賃上げへ積極姿勢を打ち出さざるを得なかったとみられる。
 ただ、発言が具体的に何を指すのかははっきりしない。単なる一時的な賞与増では景気回復が軌道に乗ると思えない。賃金水準自体を上げるベースアップ(ベア)など月例賃金底上げが実現するかが焦点となろう。
 経済学に「合成の誤謬(ごびゅう)」という言葉がある。個人や個別の企業の行動が合理的だとしても、社会全体でみると不都合が生じることを指す人件費削減はその典型例だ。個別の企業にとっては競争力を高めるが、社会全体では個人消費を減退させ、景気低迷、デフレを招く。過去十数年、とりわけ小泉構造改革後10年の日本経済はまさにその「誤謬」を続けてきた。
 日本の民間企業労働者の一人当たり賃金は1997年を100として2009年に88にまで落ち込んだ。英国160、米国156、仏137と先進国が軒並み上がる中、日本だけが低下したのだ。
 その結果、先進国中日本だけが長期にわたり物価が下落した。賃金下落-家計収入減-消費不振-企業の値下げ競争-物価下落-賃金のさらなる引き下げ、というデフレ・スパイラルに陥ったのは日本だけだったのだ。
 しかもこの10年、労働分配率は下がり、企業は内部留保を続けてきた。98-08年の10年で保有正味資産は国全体で261兆円下がり、家計も188兆円減少したが、法人は165兆円も増えた。企業だけが富を蓄積する一方、国全体はデフレに苦しんできたと言える。
 その失敗に学ぶなら、今こそ流れを転じるべきだろう。労働者への報酬切り下げが経済停滞を生むという「合成の誤謬」を脱し、賃上げで内需拡大、消費喚起を図るべきだ
 賃上げだけでなく雇用の質の改善も急務だろう。構造改革で正規雇用を非正規に置き換える流れが膨らんだ結果、家計収入減だけでなく社会不安増大も招き、消費を抑制したのではないか。労働法の精神の原点に立ち返り、雇用不安を取り除く法制にすべきだ
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http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2013101502000059.html

首相 所信表明 復興・暮らし 具体策なく 国民の「なぜ」に応えず
2013年10月15日 夕刊

 安倍晋三首相は十五日午後、衆参両院の本会議で所信表明演説を行う。首相はデフレ脱却に向け、企業優先の成長戦略の実行へ決意を示す。しかし、政権の「看板」である成長戦略をどのように雇用の拡大に結びつけ暮らしの向上につなげていくか、具体的な施策は示さない。東日本大震災の復興の加速も宣言するが、安倍政権の経済政策によって復興が遅れている現実がある。また政府・与党が今国会に提出・成立を目指し、国民の「知る権利」を制限する恐れがある特定秘密保護法案には触れない。=所信表明要旨<2>面

 首相は演説で「デフレからの脱却はいまだ道半ば」と指摘し、成長戦略の柱として企業を支援する姿勢を鮮明する。

 具体的には、東京五輪開催決定で日本への投資が増えることを見込み企業対象の規制を大幅に緩和する「国家戦略特区」を創設する意義を強調。企業に設備投資などを促す「産業競争力強化法案」の早期成立を念頭に、今後三年間を「集中投資促進期間」とし、税制、予算、金融、規制制度改革などあらゆる施策を総動員して、企業を支援すると表明する。

 その上で「(成長戦略の)目指すところは若者・女性をはじめ、頑張る人たちの雇用を拡大し、収入を増やすことにほかならない」と述べるが、企業支援策とは対照的に、雇用対策の具体策は示さない。

 東日本大震災の復興対策についても「(二十九万人の避難生活を送っている人が)一日も早くふるさとに戻って頂けるよう、除染やインフラ復旧を加速する」と強調するが、安倍政権が経済政策として全国で公共事業を増加させたことによって、被災地で資材や作業員を調達しにくくなり、影響が出ている。

 日本版「国家安全保障会議(NSC)」について「官邸における外交・安全保障政策の司令塔機能を強化する」と、創設に向けた関連法案の今国会での成立に意欲を示すが、関連法案と同時成立を目指す特定秘密保護法案については言及しない。


企業優先の成長戦略

<解説> 安倍晋三首相は所信表明演説で「決める政治」をキーワードに、環太平洋連携協定(TPP)交渉の年内妥結や来年四月の消費税増税に向けた決意を表明する。しかし、首相の持論を羅列するだけで、国民が抱く疑問や不安には応えない。

 首相は演説でTPP交渉について「年内妥結に向けて、攻めるべきは攻め、守るべきは守る」と強調する。

 しかし、政府・自民党は関税を撤廃させない「聖域」としたコメなど重要五項目の中で、関税撤廃できる品目があるかどうか検討を始めている。「聖域」を守るとしてきた公約は転換されたのだ

 それでも、首相は演説で「守るべきは守る」と従来の主張を繰り返すだけ。これまで他国とどんな交渉をし、なぜ公約を転換したのか、食料自給率や「食の安全」はどう守るのか、国民が知りたいことは語らない。

 消費税増税を決断したことについても「社会保障制度を次世代に安定的に引き渡していく」と訴える。

 しかし、増税に合わせて経済対策の実施を決めたことで、増収分の約八兆円のうち、五兆円は結果的に経済対策に充てられることになる。すべて年金や医療の社会保障制度に使って、財源を安定させ、将来への不安を拭うという消費税増税の目的は変質している。どう次世代に引き継いでいこうというのか。

 東京電力福島第一原発の汚染水問題でも「対策を全力でやり抜く。東電任せにすることなく国が前面に立って責任を果たす」というが、現実は作業員が汚染水を浴び被曝(ひばく)するなど、トラブルは後を絶たない。決意だけで、具体策を示さなければ国民は安心できない。(城島建治)
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http://gendai.net/articles/view/news/145283

秘密審議でどんどん決まる 「クビ切り特区法案」の薄汚い手口
2013年10月16日 掲載

 臨時国会が始まったが、秘密保護法と同じくらい重要なのが「国家戦略特区関連法案」だ。所信表明演説で、安倍首相は「日本は世界で一番、企業が活躍しやすい国を目指します」「世界最先端のビジネス都市を生み出すため、国家戦略特区制度を創設します」と宣言した。これで企業誘致が進み、景気が上向くかのような言い方だったが、この法案の目玉になるのは雇用の規制緩和、いわゆる「解雇特区」だ。こんな法案を自動通過させたら、サラリーマンに明日はない。

 「解雇特区」の怖さは、TPPと同じで、法案の中身が見えないことだ。特区では(1)解雇規制を緩和し、(2)解雇ルールを契約書面で明確にする。(3)それによって、「優秀な人材を集めやすくする」などと言われているが、内閣官房の国家戦略担当がシャカリキになっている一方で、厚生労働省が抵抗しているため、細部は詰められていない。民主党が事務方に60項目もの質問書を送付、担当者を呼んで質問攻めにしていたが、それでも、ノラリクラリとかわしてしまう。これじゃあ、議論も何もない。

 「解雇特区については有識者のワーキンググループが話し合っていますが、いつ会議が開かれ、どういう議論がされたかも非公開。会議には労働者の代表が入っていなくて、国際ルールにも反しています。しかも、具体的な解雇の基準、細かいガイドラインは法案成立後に決める方針で、よく分からない。こんなやり方は前代未聞です」(衆院議員・山井和則氏=民主党)

 それでも安倍内閣は今週末にも戦略特区法案に「解雇規制緩和」を盛り込むかどうかを最終決定。そうなれば、関連法案を11月上旬に閣議決定し、臨時国会に提出する段取りだ。


労働者の権利を「岩盤規制」と目の敵

 決め方も問題ならば、法案の中身も見過ごせない。最大の問題は法の下の平等だ。この特区だけはクビにできる、などという“差別”があり得るのか、ということだ。

   「世界を見回しても、解雇しやすい特区なんて聞いたことがありません。
    クビ切り法案は当初、規制改革案に盛り込むつもりだった。しかし、
    世論の反対で潰された。そこで、今度は特区だけでやろうということに
    なったんです。でも特区だけで解雇を認めれば、法の下の平等に反する。
    つまり、特区を風穴にして、やがて、全国で解雇規制を緩和するつもり
    なのでしょう」(山井和則氏)

 労働契約法16条には正当で合理的理由がなければ解雇できないと書かれている。労働者の基本的人権だ。絶対に譲れない一線なのに、安倍や菅官房長官らはそれを「岩盤規制」と呼んでいる。人権を規制呼ばわりされたらたまらない。
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http://gendai.net/articles/view/news/145319

安倍首相 国会答弁でもう大ウソ
2013年10月18日 掲載

バカなのか 無知なのか 詐欺師なのか…

<アベノミクス破綻ゴマカす>

 安倍首相が臨時国会でもう、大ウソだ。16日の代表者質問で、民主党の海江田代表がアベノミクスの核心、賃上げの実効性について尋ねたところ、安倍は自信満々でこう答えたのである。

   「賃金の状況については、夏季のボーナスは3年ぶりの増加となり、また、
    今年の春闘について、連合の集計結果によると、ベースアップを行う企業の
    割合が5年ぶりに2桁になりました」

 さて、これを聞いてぶっ飛んだのが連合だ。そんな事実はないからだ。連合の広報担当者が言う。

   「私どもが出している集計は2013年7月1日時点での春闘の結果をまとめた
    もので、妥結済み組合5576組合のうち、賃金改善を獲得したのは584組合、
    10%強であったという数字です。賃金改善は一時金などが含まれていて、
    ベースアップではありません。ベースアップした組合が2桁になったという
    資料は出していません

 安倍は一時金も含めた賃金上昇をちゃっかり、「ベースアップ」にしたのである
 言うまでもなく、物価上昇2%を掲げているアベノミクスは、賃金が上がらなければ、単なる不況加速策にしかならない。そのため、安倍は経団連など企業トップに事あるごとに「賃上げ」を迫ってきた。で、しぶしぶ、一部企業が一時金、ボーナスで応えたのだが、もちろん、ベースアップはしていない。アベノミクスなんて、一時的なバブルに過ぎないことは彼らが一番、よく知っているからだ。それなのに、国会答弁では「ベースアップ」にしてしまう安倍のズルさ、いい加減さ。いや、ひょっとしたら、「賃上げとベースアップの区別がついていないんじゃないか」(民主党の山井和則衆院議員)なんて声も上がっていた。経済オンチのオツムではあり得るだけに怖くなる。

   「安倍首相がどういうつもりで言ったのか分かりませんが、極度のゴマカシ
    詐欺的答弁だと思いますね。企業は半永久的な人件費増につながる
    “ベースアップ”に応じるわけがないのです。なぜなら、消費増税する
    からです。成長戦略に中身がなく、それどころか、首切りを加速させるような
    メニューが検討されているからです。安倍首相がいくらアベノミクスの成果を
    強調しても、経営者マインドは冷え込んでいる。それに一時的な賃上げに
    したって、応じたのはたった10%で、90%は違う。大手企業の組合が
    集まっている連合でさえ、こういう状況なんです。アベノミクスの破綻は
    明らかだと思います」(経済アナリスト・菊池英博氏)

 詐欺師なのか、バカなのか、安倍の二枚舌は許し難い
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http://www.asahi.com/business/update/1019/TKY201310180570.html?ref=com_top6

2013年10月19日5時48分
解雇特区、事実上見送り 政府内も対立、二転三転

 【山本知弘、清井聡】安倍政権が成長戦略の柱の一つとする「国家戦略特区」の規制緩和メニューが18日、決まった。焦点の「解雇ルールの明確化」は緩和色が大きく後退。解雇トラブルの事例をまとめた「雇用契約の指針」を政府がつくり、企業に助言する案に落ち着いた。政府内の意見対立もあって特区案は二転三転。当初の「解雇特区」は事実上、見送りになった。

トピックス「解雇特区」

 「特区全体の評価は90点。雇用は82、83点と思っている」。18日夕に会見した特区ワーキンググループ(WG)の八田達夫座長(阪大招聘(しょうへい)教授)は焦点の雇用で合格点をつけた。とはいえ、日本経済再生本部(本部長・安倍晋三首相)が決めた雇用の特区案は、当初のWG案から大きく変わった。

 当初案は(1)解雇ルール(2)労働時間法制(3)有期雇用制度の3点を見直し対象とした。外国企業の誘致などに「不便な規制」を外すためで、安倍首相も「実現に向けて検討を」と指示した。

 しかし、田村憲久・厚生労働相が「憲法上、特区内外で労働規制に差をつけられない」と慎重姿勢を崩さなかった。WGは作業の遅れから(2)の労働時間を特区構想から外した。

 焦点の「解雇ルールの明確化」も変わった。当初案では、特区で定めた指針に合えば、労使の契約が裁判官の判断を縛ることにしていた。だが結局、政府が判例をもとにした「雇用契約の指針」をつくり、個別契約が指針に沿うかを助言することで決着した。

 一方、有期契約は全国規模で見直しを始める。5年超で無期転換権が発生するのを延長。例えば、2020年の東京五輪のプロジェクトに向け、通算で5年超雇われた人でも権利が発生しない。企業は雇い止めができない無期転換への警戒感も強いからだ。

 5年ルールは今年4月に始まったばかりだが、厚労省が特区内外でルールに差はつけられないとするなか、全国一律での見直し案が浮上。厚労省幹部は「ギリギリの選択だった」と振り返った。
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