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●アベ様広報紙・産経《むしろ記者たちの質問する権利を奪おうとする、目を疑うような記事が出た》…《メディアコントロール》の成果

2020年09月08日 00時00分21秒 | Weblog

[※『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)…《政権をチェックしようという意識が…》↑]



リテラの記事【これが報道機関か! 御用新聞・産経が安倍首相に食い下がった毎日記者を「首相を矮小に見せる政治活動」と攻撃、質問封じ込めに協力】(https://lite-ra.com/2020/08/post-5601.html)。
琉球新報のコラム【<金口木舌>取材の方法、今昔】(https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1180242.html)。

 《しかも、本日付の産経新聞の報道によると、安倍首相は介護職員らの検査体制の強化や検査機器の整備拡充を盛り込んだ新型コロナ感染拡大防止のための「対策パッケージ」を表明し、会見で〈パッケージの狙いについて説明することも検討〉しているのだという。何をいまさら……としか言いようがない》。
 《▼国内でも既存メディアへの批判は強いが、世界の目はもっと厳しい。会見で質問を繰り返す記者に別の記者から批判が出る。排他的でなれ合いが指摘される記者クラブ制度もある。ようやく首相会見がある。質問する記者の姿も見られている》。

   『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件
       について真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう
    「2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました
     アベ様が首相辞任を表明しました

 この8年弱の間、アベ様の悪政は数え上げればきりがありませんし、善政が何一つ思い浮かびません。アベ様の〝唯一上手くいった〟「政」は《メディアコントロール》。数々のアベ様案件、昭恵夫人も共犯なアベ様の政治の私物化…野党の頑張りにもかかわらず、《メディアコントロール》を主因として何一つ解決できていない。アベ様のご病気云々は抜きにして、きちんとケリをつけ、アベ様に真の「責任」を取っていただく必要がある。首相辞任だけで「お終い」ではない。国会議員も辞職して頂き、国会の場で、司法の場で「責任」を取るべきだ。(白井聡さんのつぶやき)《「病気で可哀想。お疲れさまでした」の演出に見事成功しつつある》(https://twitter.com/shirai_satoshi/status/1299596147414110208)…なんて許されません。

   『●アベ様の広報機関誌『産経』が「新聞がないと、
        政権の批判もできない」……だそうです、御笑い
    《それだけではない。9月の安保法案可決直後、産経新聞はFNN
     (フジニュースネットワーク)との合同世論調査をもとに、
     〈安保法制整備は7割が「必要」〉(産経ニュース)などと報じたが、
     これがほとんど捏造と言ってもいいようなシロモノだった。
     詳しくは産経調査を分析した本サイトの過去記事をご覧いただきたいが、
     産経は質問文を前回調査からコッソリ変更するなどして、安倍政権に
     都合よく“数字上の世論”すらも捻じ曲げて報じたのである。
     というよりも“安倍謀略機関
と言うべきだが、これはなにも、
     本サイトだけが評していることではない》

   『●《産経新聞が「日本は人権守る側に立て」と論陣》!? 
          例えば、辺野古破壊では、沖縄の人々の人権は?
    《産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)の世論調査の中に
     あった。「日本の言論の自由は守られている」という問いで「思う
     と回答した人が52・0%
、「思わない」と回答した人が38・9%に上った》

   『●中曽根康弘元首相や「産経のドン」故・鹿内信隆氏らは、
      あの時、何をしていたのか? …《検閲国家》へと一歩一歩
    「《FNNと産経新聞…世論調査でも、「ホワイト国除外」を「支持する」が
     67.6%に登り、「支持しない」は19.4%にすぎなった》…壊れた国ニッポン」

   『●《産経新聞はFNN…安倍政権に都合よく“数字上の世論”すらも
     捻じ曲げて報じた…“安倍謀略機関”》…それ以上のインチキ、ペテン
   『●《官邸職員による“腕つかみ質問阻止”》事件…南彰さん《ついに質問妨害が、
                実力行使に発展…安倍晋三首相の記者会見での出来事だ》


 《これが報道機関か! 御用新聞・産経が安倍首相に食い下がった毎日記者を「首相を矮小に見せる政治活動」と攻撃、質問封じ込めに協力》だそうです。

   『●アベ様「あの、今回もですね…あの、わりと時間をとってお話も
     させていただきました…日々、西村担当大臣、また官房長官からも…」
    「リテラの二つの記事【安倍首相の“原爆の日”会見で暴力的な質問封じ!
     官邸の報道室職員が朝日新聞記者の挙げた腕をつかみ……】…と、
     野尻民夫氏による記事【記者クラブで安倍首相に抵抗の動き! 広島で
     質問制止された朝日記者だけでなく毎日記者も“ぶら下がり”で
     安倍首相に「逃げないで下さい」】」
    《■安倍首相に「国会をすぐに開くべき」「逃げないで下さい」と迫った
     毎日新聞記者はYouTuber …もっとも、この毎日新聞記者、現役の
     総理番記者ではないらしい。現在は野党担当として取材を続けながら、
     政治の情報をわかりやすく発信するYouTuberとして活動し、
     話題になっている宮原健太記者》

 アベ様による《メディアコントロール》下のこういうアベ様広報紙によって、最近では、折角健闘していた毎日新聞までもが野党の足を引っ張るような記事が散見されはじめた。今、「野党云々」ではないでしょ。独裁政権や与党・自公、癒着党・お維を徹底的に監視し、批判することに専念すべきではないのですか。政権や与党、癒着党に何か評価すべきことがあるでしょうか?
 アベ様広報紙・産経によると、《「国民の知る権利」に応えるための追及は必要だが、手法を誤れば逆にメディアは国民の信を失いかねない》そうです。あんなヌルい《追及》こそが、《国民の信を失》う大きな要因です。「更問い」さへできない記者会見《台本劇》《台本営発表》に何の意味があるのですか? 《「…首相を矮小なものに見せかけることを目的としている」「…国民に首相が逃げているような印象を与える狙い…」》…いやいやいや、「首相・アベ様は矮小なもの」ですし、《印象》ではなく、事実として「首相・アベ様は逃げていた」のです。アベ様広報紙なので仕方ないのでしょうが、事実を伝えてください。《矮小》化・《印象》操作はやめてほしい。
 《産経といえば、最近もフジテレビ系列のニュースネットワークFNNと合同でおこなっていた世論調査の不正が判明したり、さらに産経の現役記者が国会で検察庁法改正案で揺れる最中に黒川弘務・前東京高検検事長と“賭け麻雀”に興じていたことが発覚するなど、ただでさえ低かった社会的信用さらに地に落ちた状態》…とても〝新聞〟なんて呼べる代物ではない。
 さらに、阿比留瑠比広報員は《2011年に民主党の菅直人首相が退陣した際には、署名記事で〈首相は内閣発足後、衆参予算委員会も党首討論も避け、わずか8日間で国会を閉じた〉〈番記者のぶらさがり取材も1日2回から1回に減らした〉(産経新聞2011年8月27日付)などと菅首相の逃げの姿勢を厳しく問いただしていた》そうですが、当然、アベ様の《「逃げの姿勢を厳しく問いただしてい》るのですよね? COVID19対策でも《総理の存在自体が国民にとっての不安材料になっている》、また、《何のためにその地位にしがみ付いているのか》と、アベ様に総理会見で仰っていますよね?

   『●2016年報道の自由度ランキング72位:
      「メディアは二流ならば社会も二流」、アベ政治も…粗悪
    《政治が一流だけど、メディアは三流なんて国はありません
     メディアは二流ならば社会も二流なんです。相互作用ですから。
     「国境なき記者団」が発表する「報道の自由度ランキング」でも、
     上位に位置するノルウェーデンマークスウェーデンは、
     僕から見れば確かに政治も一流だし、社会も成熟していると感じます。
     2010年に自由度11位だった日本のメディアが、2016年には72位
     まで下落しました。ならばメディアだけではなくて政治も国民も、
     同じように下落
したということです。今のこの国のレベルは途上国以下
    「ジャーナリズムは、《社会や大衆が望まなくとも…火中の栗を拾って
     報じなければならないときがある》。この国の報道機関は「闘って
     いるでしょうか? 権力と「闘う」どころか、『読売』や『産経』、
     『アベ様のNHK』などはアベ様と同調し、社会を破壊していないか?」

   『●<それにつけてもアベ様や小池「ト」知事の無能さよ>…《政治の
       無策による人災》の片棒を担いだマスメディアにも大きな責任
    「リテラの記事【NYタイムズが報道拠点を東京でなくソウルに移す
     理由に「報道の独立性」を…「日本に報道の自由がない」という
     国際社会の評価】…。《安倍政権によるメディアへの報道圧力
     よって日本に報道の自由がなくなってきていることは、国際社会で
     半ば常識になっている》」

 《「日本に報道の自由がない」という国際社会の評価》はすでに世界に定着。アベ様らの罪はあまりに大きい。アベ様独裁下での「報道の自由度ランキング」の凋落具合を見ても自明だ。

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https://lite-ra.com/2020/08/post-5601.html

これが報道機関か! 御用新聞・産経が安倍首相に食い下がった毎日記者を「首相を矮小に見せる政治活動」と攻撃、質問封じ込めに協力
2020.08.26 11:12

     (産経新聞社HPより)

 すっかり「健康不安」説が既成事実化している安倍首相が、28日、ついに総理会見を開催するらしい。しかも、本日付の産経新聞の報道によると、安倍首相は介護職員らの検査体制の強化や検査機器の整備拡充を盛り込んだ新型コロナ感染拡大防止のための「対策パッケージ」を表明し、会見で〈パッケージの狙いについて説明することも検討〉しているのだという。

 何をいまさら……としか言いようがない。安倍首相が最後に新型コロナにかんする記者会見を開いたのは5月25日で、あとは国会閉会時の6月18日。そこから約2カ月半のあいだに新規感染者が前回のピーク時を超え、さらにその最中に「GoToトラベル」を前倒ししてまで実施し、感染拡大を後押しするという異常な行動に出た。この間ずっと検査の拡充はもちろん、安倍首相から国民に向けたしっかりとした説明が求められてきたというのに、それを無視しつづけ、「健康不安」説によって同情を集めたかと思えば、あまりにも遅すぎる対策パッケージとやらを引っさげて「会見を開く」というのである。やることが何から何まで身勝手すぎるだろう。

 会見では、説明責任を放棄して記者会見から逃げてきた安倍首相に対し、記者たちから、あらゆる角度から徹底追及のための鋭い質問が浴びせられることを期待したいし、実行されるべきだが、しかし、むしろ記者たちの質問する権利を奪おうとする目を疑うような記事が出た

 しかも、記事を掲載した媒体は週刊誌だとか安倍応援団の極右雑誌などではない。曲がりなりにも五大紙のひとつである産経新聞だ。

 その問題の記事は、22日の産経新聞朝刊に掲載された「「首相追及」取材手法に疑問の声 予定時間過ぎても質問」というもので、記事はこうはじまる。

〈安倍晋三首相の記者会見などで事前に決められた時間を過ぎても質問を続けようとしたり、首相が回答後も「逃げないでください」などと投げかけたりする一部の取材方法に、有識者や新聞記者OBから批判が上がっている。「国民の知る権利」に応えるための追及は必要だが、手法を誤れば逆にメディアは国民の信を失いかねない。〉

 そして、この産経の記事では、4日のぶら下がり取材の際、「臨時国会については準備できれば早急に開いていただけるのですか、総理」「すぐ開く必要あるんじゃないですか、総理と追及し、立ち去る安倍首相に「逃げないでください、総理と声をあげた毎日新聞の宮原健太記者のことや、6日の広島市での会見で「まだ質問があります!」と声をあげていた朝日新聞の記者のことを取り上げ、元朝日新聞記者の長谷川煕氏や元東京新聞論説副主幹の長谷川幸洋氏による以下のようなコメントを掲載したのだ。

「首相をたたくのが正義と思い込み、政治活動をしている。首相を矮小なものに見せかけることを目的としている」
「そういう(編集部注:会見終了時の)タイミングで声をかけることで、国民に首相が逃げているような印象を与える狙いがあるような気さえする」

 首相に厳しい質問をおこなうことはもちろん、会見を開かないことや質問に答えようとしないことに異議を申し立てることは記者として当然の行動だ。むしろ、会見も開こうとしない、質問に最後まで答えない首相のほうが異常であり、メディアの仕事はこうした首相の姿勢を正すことにあるだが、産経は記者のほうを批判したのだ


■産経新聞は、広島での会見で質問制限に抗議して手を上げ続けた朝日記者のことも攻撃

 しかも、産経は広島市での会見で朝日新聞記者が声をあげた件について、〈会見の前に、首相官邸報道室は空港に戻る移動時間を理由に「4問まで受ける」と説明していたが、首相は予定外となる朝日記者の質問に答えた。それでも朝日記者は納得せず質問を重ねようとした〉と書いているが、この説明も完全にミスリードを誘う切り取りだ

 本サイトでもこの日の会見を取り上げて記事にしたが(既報参照 → https://lite-ra.com/2020/08/post-5562.html)、官邸側の“会見は10分、幹事社2社からの質問4問に答える”という姿勢に対し、朝日は会見の3日前からより多くの質問の機会を確保するよう、内閣記者会を通じて官邸側に要望〉していた。

 だが、この要望が受け入れられず幹事社の4問で会見が終了させられそうになったため、朝日の記者は「国民の不安が高まっているなかで、なんで50日間も正式な会見を開かれないんでしょうか」と声をあげた。そして、この声に対し、安倍首相は、短くこう話しただけだ。

あの、今回もですね、コロナウイルス感染症について、あの、わりと時間をとってお話もさせていただきました。節々……節目節目において会見をさせていただきたいと考えておりますし、また日々、西村担当大臣、また官房長官からもお話をさせていただいていると思います。ありがとうございました」

 「どうして50日間も会見を開かないのか」という問いに対する答えにまったくなっていないのだが、こう言い残すと足早に安倍首相は立ち去ろうとし、対する朝日記者はねばって手を挙げつづけた。そして、ここで事件が起こる。なんと〈質問を続けていた朝日新聞記者の腕を、首相官邸報道室の男性職員が「だめだよもう。終わり、終わり」と制止しながらつかんだ〉(朝日新聞デジタル6日付)のだ。

 本来、記者からの質問が出尽くすまで答えるのが総理大臣に求められる姿勢だというのに、それもせず、官邸職員が記者に実力行使までして質問を妨害しようとするなどということは、民主主義国家では考えられない、独裁国家のやることだ。しかし、記者が腕を掴まれた一件を産経はこの記事では取り上げず、「首相は予定外の朝日記者の質問にも答えたのに記者が納得しなかった」などと記者の暴走であるかのように説明し、記者の姿勢のほうを槍玉に挙げたのだ

 しかも、その批判のために登場させた“新聞記者OB”というのが、またとんでもない人選だった。元東京新聞の長谷川幸洋氏はBPOに「重大な放送倫理違反」と判断された『ニュース女子沖縄ヘイトデマ回に司会者として加担したほか、露骨な安倍首相擁護を繰り返している安倍応援団員のひとりで、元朝日新聞記者の長谷川煕氏も『偽りの報道 冤罪「モリ・カケ」事件と朝日新聞』(ワック)なる陰謀論まがいの著書を発表、安倍首相を「報道被害者」だと擁護した人物だからだ。

 そんな“権力の犬に成り下がった自称ジャーナリストの言葉を借りて産経は、質問に答えろと食い下がった記者として当然の行動を「首相が逃げているような印象を与えるのが狙い」だの「首相をたたく政治活動」だのと批判したのである。


■産経・阿比留瑠比は毎日・宮原記者を「底が浅すぎて下心が丸見え」と攻撃も…それは自分のことだ

 産経といえば、最近もフジテレビ系列のニュースネットワークFNNと合同でおこなっていた世論調査の不正が判明したり、さらに産経の現役記者が国会で検察庁法改正案で揺れる最中に黒川弘務・前東京高検検事長と“賭け麻雀”に興じていたことが発覚するなど、ただでさえ低かった社会的信用さらに地に落ちた状態。その上、産経が掲載した「黒川検事長 賭けマージャン報道 文春『本誌記者らと今月』」という記事を執筆したのは、問題となっていた賭け麻雀に参加した記者のうちの1人だったと「プレジデントオンライン」が報道。これが事実ならば、もはや報道倫理もへったくれもないが、その産経が当たり前のことをやっている他社の記者を批判するなど、いったい何様のつもりなのだろう。

 しかも、こうした常識はずれの「記者攻撃」はこれだけではない。26日発売の極右雑誌「WiLL」10月号(ワック)では、NHK岩田明子記者、元TBS山口敬之氏と並んで「安倍首相にもっとも近い記者」と呼ばれてきた阿比留瑠比・産経新聞論説委員が、「安倍総理を貶めたい性悪=朝日・毎日」と題して寄稿。そこでも毎日の宮原記者が「逃げないでください!」と食い下がったことを取り上げ、〈呆れて物も言えません〉と綴ると、こうつづけている。

〈米国の著名なジャーナリスト、リップマンは百年近く前の一九二二年刊行の著書『世論』で「(新聞は)そろって性悪でもないし、それほど深いたくらみを抱いているわけでもない」と説いています。
 ですが、リップマンの見解とは異なり、マスコミは「性悪」そのものです。ただし、「深いたくらみ」はないという点は賛同できる。底が浅すぎて、狙いと思惑、つまり下心が丸見えですから。〉

 じつは産経新聞8日付の「産経抄」でも同じことが書かれており、安倍首相に食い下がる毎日と朝日の記者攻撃をおこなっていたのだが、これも阿比留氏が執筆したのだろう。だが、はっきり言って「底が浅すぎて下心が丸見えなのは、阿比留氏のほうだ

 というのも、阿比留氏は2011年に民主党の菅直人首相が退陣した際には、署名記事で〈首相は内閣発足後、衆参予算委員会も党首討論も避け、わずか8日間で国会を閉じた〉〈番記者のぶらさがり取材も1日2回から1回に減らした〉(産経新聞2011年8月27日付)などと菅首相の「逃げの姿勢を厳しく問いただしていた

 一応、事実関係について付記しておくと、菅氏が首相就任後におこなわれた2010年の臨時国会はたしかに7月30日〜8月6日の8日間で閉会したが、実際には内閣改造後の10月1日~12月3日にも臨時国会を開催、予算委員会も衆参合わせて18日間おこなわれている。党首討論も、開催予定だったが野党だった自公が当時、問責決議が可決された仙谷由人官房長官と馬淵澄夫国交相の出席を認めなかったことで流れている。こうした点を阿比留氏が端折っていることは気にはなるが、問題はない。それどころか、ぶら下がり取材の回数を減らしたことは徹底して批判されるべきことなのは言うまでもなく、阿比留氏の「逃げの菅首相」という主張はまったく正しい。


■産経の阿比留瑠比は菅直人首相時代、「総理の存在自体が国民にとって不安材料」と追及していたくせに…

 さらに阿比留氏は、東日本大震災から約1カ月経った2011年4月12日におこなわれた総理会見で、菅首相に対し、こんな質問を浴びせたことさえある。

「現実問題として、与野党協議にしても最大の障害になっているのが総理の存在であり、後手後手に回った震災対応でも総理の存在自体が国民にとっての不安材料になっていると思います。一体、何のためにその地位にしがみ付いていらっしゃるのか」

 「総理の存在自体が国民の不安材料」「何のためにその地位にしがみ付いているのか」──記者が総理大臣相手にここまで踏み込んで退陣要求をおこなうことなど、いまの安倍首相の会見では絶対にありえない。だが、こんな質問までもが飛び出すくらい、当時は自由な質問が許されていたことの証拠でもあり、阿比留氏は実際にそうやって菅首相に厳しい質問を浴びせることで責任の追及をおこなっていたのだ

 ところが、ぶら下がり取材の回数を減らしたことを「逃げ」だと批判していた阿比留氏が、いまではごくたまにしかおこなわれなくなってしまったそのぶら下がり取材で、ただ質問に最後まで答えようとしないことを安倍首相に問うた記者のことを非難しているのである。

 民主党政権では厳しい質問をおこない、質問機会を奪ったことを批判していたのに、政権が変わると、「逃げるな」と言う記者を批判する──二枚舌もいいところだが、「底が浅すぎて下心が丸見えと批判されるべきは、阿比留氏であり、産経新聞のほうなのである

 28日の総理会見では、ぜひどこかの記者に「総理の存在自体が国民の不安材料」「何のためにその地位にしがみ付いているのかと迫っていただきたいものだが、そうした厳しい質問が出ないことが安倍政権下の問題であり、さらに、もし万が一、そうした質問が出たとしても、それを批判する権利は産経には断じてない、ということだけは言っておこう。

(編集部)
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https://ryukyushimpo.jp/column/entry-1180242.html

<金口木舌>取材の方法、今昔
2020年8月27日 06:00
金口木舌 記者クラブ 報道

 はじめは何をしているのか分からなかった。沖縄サミットを前に名護市を訪れた当時の野中広務官房長官に同行した記者が顔をつきあわせて何かメモしている

▼中心の記者が一人でしゃべっている。歩きながら聞いた野中氏の言葉を再現していた。役者さながら声色までまねている。「東京の記者はこんな風に取材するのか」。駆け出しだったが自身の取材方法と比べても強い違和感を抱いた

▼似たような光景を東京でまた見た。菅義偉官房長官の定例会見が終わると、番記者たちが官邸の一角に集まって話し合っている。20年以上たっても変わらぬ光景に妙な感慨を覚えた

▼米ニューヨーク・タイムズが中国の香港国家安全維持法施行を受け、アジアのデジタルニュース拠点を香港から韓国ソウルに移転すると発表した。移転先には東京のほかバンコクなども検討されたという

▼東京でなくソウルが選ばれた理由に、外国企業に友好的なことに加えて報道の独立性が挙げられた。国境なき記者団による2020年の世界報道自由度ランキング日本は66位、韓国は42位

▼国内でも既存メディアへの批判は強いが、世界の目はもっと厳しい。会見で質問を繰り返す記者に別の記者から批判が出る。排他的でなれ合いが指摘される記者クラブ制度もある。ようやく首相会見がある。質問する記者の姿も見られている
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●《官邸職員による“腕つかみ質問阻止”》事件…南彰さん《ついに質問妨害が、実力行使に発展…安倍晋三首相の記者会見での出来事だ》

2020年09月02日 00時00分07秒 | Weblog

[※『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)…《政権をチェックしようという意識が…》↑]



南彰さんによる、dot.の記事【質問に答えない安倍首相を共犯者メディアが守る戦後75年の“報道事変”】(https://dot.asahi.com/dot/2020081100026.html)。

 《事前に記者から質問を集め、想定問答を読み上げるスタイルに批判を浴びてきた安倍晋三首相の記者会見。8月6日の広島での会見では、事前通告のない質問をする記者を官邸職員が妨害して制止。ついに質問妨害が、実力行使に発展した》。

   『●アベ様「あの、今回もですね…あの、わりと時間をとってお話もさせて
         いただきました…日々、西村担当大臣、また官房長官からも…」
    「《官邸職員による“腕つかみ質問阻止”》…。アベ様による
     《メディアコントロール》の成果…《世論調査でも国民の8割が国会を
     開くべきと言っているのに、日本テレビは安倍政権が国会を拒否している
     ことを一切批判せず、逆に正当な要求をしている野党ののほうを
     あげつらったのだこんな御用マスコミがのさばっているかぎり、
     安倍政権の横暴はまだまだ続くだろう》。一方、ぶら下がり
     キシャカイケンでは、《安倍首相に「国会をすぐに開くべき」
     「逃げないで下さい」と迫った毎日新聞記者はYouTuber
》な
     宮原健太記者。従来から、ぶら下がりさへも《台本劇
     《台本営発表》化していたのも衝撃。そこに、宮原記者が風穴か?」

 《官邸職員による“腕つかみ質問阻止”》事件。
 《メディアコントロール》の成果…総理会見・首相会見についての事件。見るに堪えない《慰労会》《台本劇》《台本営発表》が続いていた…。首相会見は官邸記者クラブ主催のアベ様「慰労会」…アベ様が「思いを語る」独演会に始まり、「更問い」も無い《台本劇》《台本営発表》。《メディアが総理をもてなす場》と化していた。そして、久しぶりの4問限りの《台本劇》《台本営発表》で何が起きたのか?
 それが、《官邸職員による“腕つかみ質問阻止”》。(リテラ)《だが、釈然としないのは、記者クラブや他の記者たちの姿勢だ》《そのとき他の記者たちは抗議をおこなったのか本当ならば、その場で記者たちが猛抗議し、朝日のみならず他の社も一斉に抗議文を出し、報道すべきではないのか》。でも、傍観…。《傍観者を決め込んでいる》場合ではないはずなのに。
 最低の官房長官らは《腕をつかまれたのか否か、という水掛け論にして、うやむやにしようとしたのである。しかし、質問中の記者に近寄り、「ダメだよ」と制止するだけでも十分な妨害行為であり、そこが本質である》。

   『●新聞労連・南彰中央執行委員長による声明【オープンな
     首相記者会見を求める】…「質問をする機会はすべての取材者に…」
   『●三宅勝久さん《報道・言論の自由を標榜しながら
      じつのところ会見参加者を選別している…巧みな情報操作》
   『●内閣記者会政治部記者の露骨な本音は? Passiveな《官邸による
     「望月いじめ」を「黙殺」する形で「加担」》かと思いきや…
   『●#COVID19 記者会見モドキから「逃げるは恥だし役立たず」…
           《首相動静 29日…6時、記者会見。7時12分、自宅。》
   『●アベ様の緊急事態宣言で私権が制限され、報道は統制される…
     《ヒトラーのナチス・ドイツ…ワイマール憲法48条の緊急措置を利用した》
    「2020年3月14日(土)18時に開かれた総理会見。《とっさに
     「まだ質問があります」と声を張り上げた。同時に、全国メディアや
     フリーの記者が抗議していた》、一歩前進。つぎは、《更問い》を、
     是非、取り戻しましょう。記者の質問が尽きるまで、質疑をやって
     もらいましょう。ママに叱られる門限か何かがあるのか知らないが、
     《帰宅》しか《予定》がないんでしょ、アベ様には。第一、土曜日に
     開催する〝重要〟な総理会見の後に、《予定》なんて入れないでよ

   『●記者会が仕切り役を取り戻し、《総理会見では更問い(追加質問)が
     できないので、結局、総理の言いっ放しになってしまう》ことの改善を
   『●①内閣記者会が支える《台本劇》《台本営発表》、そして、愚者に
       さらなる凶器《緊急事態宣言》《緊急事態条項》を与える愚かさ
   『●記者会が仕切り役を取り戻し、《総理会見では更問い(追加質問)が
     できないので、結局、総理の言いっ放しになってしまう》ことの改善を
   『●《〈「大幅に時間を超えて対応」した構図を演出…〉…14日の会見も
        批判のガス抜きのため官邸がより巧妙にコントロールしていた》
   『●政治判断の《根拠》は? 《国家のリーダーとして、権力を預かる者は
       その責任と、権力行使の影響を、十分に自覚しなければならない》
   『●首相会見は官邸記者クラブ主催のアベ様「慰労会」…アベ様が「思いを
      語る」独演会に始まり、「更問い」も無い《台本劇》《台本営発表》
   『●畠山理仁さん《報道に携わる者が対峙すべきは権力者だ》…立岩陽一郎さん
          《驚かされるのは、周囲の記者の反応…傍観者を決め込んでいる》

 それにしても、アベ様広報紙産経新聞の卑屈さよ。南さんの〆の言葉、《第2次世界大戦中…国体を明確に把持し公正廉直の者が資格条件になっていた。こうして政権に疑問を差し挟む記者が排除され、報道は「大本営発表」に染まった日本メディアは政権の共犯者となり、多くの国民・市民の平和な生活と人権を打ち砕いたのである。75年前の戦争に思いをはせる8月。この過ちを決して繰り返してはいけない》。
 以前も引用したが、小杉みすず氏による、リテラの記事【安倍首相の会見はなぜ「出来レース」になったのか? 官邸記者の経験を持つ新聞労連委員長が語った“安倍政権下で起きた変化”】によると、《今回のMICと「国家パブリックビューイング」による「オープンな首相記者会見を求める」ウェブ署名等の取り組みには賛同したいが、やはり、もっとも根本的な課題は、マスコミが異常すぎる首相会見の共犯者であることだ》。

   『●《日本のメディアの閉塞状況》《閉塞するメディア、政権批判に
                   対して圧力がかかる不健全な言論状況》…
    「リテラの二つの記事【横田一「ニッポン抑圧と腐敗の現場」57/
     政権の圧力を押し返した韓国のテレビ記者と、吉田調書報道を「誤報」
     にされた元朝日新聞記者が語った“日韓ジャーナリズムの差”】…
     《ドキュメンタリー映画『共犯者たち』(2017年製作)が上映され、
     「日本の『共犯者たち』は誰だ? 権力と『マスコミ』」と題された
     シンポジウムが開かれた…一方、日本のメディアの閉塞状況を語った
     のは、福島第一原発の吉田昌郎所長(当時)の調書報道を手がけた
     元朝日新聞記者の木村英昭氏、渡辺周氏の2人だった。ちなみに、
     渡辺氏はこの上映会・シンポジウムを主催したジャーナリズムNGO
     「ワセダクロニクル」の編集長でもある》」

   『●➀《吉田調書…取り消しという虚報扱い…メディアとジャーナリズムの
     将来に禍根》(青木理さん)…アベ様による「報道統制」が可能になった今
    「《日本の『共犯者たち』は誰だ?》 アベ様の広報紙・誌や取り巻き
     連中がまっとうな報道を攻撃。アベ様の政で唯一〝上手くいっている〟
     《メディアコントロール》の下、これで、緊急事態宣言でも出された
     日には、報道統制によって…怖すぎる。記事末尾、福島の被災者の言葉
     《第二次大戦の時は、良心的な人が牢屋に入り、新聞は戦争を煽った。
     同じ失敗を繰り返すのか。》」

   『●《〈「大幅に時間を超えて対応」した構図を演出…〉…14日の会見も
       批判のガス抜きのため官邸がより巧妙にコントロールしていた》

 そして、2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました。でも、何も解決していません。数々のアベ様案件の真相が明らかとなり、アベ様が真の「責任」をおとりになるまで。アベ様の〝唯一上手くいった〟「政」である《メディアコントロール》の呪縛からメディアは早く解き放たれてほしい。

   『●さようならアベ総理、そして、こんにちはアベ様…数々のアベ様案件
       について真相を解明し、真の「責任」を果たしていただきましょう
    「2020年8月28日(金)午後、漸くこの日を迎えました
     アベ様が首相辞任を表明しました

    『●前川喜平さん《数々の政策の失敗…行政の私物化について、納得できる
             説明をし、ちゃんと謝罪し、その責任をとってから、辞めてほしい》


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https://dot.asahi.com/dot/2020081100026.html

質問に答えない安倍首相を共犯者メディアが守る戦後75年の“報道事変”
南彰
 2020.8.13 09:00 dot. #安倍政権 #朝日新聞出版の本 #読書

     (記者会見する安倍晋三首相=2020年8月9日午後、長崎市 
      (c)朝日新聞社)
     (政治部不信 権力とメディアの関係を問い直す (朝日新書) 南彰)

 事前に記者から質問を集め、想定問答を読み上げるスタイルに批判を浴びてきた安倍晋三首相の記者会見。8月6日の広島での会見では、事前通告のない質問をする記者を官邸職員が妨害して制止。ついに質問妨害が、実力行使に発展した。新著『政治部不信 権力とメディアの関係を問い直す』(朝日新書)の著者で、朝日新聞政治記者として取材現場を知る新聞労連委員長・南彰氏が、特別に寄稿した。

*  *  *

 ついに質問妨害が、実力行使に発展した

 原爆投下から75年を迎えた8月6日。広島で行われた安倍晋三首相の記者会見での出来事だ。

 首相側は事前に準備された4つの幹事社質問への答弁の台本を読み上げて、15分あまりで記者会見を一方的に打ち切ろうとした

 首相の正式な記者会見は49日ぶり。官邸記者クラブ内閣記者会)は、幹事社以外の質問にも応じるよう、首相側に求めていた。待ちわびていた記者から次々と声があがり、安倍首相が「節目、節目で会見をさせていただきたい」とその一部にだけ答えて、終わろうとしたときだ。

「ダメだよ、もう。終わり、終わり」

 質問を続けていた朝日新聞記者が官邸報道室の職員に制止され、腕をつかまれたのだ

 この記者は自席から冷静に質問を重ねていた。その質問内容はどのようなものだったか。

なぜ50日近く十分に時間を取った正式な会見を開かないんでしょうか
(今日の会見時間は)十分な時間だとお考えでしょうか
「(国会の)閉会中審査には出られるのでしょうか

 いずれも国民・市民の疑問を反映したまっとうなものだった。それを制止してきた官邸側の対応は、報道の自由」や国民・市民の「知る権利」を侵害する行為だった。

 官邸側は朝日新聞の抗議に対し、「速やかな移動を促すべく職員が注意喚起を行ったが、腕をつかむことはしていない。今後とも、記者会見の円滑な運営を心掛ける所存」(報道室)と妨害行為を正当化した。菅義偉官房長官は翌7日の記者会見で、職員が記者の体に触れた有無を繰り返し問われると直接は否定せず、「腕をつかむことはしていないと(報道室から)報告を受けている」という間接的な言い回しで逃げ切ろうとした

 腕をつかまれたのか否か、という水掛け論にして、うやむやにしようとしたのである。しかし、質問中の記者に近寄り、「ダメだよ」と制止するだけでも十分な妨害行為であり、そこが本質である。官邸の主張は、テレビ朝日の女性記者に対する財務事務次官によるセクシュアルハラスメントが発覚した時の対応とそっくりだった。

 新聞労連も7日に官邸に抗議する声明を出したが、驚いたのは、産経新聞が8日付朝刊に掲載した1面コラム「産経抄」だ。

「官邸側が高圧的に都合の悪い質問をやめさせたような印象を受けるが、実際はどうだったか」

 筆者はそのように疑問を投げかけ、「報道室は4問のみ受け付けると告知していた」「空港への移動時刻が迫っていた」「腕をつかんだことも否定している」といった官邸側の主張を列記。朝日新聞や毎日新聞の記者が安倍首相に食い下がって質疑に挑んだ例をあげて、「マスコミは性悪だ」「底が浅すぎて、下心が丸見え」と中傷したのだ

 記者が様々な角度から質問をぶつけ、見解を問いただすことは、為政者のプロパガンダや一方的な発信防ぎ、国民・市民の「知る権利」を保障するための大切な営みだ。しかし、官邸の記者会見を巡っては近年、事前通告された質問だけで終了したり、官邸の意に沿わない記者の質問を妨害したりすることが繰り返されてきた。

 

 東京新聞の望月衣塑子記者の質問中に、上村秀紀・官邸報道室長(当時)が7~8秒ごとに「簡潔にしてください」などと妨害行為を行っていたのが象徴的である。そして緊急事態宣言を理由に狭めた「1社1人」という人数制限を宣言解除後も続け、望月記者らの参加自体も封じるようになっている

 こうした報道の自由知る権利の危機において、官邸記者クラブが結束して対抗することを妨げてきた正体を示したのが、8日付の産経抄だ。このコラムに守られるように、9日に行われた長崎市での首相記者会見では、官邸側は事前に準備された幹事社質問の2問に答えただけで打ち切ったまるで戦前の「大本営発表」のようだった

 8月6日から9日にかけて起きた出来事は、記者会見で「質問できない国」になっている内側を描き、嘘や強弁がまかり通る政治の現状に警鐘を鳴らした前著『報道事変』と、そうした政治権力と共犯関係に陥っているメディアの存在を描いた新著『政治部不信』の同時進行を象徴する出来事だった。原爆死没者を追悼し、核兵器廃絶世界恒久平和の実現を願う広島・長崎にとって特別な日に起きたことはあまりにも悲しい

 第2次世界大戦中、準統制団体である「日本新聞会」のもとで記者登録制が敷かれ、自由な報道や取材活動が大きく制限された。1942年3月に策定された「日本新聞会記者規定」では、国体を明確に把持し公正廉直の者が資格条件になっていた。こうして政権に疑問を差し挟む記者排除され、報道は「大本営発表」に染まった日本メディアは政権の共犯者となり、多くの国民・市民の平和な生活と人権打ち砕いたのである。75年前の戦争に思いをはせる8月。この過ちを決して繰り返してはいけない。
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コメント
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●アベ様「あの、今回もですね…あの、わりと時間をとってお話もさせていただきました…日々、西村担当大臣、また官房長官からも…」

2020年08月12日 00時00分19秒 | Weblog

[※『権力と新聞の大問題』(望月衣塑子×マーティン・ファクラー著)…《政権をチェックしようという意識が…》↑]



リテラの二つの記事【安倍首相の“原爆の日”会見で暴力的な質問封じ! 官邸の報道室職員が朝日新聞記者の挙げた腕をつかみ……】(https://lite-ra.com/2020/08/post-5562.html)と、
野尻民夫氏による記事【記者クラブで安倍首相に抵抗の動き! 広島で質問制止された朝日記者だけでなく毎日記者も“ぶら下がり”で安倍首相に「逃げないで下さい」】(https://lite-ra.com/2020/08/post-5564.html

 《安倍首相は、その後、じつに約1カ月半ぶりとなる総理会見を開いたのだが、会見をたったの約15分で強制終了しただけではなく、「まだ質問があります!」と声をあげていた朝日新聞の記者に対し、首相官邸の報道室職員が腕を掴み、質問を阻害しようとしたというのだ》。
 《菅義偉官房長官がこの問題を問われ、官邸報道室の見解と同様に「(首相の)広島空港への移動時刻が迫っていた中での出来事で、速やかな移動を促すべく職員が注意喚起を行ったが、腕をつかむことはしていないとの報告を受けている」と否定した。しかし、記者から「身体に触れてもいないのか」という質問が飛ぶと、菅官房長官は「いま私が申し上げた通り」「腕をつかむことはしていないと報告を受けている。詳細については報道室に照会いただきたい」と接触を否定しなかった》。

   『●3.11後にヒロシマで原発推進・輸出を語れるその神経……
   『●「核なき世界」: 「核廃絶に向けた決議の採決で、
       唯一の被爆国の日本が反対票…日本はあまりにも鈍感」
   『●核兵器禁止条約不参加で、「どこの国の総理ですか」なアベ様の
              「わが国のアプローチ」とやらは一体全体?
   『●サーロー節子さん「自分の国に裏切られ、見捨てられ続けてきた
                 という被爆者としての思いを深くした」

 「核兵器なき世界」さへ目指さないアベ様の言う「核なき世界」が如何にいい加減かが分かろうというもの…「憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね」というアベ様の思想は何も変わっていない。敵基地攻撃論の先には、何が待っていることやら。
 リテラの記事【広島原爆の日も核廃絶にやる気なし安倍首相 ノーベル平和賞ICANは防衛予算でPCR検査センター130カ所以上設置できると試算】(https://lite-ra.com/2020/08/post-5561.html)によると、《だが、この空疎な「橋渡し」という言葉や、安倍首相の核廃絶へのやる気のなさ、被爆者の思いを軽視する姿勢に対し、今年も松井一實・広島市長は「平和宣言」でNOを叩きつけた。「日本政府には、核保有国と非核保有国の橋渡し役をしっかりと果たすためにも、核兵器禁止条約への署名・批准を求める被爆者の思いを誠実に受け止めて同条約の締約国になり、唯一の戦争被爆国として、世界中の人々が被爆地ヒロシマの心に共感し「連帯」するよう訴えていただきたい」 さらに、湯崎英彦・広島県知事は、はっきりと「裏切り」という言葉を用い、安倍政権の姿勢を痛烈に批判したのだ。 「なぜ、我々広島・長崎の核兵器廃絶に対する思いはこうも長い間裏切られ続けるのでしょうか。それは、核による抑止力を信じ、依存している人々と国々があるからです。しかしながら、絶対破壊の恐怖が敵攻撃を抑止するという核抑止論は、あくまでも人々が共同で信じている『考え』であって、すなわち『虚構』に過ぎません」》。

 《不戦の誓い》《恒久平和の希求》どころか、敵基地攻撃能力の保持を求める狂った独裁者ブリ。しかも、アベ様ときたら《憲法上は原子爆弾だって問題ではないですからね、憲法上は。小型であればですね》…。
 琉球新報の記事【原爆投下75年 玉城知事が広島へメッセージ「不戦の誓いつなげたい」】(https://ryukyushimpo.jp/news/entry-1169957.html)によると、《玉城デニー知事は6日、太平洋戦争末期に広島に原爆が投下されてから75年の節目に合わせ、単文投稿サイトのツイッターにメッセージを投稿…「今から75年前、広島市に原爆が投下され、多くの尊い命が犠牲となった。今なお心身に深い傷を負い苦悩を抱えながらも、戦争の理不尽さを、平和の尊さを語られる皆様の思いに、先の大戦でかけがえのない命が失われた沖縄からも、不戦の誓いと恒久平和を希求する願いをつなげたいと祈念する」などとつづった》。

 さて、本題はこちら…《メディアコントロール》。
 総理会見・首相会見について。見るに堪えない《慰労会》《台本劇》《台本営発表》が続いていた…。首相会見は官邸記者クラブ主催のアベ様「慰労会」…アベ様が「思いを語る」独演会に始まり、「更問い」も無い《台本劇》《台本営発表》。《メディアが総理をもてなす場》と化していた。そして、久しぶりの4問限りの《台本劇》《台本営発表》で何が起きたのか?

   『●①内閣記者会が支える《台本劇》《台本営発表》、そして、愚者に
       さらなる凶器《緊急事態宣言》《緊急事態条項》を与える愚かさ
   『●記者会が仕切り役を取り戻し、《総理会見では更問い(追加質問)が
     できないので、結局、総理の言いっ放しになってしまう》ことの改善を
   『●《〈「大幅に時間を超えて対応」した構図を演出…〉…14日の会見も
        批判のガス抜きのため官邸がより巧妙にコントロールしていた》
   『●政治判断の《根拠》は? 《国家のリーダーとして、権力を預かる者は
       その責任と、権力行使の影響を、十分に自覚しなければならない》
   『●首相会見は官邸記者クラブ主催のアベ様「慰労会」…アベ様が「思いを
      語る」独演会に始まり、「更問い」も無い《台本劇》《台本営発表》
   『●畠山理仁さん《報道に携わる者が対峙すべきは権力者だ》…立岩陽一郎さん
          《驚かされるのは、周囲の記者の反応…傍観者を決め込んでいる》

 《官邸職員による“腕つかみ質問阻止”》。リテラの記事が云うように《だが、釈然としないのは、記者クラブや他の記者たちの姿勢だ》《そのとき他の記者たちは抗議をおこなったのか本当ならば、その場で記者たちが猛抗議し、朝日のみならず他の社も一斉に抗議文を出し、報道すべきではないのか》。
 《傍観者を決め込んでいる》場合ではない。

 アベ様による《メディアコントロール》の成果…《世論調査でも国民の8割が国会を開くべきと言っているのに、日本テレビは安倍政権が国会を拒否していることを一切批判せず、逆に正当な要求をしている野党ののほうをあげつらったのだこんな御用マスコミがのさばっているかぎり、安倍政権の横暴はまだまだ続くだろう》。
 一方、ぶら下がりキシャカイケンでは、《安倍首相に「国会をすぐに開くべき」「逃げないで下さい」と迫った毎日新聞記者はYouTuber》な宮原健太記者。従来から、ぶら下がりさへも《台本劇》《台本営発表》化していたのも衝撃。そこに、宮原記者が風穴か?

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https://lite-ra.com/2020/08/post-5562.html

安倍首相の“原爆の日”会見で暴力的な質問封じ! 官邸の報道室職員が朝日新聞記者の挙げた腕をつかみ……
2020.08.06 11:56

     (首相官邸HPより)

 この国は独裁国家そのものではないか──そう言わずにおれない“事件”が起こった。本日、広島市でおこなわれた「原爆死没者慰霊式平和祈念式」に出席した安倍首相は、その後、じつに約1カ月半ぶりとなる総理会見を開いたのだが、会見をたったの約15分で強制終了しただけではなく、「まだ質問があります!」と声をあげていた朝日新聞の記者に対し、首相官邸の報道室職員が腕を掴み、質問を阻害しようとしたというのだ。

 この問題は、時事通信、共同通信、毎日新聞などが報じたあと、22時38分に、当の朝日新聞も報じた。朝日新聞の記事によると、本日の会見について、官邸側は会見時間は10分間だと内閣記者会に伝え、内閣記者会と地元記者会の幹事社から2問ずつ質問に答えるとしていたが、朝日は3日、〈より多くの質問の機会を確保するよう、内閣記者会を通じて官邸側に要望〉していたという。

 しかし、その要望は聞き入れられず、会見は幹事社の4問で終了。その際、こんなことが起こったという。

〈幹事社質問のやりとりの後、座ったまま挙手して「総理、まだ質問があります」と聞き、首相は答えた。記者は質問を続けたが、司会役の広島市職員が会見終了を宣言し、首相は退席した。この際、官邸報道室の職員が短時間、記者の右腕をつかんだ。〉

〈質問を続けていた朝日新聞記者の腕を、首相官邸報道室の男性職員が「だめだよもう。終わり、終わり」と制止しながらつかんだ。〉

 つまり、記者が質問しようとあげた手を、官邸報道室の職員が質問を妨害するために降ろさせようと、腕をつかんだのだ。朝日新聞社は「質問機会を奪う行為につながりかねず、容認できませんとして報道室に抗議したという。

 一方、この抗議に対して官邸報道室の富永健嗣室長は、「予定の4問と回答を終えた時点で貴社から質問があり、総理がお答えした。広島空港への移動時刻が迫っていた中での出来事であり、速やかな移動を促すべく当室職員が注意喚起を行ったが、腕をつかむことはしていない」と弁明したという。腕をつかんだことは否定しているが、「速やかな移動を促すべく注意喚起を行った」ことは認めたわけだ。こういうトラブルでは弱腰が目立つ朝日が正式に抗議していることから考えても、官邸報道室の職員が暴力的に質問を制止したのは間違いないだろう。

 本来、記者からの質問が出尽くすまで答えるのが総理大臣に求められる姿勢だというのに、それもせず、官邸職員が記者に実力行使までして質問を妨害しようとするなどということは、民主主義国家では考えられない、独裁国家のやることではないか。

 だいたい、本日おこなわれた会見は「会見」などと呼べるようなものでは到底ない、一方的な「独演会」のようなシロモノだった。


4問に答えただけで安倍は「わりと時間をとってお話もさせていただきました」

 実は本日の会見は、前述したように広島の市政記者クラブと内閣記者会の幹事社が事前通告していた代表質問2問ずつの計4問しか許されていなかった。最初に質問に立った市政記者クラブの幹事社・中国放送の記者からの代表質問は、1問目は「黒い雨訴訟」、2問目は河井克行前法相・案里議員夫妻の買収事件について。この質問に対し、安倍首相は淡々と答えるのみだった。

 そして、内閣記者会の幹事社・日本テレビの記者からの代表質問は、1問目が新型コロナ対応と内閣改造について。すると、安倍首相は「Go Toトラベル」について「ウィズコロナの時代の安全で安心な新しい旅のスタイルを普及・定着させていきたい」だの、「直ちに緊急事態宣言を出すような状況ではない」だの、感染者の急増について「検査体制が大幅に拡充されてきたことも大きい」などと滅茶苦茶な説明を7分以上も長々とつづけたのだ。

 ところが、日テレの記者が「2問目をお伺いさせていただきます」と口にすると、司会者は「質問時間が予定の5分を超えております。内閣記者会からの代表質問はこれで終了させていただきます」とカットイン。しかし、このとき安倍首相は「もう一問でしょ? いい、いい」と司会者を制止し、質問に応じた。ちなみに、日テレ記者の2問目の質問は、「敵基地攻撃能力の保有について」だった。

 繰り返すが、この代表質問の4問は事前に通告されていたものだ。そもそも、新型コロナが過去最多の新規感染者数を更新しつづけるなかで約1カ月半も正式な会見を開かず、国民に説明責任を果たしてこなかったというのに、「会見は10分間」というその短さは一体どういうことなのか。だいたい、長々と喋り倒して時間を浪費させたのは安倍首相だ

 そして、問題はこの後だった。会見開始から約15分、日テレ記者の2問目の質問に安倍首相が答え終わると、「総理、まだ質問があります!」と声があがった。

 しかし、安倍首相は何も語らずじっとしたまま。すかさず司会者が「予定のお時間が過ぎておりますので、これで終了させていただきたいと思います」とアナウンスしたが、さらに記者から「国民の不安が高まっているなかで、なんで50日間も正式な会見を開かれないんでしょうか」という声があがる。それでも安倍首相は表情を変えず、司会者が「当初ご案内しておりますとおり、予定のお時間が過ぎておりますので、これにて代表質問を終了させていただきます」と繰り返したのだが、ここで安倍首相が口を開き、こう言い出したのだった。

「あの、今回もですね、コロナウイルス感染症について、あの、わりと時間をとってお話もさせていただきました。節々……節目節目において会見をさせていただきたいと考えておりますし、また日々、西村担当大臣、また官房長官からもお話をさせていただいていると思います。ありがとうございました」

 そして、安倍首相は足早に立ち去り、会見は強制終了したのだ。


内閣記者会はなぜ代表質問4問だけで手打ちしたのか、なぜ暴挙に全社で抗議しないのか

「わりと時間もとって話した」って、それは自分の言い分を一方的にまくし立てただけ。ご存じのとおり、すでに「Go Toトラベル」が全国で感染を拡大させていることは明白であり、さらには現在、「症状があっても検査が受けられない」という声が再びあがっているような状況にある。安倍首相は「検査体制が大幅に拡充されている」と言うが、人口100万人あたりの検査数は発展途上国なみの水準だ。こんな状況下にあって、一方的な説明だけで納得しろというほうがどうかしているのだ。

 しかも、このときに質問をしようと手をあげていた記者の腕を、官邸の報道室職員がつかんで質問を制止させようとしていたとは──。質問に答えない、答えられない総理大臣を守るために記者に手を出すことなど、言語道断の行為だ。

 だが、釈然としないのは、記者クラブや他の記者たちの姿勢だ。そもそも、繰り返すが約1カ月半も会見が開かれない異常事態だというのに、内閣記者会はどうして事前に通告した代表質問4問で“手打ち”していたのか。広島の市政記者クラブも同様だ。原爆投下から75年の節目を迎えても核兵器禁止条約批准しようとしない問題のみならず、広島は河井夫妻の買収事件の舞台となった場所だ。票を金で買おうという県民を冒涜する行為を働いた選挙運動の責任を、地元メディアの記者は徹底的に追及すべき場ではないか。

 それだけではない。記者が質問しようとあげていた腕を官邸の報道室職員がつかむという蛮行を働いた現場に居合わせていたというのに、どうしてその事実が報道されたのが朝日新聞社の抗議文が出てからなのか。いや、そのとき他の記者たちは抗議をおこなったのか本当ならば、その場で記者たちが猛抗議し、朝日のみならず他の社も一斉に抗議文を出し、報道すべきではないのか

 言っておくが、こんな状況はまともな民主主義先進国では考えられないことだ。たとえば、アメリカのトランプ大統領の会見で、政権に批判的なCNNニューヨーク・タイムズなどが締め出された際には、AP通信やタイム誌も一緒になって会見をボイコットし、ホワイトハウス記者会も抗議声明を発表。また、会見でトランプを厳しく追求したCNNの記者が記者証を取り上げられた際も、ライバル社でありトランプ寄りのFOXニュースも含め、メディア一丸となって記者を支援した

 さらにアメリカでは、報道官が菅官房長官のようにまともに質問に答えず、批判的なメディアに対して強権的な姿勢を見せても、記者たちは食い下がって何度も質問を繰り返し、ときには紙面や番組ではっきりと「嘘つき」「バカ」「大バカ」「最悪の返答」と批判を浴びせている。これこそが不誠実な政権担当者に対するジャーナリズムの本来のあり方なのだ。

 かたや、これまでの総理会見はどうだったか。最後まで質問に答えず、適当な用事をセットして会見を強制終了する官邸側に対し、「短すぎる!」「こんなものは受け入れられない」と突っぱねることもせず、挙げ句、打ち合わせにまで応じ、一連のコロナ会見でも当初はフリージャーナリストの江川紹子氏が質問を求める声をあげても白い目を向けていた有様だった。もし、これで記者に対する“実力行使”を伴った質問妨害に対し、黙ってみていただけだったとしたら──。

 事前通告がなされた代表質問にしか答えないものを「会見」と呼び、記者の質問を妨害するためについに手まで出した安倍官邸の行為は許されるものではなく、徹底的に追及されなければならない。だが同時に、内閣記者会やメディアが抱える問題についても、あらためて批判・検証が必要だろう。

(編集部)
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https://lite-ra.com/2020/08/post-5564.html

記者クラブで安倍首相に抵抗の動き! 広島で質問制止された朝日記者だけでなく毎日記者も“ぶら下がり”で安倍首相に「逃げないで下さい」
2020.08.07 11:53

     (#ブンヤ健太の記者倶楽部より)

 安倍首相の広島での記者会見で「まだ質問があります!」と声をあげていた朝日新聞の記者に対し、首相官邸の報道室職員が腕をつかみ、質問を封じ込めた問題。きょう午前の記者会見で、菅義偉官房長官がこの問題を問われ、官邸報道室の見解と同様に「(首相の)広島空港への移動時刻が迫っていた中での出来事で、速やかな移動を促すべく職員が注意喚起を行ったが、腕をつかむことはしていないとの報告を受けている」と否定した。

 しかし、記者から「身体に触れてもいないのか」という質問が飛ぶと、菅官房長官は「いま私が申し上げた通り」「腕をつかむことはしていないと報告を受けている。詳細については報道室に照会いただきたい」と接触を否定しなかった

「朝日を目の敵にしている安倍政権のこと。もし、官邸職員が本当に腕をつかんでいないなら、『またでっち上げをするのか』とかなんとか、もっと強気に朝日を責め立てるでしょう。おそらく、官邸は朝日が腕をつかまれたシーンの証拠写真か動画をもっている、あるいは他社の記者で目撃者がいると考えているのではないか。それでいつものように強気の対応には出られないんでしょう」(全国紙政治部デスク)

 しかし、この問題の本質は、腕をつかんだかどうかではない。安倍首相が新型コロナの感染拡大、「GoToトラベル」強行など、説明責任を問われる状況が起きている1カ月半も会見を開かず、ようやく開いた会見で質問を4問に制限し、約15分で打ち切ってしまったたことだ。前出の全国紙政治部デスクがこう解説する。

「官邸は広島市政記者クラブと内閣記者会の幹事社である中国放送と日本テレビが2問ずつ、会見時間は10分に制限していた。実際の質疑応答は安倍首相が日本テレビの質問時間の延長を許して、15分になったが、これはも官邸のシナリオ通りと言われている。日テレの1問目の質問で司会者が終了させようとするのを、安倍首相が『もう1問いいよ』と許すことで、丁寧に説明しているポーズをアピールするという作戦だったんじゃないか、と。実際、日テレの2問目は安倍首相の語りたがっていた敵基地攻撃能力の保有について』でしたからね」

 まったくとんだ茶番だが、そんななか、朝日新聞は今回の会見前から官邸に対して、幹事社だけでなくもっと多くの質問を受け付けるよう要求していた。

 

 ところが、官邸はこれを却下。そこで、朝日の記者が当日の会見で行動を起こし、予定の質問が終わった後に「まだ質問があります」と手を挙げ続けた。その結果、起きたのが今回の官邸職員による“腕つかみ質問阻止”だったのである。


■安倍首相の「ぶら下がり取材」でも記者クラブは事前に質問を提出していた

 そういう意味では、今回の問題では安倍政権の相変わらずの言論弾圧体質が改めて浮き彫りになった一方で、これまで政権と裏で談合していた大新聞の政治部がようやく抵抗を開始した兆しと言ってもいいのではないか。

 実際、こうした安倍首相の批判封じ込めへの抵抗は、広島での会見の前々日、4日のぶら下がり取材でもみられた。

 ぶら下がり取材というのは、首相が官邸に入邸、もしくは退邸するときに総理担当記者が声がけをして、1〜2問の質問をおこなうもの。会見を拒否する安倍首相も、このぶら下がり取材にはときおり応じていた。

 この日は記者から「コロナ感想者が急増していますが、臨時国会を開くお考えはないのでしょうか」という質問が出て、安倍首相は結局、いつものようにまったく答えになっていない空疎な言葉を並べ立てるだけ。

「現下の情勢についてはですね、高い警戒感を持って注視しておりますし、自治体としっかり連携しながらサポートをおこなっております」
「国会につきましてはですね、いままでも与野党が合意して適時、国会において閉会中審査が開催されているというふうに承知しています。臨時国会については、いま、コロナ対策を含め諸課題を整理した上で与党としっかり相談して対応していきたいと考えています」

 コロナ対策をすべて自治体に押し付け、臨時国会どころか閉会中審査にも出席せず、会見からも逃げ回っている総理大臣がいったい何を言っているのか、という話だが、しかし、安倍政権のぶら下がり取材では、首相がこういう中身のないゴマカシ回答をしても、真っ赤な嘘の言い逃れをしても、記者たちは一切つっこまず、取材はあっさり終了するというのがパターンになってしまっている。

 それもそのはず。8月4日放送の『ひるおび!』(TBS)でTBSの政治部官邸キャップ・後藤俊弘記者が解説したところによると、このぶら下がり取材も、いきなり安倍首相に声をかけるのではなく、事前に幹事社が総理会見と同様、官邸に取材を要請。質問は1問か2問に限られ、事前に質問を提出するのだという。ようするに、ぶら下がり取材もまた、総理会見と同じく、安倍首相と内閣記者会・総理番記者との予定調和の出来レースだったというわけだ。


■安倍首相に「国会をすぐに開くべき」「逃げないで下さい」と迫った毎日新聞記者はYouTuber

 ところが、この日のぶら下がり取材はまったく違っていた。安倍首相の空疎な答えの後、質問をした記者とは別の毎日新聞の記者が「菅長官と西村大臣が特措法や規制について考え方が違うんじゃないかという指摘も出ています」「国会や記者会見を開いて総理自身がしっかりと説明する必要があるんじゃないでしょうか」と、食い下がったのだ

 予想していなかったのか、安倍首相はしどろもどろになりながら「菅長官と西村大臣が考え方が違っているというわけではない」「私もこうした形でお話をさせていただいている」などと言い逃れをするが、この記者は一歩も引かず、さらに畳み掛ける

「総理、それでもですね、国民はやっぱり不安に思っています。『GoToトラベル』についてもちぐはぐじゃないかと思っている方はいっぱいいます。それに対して総理が自分の声でしっかり説明する必要があると思うのですが」

 さらに、安倍首相が『GoToトラベル』については官房長官からも西村大臣からも政府の考え方としてお話をさせていただいている」などと、弁明にならない弁明を話し始めると、この記者は逆に安倍首相の話をさえぎり、こう迫った

「臨時国会については準備できれば早急に開いていただけるのですか、総理」

 これに対して、安倍首相は「臨時国会については、コロナ対策をはじめ諸課題を整理した上で与党としっかり相談してまいります」と繰り返し、その場を立ち去ろうとする。

 しかし、この記者はあきらめず、こう叫び続けた

すぐ開く必要あるんじゃないですか、総理。諸課題を整理している時間ないですよ、総理。感染者数増えてますよ、総理。しっかりと国会で説明する必要あるんじゃないですか。総理。総理、逃げないでください。総理

 結局、安倍首相は答えず、そのまま姿を消してしまったが、首相のぶら下がり会見で政治記者のこんな激しい追及を見たのはいつ以来だろう安倍首相の詐術やゴマカシにまったく黙らされず、本質的な質問を次々投げかけ、切り込んでいく立ち去ろうとする安倍首相に「逃げないでください」と迫る──。記者クラブの記者にこんな気骨と鋭さをもつ記者がいたとは驚きではないか。

 もっとも、この毎日新聞記者、現役の総理番記者ではないらしい。現在は野党担当として取材を続けながら、政治の情報をわかりやすく発信するYouTuberとして活動し、話題になっている宮原健太記者。宮原記者のツイートによると、〈臨時国会の早急な開催を拒否している政府与党に痺れを切らし、担当外なのですが(社内の了承を貰い)官邸で先ほど安倍総理に「臨時国会を開かないのか」と声かけ〉したのだという。実際、今回の自身と安倍首相のやりとりの模様もYouTube に動画をあげ、臨時国会を早く開くべきだと主張している。

「宮原記者はもともと総理番として、鋭い切り込みをしていた記者。YouTuber活動を本格化させたのは野党担当になってからですが、東大の演劇部出身で弁も立つということで、社も活動を公認しています。今回も宮原なら何か暴れてくれるだろう、とあえて、担当外のぶら下がり取材を許可したんじゃないでしょうか」(毎日新聞関係者)


■日本テレビは国会拒否を批判せず、国会開催を求める野党を攻撃する御用ぶり

 現役の総理番記者が反乱を起こしたわけではないが、大新聞の政治部がこういう記者をぶら下がり取材の現場に送り込むというだけでも大きな進歩と言えるだろう。安倍首相と政権のあまりの酷さに、記者クラブの談合マスコミもようやく目が醒めてきたということかもしれない。

 しかし、認識しておかなければならないのは、こうした動きはあくまでまだ少数派でしかないということだ。安倍政権がこれだけコロナでひどい対応を繰り返し、支持率が30%を切ろうかという状況になっても、多くの記者クラブマスコミ、新聞・テレビはまだ、安倍政権を恐れ、忖度し、その手先のような活動を続けている

 たとえば日本テレビは、5日、野党の臨時国会開催要求を与党が拒否したことを伝えるニュースで、こんな解説を垂れ流していた。

「(野党が臨時国会開催を求めたのは)野党側としては、安倍首相が国会出席を避けていることを印象付け、政権にダメージを与えたい狙いもあります。
しかし、与党幹部からは『野党は無理だと分かって要求しているだけ』と、本音を見透かすような見方を示しています」

 世論調査でも国民の8割が国会を開くべきと言っているのに、日本テレビは安倍政権が国会を拒否していることを一切批判せず、逆に正当な要求をしている野党ののほうをあげつらったのだこんな御用マスコミがのさばっているかぎり、安倍政権の横暴はまだまだ続くだろう

野尻民夫
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